だいすき

基本的に自分の好きなものについて綴っていきます。嫌いなものやどうでもいいこと、さらに小説なんかもたまに書きます。

何度も繰り返す

2007年09月28日 00時13分59秒 | 漫画やアニメが好き
 日向武史先生の描く『あひるの空』が大好きです。
 このブログをはじめて、何度口にしたかわからない台詞。
 それでも繰り返し口にしてしまう。

 だいすき。

 たった四文字。言葉にすればたったの一言。でも、そこには万もの想いがこもっている。

 漫画の中で繰り返し描かれる絶望。立ち塞がる壁。苦すぎる現実。
 でも、そこに嘘がない。
 僕が惹かれる理由のひとつがそれ。

 辛いことや嫌なことなんて沢山あるよ。どうにもならないこともね。
 そんなのはわかっている。わかっているからこそ、それをきちんと表現するのは難しい。
 大袈裟に書きすぎれば嘘になる。当たり前にかいては胸に響かない。
 日向先生は上手に描く。誰かを嫌な気分にさせるためではなく、読者を泣かすためでもなく、当たり前の現実として、その暗闇を描く。

 だから、その深さが心地よい。

 沈んだ者として、そこに甘露さを見出すことが出来る。

 そして、その暗闇を経験したからこそわかる。

 その先があると。

 確かに絶望に囚われて抜け出せない者もいる。

 闇の中で道に迷ってしまう者もいる。

 それでも、そこを抜けて、光へと一歩を踏み出すものもいるのだ。

 きっと、『あひるの空』ではそういうところも描かれていくだろう。

 それがわかるから、この作品で描かれている全てが、辛くとも心地よい。

 これまで何度も繰り返してきた。

 これからも何度も繰り返す。

 日向武史先生の描く、『あひるの空』がだいすきです。

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