だいすき

基本的に自分の好きなものについて綴っていきます。嫌いなものやどうでもいいこと、さらに小説なんかもたまに書きます。

赦す

2017年08月30日 23時43分26秒 | 漫画やアニメが好き
 ネタバレするよ。

 今月号。つまり、8月6日に出た『月刊少年マガジン』に載っている『C.M.B』のネタバレをするよ。

 もう、今月終わるんだからいいよね。

 だってさ、そのくらい今月号の話良かったんだもの。

 話はさ、ヨーロッパのバルカン半島にある小さな村に隠された秘密を解くって内容でさ。

 その村はこれまでに幾度も紛争に巻き込まれているんだけど、何故か生き延びてきているんだよね。その秘密、というか、生き残る術を探すって話。

 で、物語が進む過程で、法律が何故作られたのか、なんて話も出て。

 これは数ある説の一つなんだけど、復讐を禁止する為、らしくて。

 ハムラビ法典の昔から、復讐は推奨されていて、やられたらやり返す、が当たり前で。

 復讐しないと、悪いことをした人間が野放しになってしまうから。

 みんな復讐に精を出していた。

 でも、やられたらやり返すを繰り返していると際限がないし、冤罪なんかも出てきたら大変なことになるから、復讐でなく、法で捌くことにしたって説。

 なんでこんな話が出てくるかっていうと、紛争に巻き込まれても生き伸びる術にこれが関わってくるから。

 村に隠された暗号を解くと、聖書の一節が二つ出てくる、

 ひとつはマタイによる福音書18章22節、ここでイエスは、『兄弟が自分に対し悪さをしたら、何回赦すべきか?』と弟子に聞かれ、こう答えている。

『あなたに言っておく。七回どころか七の七十倍までも赦しなさい』

 もうひとつはルカによる福音書23章34節。ここは十字架にかけられたキリストの有名な言葉が載っている。

『父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです』

 争いに巻き込まれ、生き延びる術は?

 やられたらやり返す。そんな果ての見えない地獄から抜け出す方法は?

 昔読んだ別の漫画にも書いてあった。

『神は自らがそうであるように、あなたにも全てを赦すことを望んでいるのです』

 『C.M.B』の最後は、家族を殺された男の問いが書かれていた。

『そんなことをして、救われることがあるのか!?』

 問われた神父は一言答える。

『いつか』

 いつかきっと、争いのない世界が来る。

 穏やかな日々が続く日が来る。

 全てを赦す事ができたら。

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