麻也がサイドテーブルの携帯を取ろうとしたら、切れてしまった。
誰からなのか諒が気にしているのがわかるので、
「真樹からだったんだけど…どうしたのかな…」
まだ何かあると、悪い方に考えてしまう。
それを吹っ切るように、麻也はテレビに目を向けたが…
「あと10日ぐらいしかオフはないんだよねえ…」
思わず麻也はつぶやいていた。それを聞いて諒は吹き出し、
「麻也さん、夏休みの小学生みたい」
これには自分でも笑ってしまった。しかし、
「いやあ、どう動いたものか悩んじゃって。まだ打ち合わせもしてないし、スタジオにも入ってないし…」
「まあ焦んないで、って麻也さんがここまで元気になってくれたのが嬉しい!」
と、長い腕を絡ませて抱きついてきた。
麻也ははしたなくも思った。
(東京ドームでも、こうして諒に抱かれたい。ステージでライトを浴びながら…)