ブリコルールの日々

キャッチし、発信するアンテナ。ANTENNE アンテーヌ 芦屋・宝塚・三田よりのレアで@な情報発信基地より

時間旅行へようこそ  TRANSIT2009

2009-05-01 10:22:31 | NEWS

彼女の水先案内で、昔訪れたいろいろな時代や場所にタイムスリップしていく。

さまざまな人と出会い、より素晴らしい夢を追いかけたり、予期せぬ出来事に行き先の変更を余儀なくされたり。

人生という時間旅行の旅は、これから先も続くけれど、気がつけば彼女の声にはげまされ、勇気付けられ、癒されてきた。


よりスタイリッシュに、そして変わらない姿で暗闇の中から彼女は姿を現した。ユーミンこと松任谷由美。「TRNSIT2009」のツァーは全国展開で始まったばかり。



ユーミンとの出会いは33年前。新井由美の時代で、もっと純粋に、そして稚拙で、不器用にしか人を愛せなかったころ。思い出話はたくさんあるけど、1番最初に思い出すのはこれかな。


■高校生のころ、仲間6名で神戸の文化ホールへコンサートにいった。

当時、大好きであったユーミンの。

美術部部長であったFくんの企画で、音楽好きが集まったのだが、その6名の中に、少し気になっていたMさんがいっしょでね。
クラスの中でも背中の中ほどまでのワンレングス、ロングヘアの彼女の背中を見るともなしに追いかけていた。

初めてのユーミンのコンサートもだけど、その偶然にドキドキしていたのを今もハッキリと思い出す。

「悲しいことがあると、ひらく皮の表紙・・ 
           ・・あなたは私の青春そのもの」

卒業写真をはじめ、数々の名曲を生で聴けて、大満足のエンディング。
最高だった。

興奮さめやらぬうち、終了して帰る段になったのだが、メンバーが一人足りない。

Mさんがいないのだ。

トイレかなんかだろうと待つこと10分ほど。
残りの5名で、手分けして探そうということになったとき、突然彼女が現れた。

「ユーミンに会ってきたの」

その言葉に一同、唖然とした。

ひとりで楽屋に行き、コンサートのスタッフに会いたいというと、楽屋に入れて会わせてくれたというのだ。そして本人と話して来たと。今なら絶対にありえないことだけど、アルバム「コバルト・アワー」をだして荒井由美としてメジャーになる寸前の、その当時ゆえにありえた奇跡。

なんたる幸運と強運。


その度胸と行動力に、すっかり参っちまった!

その後、Mさんには冷たい言葉で、したたかふられることになるのだが、今ではとてもほろ苦く懐かしい。

その声は、その歌心は、いつも明るい方向を指し示し、導いてくれたことに気づく。


独特の歌声と、倍音のおりなすあの雰囲気は今も健在だ。お洒落というひとことの言葉で語りつくせない衣装、舞台装置、照明と音響、構成とどれも4年ぶりとは思えない内容でした。会場を埋め尽くす人の波は、40から50代の人の姿が1番目立ちますが、中には若い人の姿もチラホラ。

ユーミンというと大掛かりにショウアップした絢爛豪華な舞踏会というイメージが強いけれど、今回のコンサートツァー「TRANJIT2009」は、オードブルからデザートまで計算し尽された大人のフレンチのディナーという感じかな。大阪では初日ということもあって、声が裏返ったりしていましたが、そんなことはご愛嬌。すばらしい内容でした。 ヴォーノ!

15年ほど前、知り合いの計らいで、当時ユーミンのコンサートツアーの舞台監督をしていたかたにチケットを取っていただき大阪城ホールのアリーナ、最前列で観させて頂いたことがある。何を着ていくか迷い、ムチャ派手ないでたちでわざと開演ギリギリに席についた。今なら恥ずかしい思い出だけれど、当時は必死だったな(笑い)

そのときコンサートが終わってから、舞台監督と梅田で飲んだけれど、名前も今は覚えていないその方の話の中で印象に残っていることばは「音楽で食べていくことは、そんなに甘くない」ということだった。

浮き沈みの激しい芸能界で何十年も、第一線で活動を続ける松任谷由美という人のすごさ、かっこよさを改めて感じた夜でした。

最高に似合ってるヘアスタイル、キメキメの服で颯爽と観にいきたいコンサート。

「みなさんをそれぞれの時間旅行の目的地にお連れします」というユーミンのMCのとおりに3時間、思い出と夢の世界に浸れました。
ユーミン、ありがとう。

みなさんも、ぜひボナ・ペェティ!