本ブログでもしばしば引用させていただいている西山孝四郎(石原順)氏の相場警告は、残念ながら年初から的中してしまった。下げのトリガーとなったのは、米アップル株の下落とメディアで説明されているが、これは後付けに過ぎないとされる。氏の情報によると真のトリガーは次のようなものであったそうだ。
「トレーダー仲間の情報によると、ファンドが潰れたのではないかということだった。FAANGやアップル絡みで苦境に陥っているファンドが多いらしい。アップル株で損をした投資家は、その損をほかの商品で埋めようとする。そうした数社が薄商いの中で大口の注文を入れると相場が大きく動いてしまう。きっかけは大口の売りが出て、AI運用が下げに拍車をかけるという展開である。今回特に大きく売られたのが、日本人が好んで手がけているドル円、トルコ円、豪ドル円、ポンド円であったことから、日本の正月休み期間中にファンドが狙いを定めて仕掛けたではないかという話にもなっている。恐らくいくつかの要因が複合的に絡んでの結果であろう。」
今後のドル円の見通しとしては;
「短時間で大きく動いてしまったため、レンジ感も105円から110円と広がっているが、冷静に見ると上値は重いと言える。ドル円の週足と価格帯別出来高で赤い線を引いたところ、104—108円60銭辺りは商いが少なく真空地帯であることがお分かり頂けるだろう。104円前半まで急落した後、107円から108円あたりまで戻しているが、あまり値段がついていないボリュームが小さい真空地帯を駆け下がって駆け上がっただけなのである。108円60銭より上のところでは、やれやれの売りが出てくるだろう。」 とされる。
エリオット波動分析で名を知られる森好次郎氏の最新のモデルもこれまたドル円に関しては大変な下値目線になっている。これによると、最悪90円台にまで下げのC波が伸びることになっている。
一方、株価はどうか、再び西山氏の分析を引用させていただくと;
「NYダウ(週足)と波動カウントを見て見ると、2009年に4波動をつけ、そこから丸10年上げきて、昨年5波動をつけたようにみえる。相場は循環であり、アクションとリアクションを繰り返すものである。10年上げ続けてきた後には調整が3年くらいあってもおかしくない。エリオット波動についてはカウントが違う場合もあるが、5の5は大天井であり、この後は調整相場入りとなる。」とされている。これまた悲観的にならざるを得ない。日本株は基本的にNYダウと同調して動くので、結論としては中長期のロングはリスク大ということになる。
上記は、1月11日のラジオNikkei「ザマネー」を要約させていただいたもの。詳しくは、下記YouTubeで視聴されたい。
https://www.youtube.com/watch?v=99Z94tHBAzs