あおこのぶろぐ

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4月からの延期公演・「サムソンとデリラ」

2021-01-09 22:21:15 | 日記
昨年4月上演予定だった公演の延期公演。
「緊急事態宣言」発令直前の1月6日鑑賞しました。
指揮者は二度変わりましたが、無事上演出来て良かったです。

「サムソンとデリラ」を最初に観たのは1986年のロイヤルオペラの来日公演でした。
エレーナ・オヴラスツォワ目当てで奮発してチケットを買ったのに、来日不可能となり、ブルーナ・バリオーニがデリラを歌いました。ちょっと残念な思い出がです。
サムソンはジョン・ヴィッカーズ。大司祭のジョナサン・サマーズでした。サマーズの声は私の好みの声でした。

有名なアリアやバッカナールだけでなく、大司祭の歌なども耳に残ったし、ラストシーンの光景は目に残っています。

もともと悪役が好き、男くさいのも好き(女声のキャストはメゾのデリラだけ)ということもあり、お気に入りの作品の一つになりました。

とは言え、上演機会があまりない作品ということもあり、その後は生鑑賞機会がなく、数年前にMETライヴビューイングで観たくらいでした。
(ちなみにオブラスツォワは、その二年後、METの来日公演で、コッソットの代役で歌ったアズチェーナを聴くことが出来ました)

簡単に感想を。

なかなか豪華な配役で、聴き応えがありました。
特に、デリラの池田香織さん、サムソンの福井敬さん、老ヘブライ人の妻屋秀和さんが素晴らしかったです!
この時期に渋谷の街を歩くのは、ちょっと怖くもありましたが、行った甲斐はありました。

二人のペリシテ人を歌った若手のお二人(市川浩平さん、高崎翔平さん)にも今後注目したいです。

セミ・ステージということで、特別な扮装は無く、演奏会の延長という感じではありますが、十分楽しめました。
福井さんは鮮やかな青いストールを肩にかけていました。
ストールが髪の毛(怪力の秘密)の役割をするのかなとの予想通り、2幕最後にデリラがストールを奪っていました。3幕ではストールで目隠しをして盲目になったことを表すなど、工夫が見られました。
(でも、妻屋さんは長髪ということもあり、妻屋さんのほうがサムソンっぽく見えてしまった)

合唱団の前に紗幕を張り、そこに映像を投射するという形でうまく情景を表していました。
が、バッカナールの場面、紗幕で特に映像が流れるわけでもないし、やっぱりバレエがないと物足りないなー、と最初は思ったのですが、いえ、見事なダンサーがいました!
代役の代役でオケ(東フィル)を指揮したマキシム・パスカル氏の躍動的なタクトさばき。充分楽しめました。
パスカル氏は終演後、帰国の途につかれたそうです。
どうかお健やかに!

いずれにしても「サムソンとデリラ」、次はフルオペラステージで見たいと思いました。


当時のロイヤルオペラのパンフを見てみましたが、他公演もすごい豪華なメンバーでした。
最近外来オペラには行けていなかったけど、今後しばらくはこういう引越し公演も出来ないんだろうなと思うと寂しいですね。