BLロック王子小説「ディスティニーアンダー・グラウンド-ギターとスターに愛され過ぎた王子-」

 ★過去に傷を持つ美貌のロックギタリスト遠藤麻也(まや)。運命の恋人・日向 諒と東京ドームに立つが…

★BLロック王子小説20-8「ディスティニーアンダーグラウンド」

2019-06-19 21:21:45 | ★ディスティニー20章
「グラムロック界の神童、だから」
「あーそれ、『ロックインパクト』で読んだ。知性の若グラ、とかでしょ。最後に出てきたグラムバンドだもんね。でもグラムっぽいバンドってみんな頭よさそうだよね」
「合法でも体壊さなきゃいいんだけど…」
「それにしても、ゲーノー人ていいわよねえ、鈴音とか関村響子とかさ…打ち上げとかにも行けるんでしょ?」
「藤田冬弥もそうでしょ?」
「その話はあんまり聞かないな…私の友達は地方の追っかけだからわかんない」
「メンバーが嫌がって、関係ないオンナは入れないみたいよ」
「じゃあ麻也王子、オトコと3Pは確定でいいんでしょうか?」
「そうねえ、麻也王子は美しいわ男らしいわでお召し上がり!」
「いやー、私も男に生まれればよかった…」
「いや、そうじゃなくて、ディスグラは世界でいちばんカッコいいバンドです。演奏能力も高くて、ステージング上手くて…」
 
 
「もう朝からたくさんファンが来てますよ…ライブの日をたっぷり楽しみたいんでしょうね…」
 会場前のチェックを担当しているスタッフが笑顔で教えてくれた。
「神奈川は地元だからねえ…」
と直人が言うと、麻也以外の3人で爆笑になってしまった。
 メンバーの地元・町田市は「東京都の端の方」とはいえ一応東京都なのに、
世間では神奈川県に間違われたり、神奈川の端と揶揄されているのだ。
複雑な気分だが…
「まあ地元が二つあると思えばいいんじゃない」
の直人の言葉にメンバーは一つになったのだった…
 しかし、麻也はこの日も人目につかない角度に置かれたソファに転がって、
体力を温存していたので、薄笑いを浮かべるのがやっとだった。
 ツアーファイナルと同じく年末も武道館2DAYSというのは未発表だが、以前からのファンにはバレバレだろう。

★BLロック王子小説20-7「ディスティニーアンダーグラウンド」

2019-06-19 20:53:30 | ★ディスティニー20章
「おはよー、遅くなってごめーん。 そういえば麻也ちゃんが、警察のご厄介になったって聞いた? 」
「おはよ…えーっ?諒綺ちゃんまで何よ…っていうか、警察って…」
「…え? 今日? ライブ無くなっちゃうじゃん…」
「あー違う、何日も前、地方で。」
 「おはよー、何もりあがってんの?」
「麻也王子のアブナイ話。那直は…」
「ああ、麻也たん、ファンのオトコ二人にヤられたってヤツでしょ。」
「はあ?」
「おはようございまーす。麻也たんのクスリの話?」
「真綾まで…いやーん、麻也たんライブでふらふらしてんのはクスリのせいなの?」
「あれ、みんな知らなかった? 地方で、あの酒に強い麻也ちゃんがベロベロだったって。その様子が普通じゃなくて、ドラッグじゃないかって。
で、歩けないから地元の若いスタッフの男二人に部屋まで送らせて、で、食っちゃったって。」
「…」
「最初は睡眠薬だったのに、マネージャーや付き人がご機嫌取りに合法ドラッグすすめたら、六本木でいけないクスリで接待されるまでになってるんだって」
「ええええ…」
「…まあ、女に男とくればもうクスリしかないんじゃない? 
アッチの方も最高になるっていうし…」
「それよりぃ、残念だけど、最近麻也ちゃんの曲イマイチだからそういうものを体験したかったのかなあ…」
「じゃあ、諒もやってるってこと?」
「うーん、確かに最近は諒の曲の方が深い感じだけど…ボ一カリストは無理じゃない?それに麻也姫にご奉仕しなくちゃいけないし」
「うーん、シューカンセイ? のないものはいいんじゃない?」
「それを言うなら、依存性じゃない? 」
「ん…まあ、ミュージシャンだったら合法ドラックぐらいやってるかもしれないね…」
「うん、きっと合法だよ。捕まるようなこと、真面目なディスグラさんがするわけないじゃん」