旗

　『あなたは優しい人だから』

　とか、

　『あなたは大丈夫』

　だとか。

　あなたは正直な人だから、

　その言葉に嘘はなくて、

　きっとたぶんその通りなんだとは思うけど、

　でも僕は自分に自信がなくて、

　他人に誇れるなにかが欲しくて、

　胸を張って自分の旗を振れるようになるまでは、

　どうしてもその言葉に頷けそうにないんだ。

　せっかく期待されているのに、

　大丈夫だって云ってくれてるのに、

　それに応えようとしないのは、

　甘えかもしれない。

　本当はその言葉だけを頼りに進んでいくべきなのかもしれない。

　うん、

　でも、

　やっぱ。

　不甲斐ない僕でごめんなさい。

　いつかきっと輝いてみせるから。

　その時にはでっかい旗を振って、

　どこにいても僕がここにいるとわかるようにするから。

　あともう少し時間を下さい。