彼女の歩方 2008年07月10日 00時34分55秒 | オリジナル小説 男爵の称号を名前につけた関西弁を喋る男の人が、テレビで変な歩き方をしていたのは何年前のことだろう。 あの頃はへんなの、なんて笑っていた結城ひなただが、いまは少し歩き方に興味を持っていた。もちろん、あんな変な歩き方ではない。 ファッションモデルのそれとも違う不思議な、けれどとても美しい歩き方だった。 ひなたは気付いた瞬間に虜になり、以来なんとか真似しようと試みていた。 まず最初には背筋を伸 . . . 本文を読む