「東京神奈川どっちなの♪ そんな町田で始まった~、美形バンドで楽しいロック、あなたの恋人ディスグラで~す♪…」
バンドイメージを壊しそうなくらいコミカルな学生ノリの歌だが、直人にあおられた客席はみな手拍子で盛り上がってくれた…
そこからはいつもの激しさと美しさで会場一体となって駆け抜けたが…
その夜、ホテルの自室で麻也は困っていた…(これどうしよう…)
諒がMCでミスをしてしまったばっかりに、麻也も二次会まで抜けられないムードになってしまった。
それで実際に出席して体は疲れているのに。
もう何だろうこの体の奥に湧き上がってくるものは…ってわかってるけど…こういうときこそ諒がセマってきてくれたらいいんだけど…
諒も来客を見送って身内だけになった時からどっと疲れた顔になってしまっていた。
(諒が寝てから自分で何とかするしかないかな…)
煌びやかなステージで皆に求められていた自分が、と思うと何だか虚しい気がしないでもなかったが、とにかく麻也は諒をこれ以上疲れさせたくなかったのだ。
「麻也さん、明日は移動だけだから薬のめるんでしょ?」
「あ…うん…」
ベッドのところにやってきた諒は、薬のケースと水のボトルを差し出してくれた。
(でも今これのむと諒より早く眠っちゃうだろうしなあ…でも最近はそうでもないか…)
麻也がためらっていると、諒もベッドの上に…
そして長い腕を麻也の首に回すと、耳元に囁いてきた。
「…本日のメニューは、ミルクがけと一本締めのどちらかがお選びいただけます…」
いつものような忍び笑いはない。諒が疲れている証拠だと麻也は思い、
「…お気持ちだけで充分です。諒も疲れてるじゃん。早く寝よ。」
「いやいや、王子…」
バンドイメージを壊しそうなくらいコミカルな学生ノリの歌だが、直人にあおられた客席はみな手拍子で盛り上がってくれた…
そこからはいつもの激しさと美しさで会場一体となって駆け抜けたが…
その夜、ホテルの自室で麻也は困っていた…(これどうしよう…)
諒がMCでミスをしてしまったばっかりに、麻也も二次会まで抜けられないムードになってしまった。
それで実際に出席して体は疲れているのに。
もう何だろうこの体の奥に湧き上がってくるものは…ってわかってるけど…こういうときこそ諒がセマってきてくれたらいいんだけど…
諒も来客を見送って身内だけになった時からどっと疲れた顔になってしまっていた。
(諒が寝てから自分で何とかするしかないかな…)
煌びやかなステージで皆に求められていた自分が、と思うと何だか虚しい気がしないでもなかったが、とにかく麻也は諒をこれ以上疲れさせたくなかったのだ。
「麻也さん、明日は移動だけだから薬のめるんでしょ?」
「あ…うん…」
ベッドのところにやってきた諒は、薬のケースと水のボトルを差し出してくれた。
(でも今これのむと諒より早く眠っちゃうだろうしなあ…でも最近はそうでもないか…)
麻也がためらっていると、諒もベッドの上に…
そして長い腕を麻也の首に回すと、耳元に囁いてきた。
「…本日のメニューは、ミルクがけと一本締めのどちらかがお選びいただけます…」
いつものような忍び笑いはない。諒が疲れている証拠だと麻也は思い、
「…お気持ちだけで充分です。諒も疲れてるじゃん。早く寝よ。」
「いやいや、王子…」