「もー、何考えてるんだよっ! テレビ見てたのっ! そりゃ手ぐらいはつないでたけど」
諒の様子だと、真樹は相当ヘンなことを言ったのだろう…まあ、諒の返しも返しだからいいけれど…
「何見てた、って何だっていいだろっ! 録画してた〈恐竜の歴史〉だよ!」
疲れている日は堅い番組の方が楽なので、本当に見てはいたのだが…
「もともと二人ともそういうのは好きだよ。それにどうせ麻也さんの顔しか見てないんだからいいじゃん」
(もう、諒ったら…)
恥ずかしくも、麻也としては嬉しい。
「…え? もう切っちゃうの? 何か用事があったんじゃないの? 何だよ、ドッキリみたいじゃん…はい、おやすみー」
と、電話を切られてから、諒は、あっ、と声をあげた。