今日という日

　今日の始まりはいつもの日曜と同じで、これといった面白味のないものでした。
　昼に出かけた先では嫌な目にあい、思い切り腹を立てました。
　夕方になっても苛々はおさまらず、次第に道に迷い出しました。
　腹を立てると僕はいつも彷徨い続けます。
　自己嫌悪という迷宮の中をです。
　今日はこの迷宮から長いこと出られず、ほとほとうんざりしてましたが、夕食の後に光が見えました。
　その光が導いてくれた先が、小説の神様の住居です。
　今日の終わりの小一時間の間は、神が僕の中に宿っていました。
　我ながら会心の文が書けました。ただ、調子に乗ってくどくしすぎてしまったかも、というのが不安ではありますが。

　もうじき。あともう少しで完成する。その確信を得ながら、今日という日が終わりを告げます。