思いがけず、お裾分けをいただいてルビー色の一粒を頬張ると、はじけだす果汁の甘いこと。山形県産の佐藤錦は、なかなか口に入らない貴重なサクランボ。
調べてみますと、品種改良を重ね、佐藤錦を苦労の末に作りだしたのが山形県、東根町(当時)の佐藤栄助翁。
果肉が固くて酸味のある「ナポレオン」と、甘いが保存の難しい「黄玉(きだま)」に着目し、交配を繰り返す。実を発芽させて苗木を作り、そのなかで良いものを移植して育成。その苦労たるや想像に難くない。改良に15年という、その年月に表れています。
その間、苦闘する佐藤栄助翁を支えたのが年下の友人、岡田東作翁。ふたりは兄弟のような絆で結ばれ、研究熱心で植物全般、果樹に関する知識の豊富な東作翁の協力で佐藤錦は誕生したのだそうです。ちなみに「佐藤錦」の名付け親は東作翁。砂糖のように甘いと喜び合ったことに由来するそうです。いい話だ・・。
その美味しさ故、ポイポイとついつい口に投げ入れたくなる佐藤錦。
そのありがたみを、いま一度噛み締めて、ゆっくり味わなければ・・。
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