あおこのぶろぐ

オペラ、テレビ、日常など、気が向いたときに書いていきます!

残念感を解消! 深作健太演出 二期会「ローエングリン」

2018-03-16 22:11:10 | 日記
もう1ヶ月くらい経ってしまいますが、引越でバタバタの2月でしたが、二期会「ローエングリン」2月21日、22日に行って来ました。

二期会で上演するのは39年ぶりだそうです。
深作健太演出、準メルクル指揮で、「ルートヴィヒⅡ世の生涯に読み替えた」演出でした。

22日の深作氏のアフタートークも聞きました。
2日連続で観たからかもしれませんが(部分的に初日と2日目では違うところもありましたが)、話を聞いて「やっぱり」と思うところが多かったです。
つまり、「演出家の意図するところがわかった」ということで、「読み替えとしてはわかりやすい演出だった」と言えるのではないかと思いました。

深作氏がワーグナーが好きだということも、ワーグナーやルートヴィヒⅡ世についてよく調べていたということも、伝わってきたアフタートークでした。

演出の詳細については各所で詳しく書かれているので、私は省きますが。

以前も書いたのですが、総合芸術としてオペラを楽しむ際、視覚面を重視する私。そしてローエングリン役の見栄えには特にうるさい私です。

福井敬さんは、日本を代表する、素晴らしいテノールです。ええ、わかっています。
……が、白鳥の騎士ローエングリンは、外国人歌手でも視覚的にハードルが高いのに、日本人にとってはなおさらです。

特に第一幕の登場シーンは大事です。
97年の新国立劇場の福井さんのローエングリンも観ました。
が、ヴィジュアル面での「残念感」を拭えませんでした(ほんとすみません)。

しかし、ローエングリンを年老いたルートヴィヒに置き換えたことで、その「残念感」が解消されたのです。
黙役で“青年時代のローエングリン”(丸山敦史さん)を登場させたことで、かっこいい白鳥の騎士を期待する乙女心(!?)を満足させてくれました。丸山さん、途中しっかりルートヴィヒにも見えましたし。

大事な登場シーンですが、最初から舞台上にいるローエングリン=ルートヴィヒⅡ世が、「あなたがローエングリンにおなりなさい」と、エルザ(この演出では皇妃エリーザベト?)に促されるように歌い出すという演出は、自然に見えました。

深作氏はおっしゃらなかったけれど、私が心配する「視覚的残念感」を解消するところから、この読み替え演出を思いついたのではないかと思ってしまいました。
少なくとも私はえらく得心したのでした。

読み替え演出の是非を問う声がよく上がりますが、私は、作品や演奏を損ねず、「面白い」と思えればオッケー、という考えです。

そういうわけで、かっこいいローエングリン(ルートヴィヒ)が見られたし、そして装置、照明など視覚的にきれいだったので、今回の演出、私は「是」です。

R−1ぐらんぷり 2018

2018-03-10 07:14:41 | 日記
R-1優勝は盲目の漫談家・濱田祐太郎 「え、ホンマに優勝!?」と驚く


R-1については毎年書いているので。

濱田祐太郎は、まさに「彼にしか出来ないネタ」を、明るく、達者に聞かせていて素晴らしかったと思います。

準優勝のゆりやんレトリィバァは、最初見た時は「友近の亜流?」と思ったけど、その後のネタを見ていたら、どんどん新しいネタにチャレンジしているし、引き出しもいろいろ持っている。
バラエティ等でも活躍しているけれど、まさに「芸人」だと思います。
「THE W」や「NHK上方漫才コンテスト」を獲ったけど、R-1もそのうち獲るのでは?

今大会で個人的に好きだったネタはトップバッターの、ルシファー吉岡の生姜ネタでした。
私は録画で見たから気にならなかったけど、夜7時からの番組のトップのネタとしてはふさわしくなかったのかな……と思いますが。

そして私が大好きなマツモトクラブ。
今年ファイナリストに名前がなかったからガッカリしていたけど、しっかり復活ステージ1位で上がってくるところがスゴイ!
「にちようチャップリン」とかでも、彼が出た時は録画しています。
あの世界観はやっぱり好きだなぁ。

びわ湖ホールプロデュースオペラ「ワルキューレ」3月4日

2018-03-06 18:36:56 | 日記
昨年の「ラインの黄金」に続き、「ワルキューレ」を観ました。

2月中引越でバタバタしていました(そんな中二期会「ローエングリン」にも行きましたが、それはまた後日)、まだ家の中はごちゃごちゃですが。
チケットを買っていたので、絶対行くぞ~と気合いが入り、大変な引越も、インフルエンザにも腰痛にもならず乗り切り、無事大津入りしました。


ミヒャエル・ハンペ氏演出の印象は昨年と同様。
最新の技術を使っているのですが、「初演の時はこんな感じだったのではないか」と思わせるクラシカルな舞台(美術・衣裳、ヘニング・フォン・ギールケ氏)で、音楽と台本を忠実に具現化した演出だったと思います。

個人的には、前にも書いたように、キース・ウォーナーのトーキョーリングがお気に入りで、中でもワルキューレは大好きでした。
あのワクワク感には及びませんでしたが、今回のプロダクションも古典派名作と言えるでしょう。

ブリュンヒルデをはじめとするワルキューレたちの衣装もイメージ通りで、まさに作品の世界観を壊さない「お手本」のような舞台でした。

敢えて気になった点を書くと、騎行の時、もっと馬を走らせ(飛ばせ)ても良かったのに、と思ったのと、最後の炎が凄すぎて、大丈夫?ブリュンヒルデ焼け死なない? と思った(笑)ことくらいでしょうか。

歌手の皆さんも本当に良かった。
オペラ作品の中で、私が一番多く足を運んだのが「ワルキューレ」。
同プロダクションの同キャストのものも含め20公演近く観ていますが、これまでに観た邦人キャストの公演の中で、最高レベルだったのは間違いありません。

昨年に続きヴォータンは青山 貴さん。私にとって理想のヴォータン声と言っていいです。満足です。

ブリュンヒルデの池田香織さん、イゾルデで魅せられてから注目していましたが、期待通りの歌唱。2幕冒頭のやんちゃな少女から女性へ、成長する様も表現しておられました。

ジークリンデ(田崎尚美さん)、フリッカ(中島郁子さん)も堂々として素晴らしかった。
ジークムント(望月哲也さん)、フンディング(山下浩司さん)も満足。

2幕最後のIL DEVU3人の競演も見応えありました。

オペラにおいて見た目に厳しい私。
しかし、フンディングはふくよかでも問題なし。
ヴォータンもそう。青山さんは、扮装では「恰幅がいい」くらいにしか見えないのでOK。
ジークムントは、出来ればお腹ポコリンじゃないほうが良かったけど、ローエングリンほど見た目のハードルが高くないので、許容範囲でした(^_^;)

8人のワルキューレたちは、歌唱的に正直粒不揃いの感がありましたが……。


昨年と違い、フィナーレ、音楽が終わって沼尻さんの手が動き出すまで照明を落とさなかったので、フライング拍手もなくて良かったです。
やっぱり同じことを思った人が多くて、改善したのでしょう。

とにかく「いいものを観た」と満足出来た公演でした。
2日間だけの公演というのがもったいない、とつくづく思います。