…と思ったのだが、麻也の額ももうしとどに汗に濡れている。
二人が汗ででろでろのまま、ライトに照らされて絡み合うのもまた一興…
そう思った諒は早足で麻也に向かっていき、後ろから左手を回すと、マイクにのせて、適当なメロディで「俺の麻也ちゃん、もっと良く顔を見せて~♪」
すると麻也がやっと吹き出して、こっちを見てくれたところで軽いディープキス。
客席が悲鳴を上げているうちに、諒は麻也を誘うように座り込み、ステージの上の恋人たちは、恍惚の表情をファンたちにさらしながら頬をすり寄せた…
珍しく麻也は手を止め、演奏は後の3人に任せてしまった…
打上げの2次会、麻也はつぶれたふりをして、宴会の片隅で突っ伏して休んでいた。
打上げの2次会、麻也はつぶれたふりをして、宴会の片隅で突っ伏して休んでいた。
すると知り合いの社長が、麻也王子、大丈夫?と訊いてくる。
諒が引き取って景気よく返した。
「夜はこれからだもんね、麻也さん?」
それを聞いた麻也は顔だけ見せると、可愛らしい笑みを見せた。
〈19章終わり〉