ドイツ系がオペラ好きだけど、グラウンドオペラも大好き。ロッシーニの音楽も好き。
「ウィリアム・テル」は絶対観たい! と思いました。絶対好きなはず! と思って。
11月20日、初日を鑑賞しました。
実際、思った通り。 好きです。このオペラ。
なんと言うか、聴いていていやなところがない。
同じ台本で別の作曲家が作ったら、全く違う重々しいものになっていたかも、と思うくらい、ストーリーは重いのですが、美しく明るいメロディで聴きやすい。
初めて観るので、演出や演奏についてとやかく言う知識もないし、純粋に初見で楽しめました。
歌手の皆さんも申し分なかったです。
初見とは言え、マティルドのアリア「暗い森」はすごく聴き覚えあったので、いつ聴いたんだっけ、と調べたら、1981年のニューイヤーオペラコンサートでした。
松本美和子さんが歌っていました。オペラを聴き始めたばかりの頃で、あの頃はとにかくテレビ、ラジオで放送されたものを録音してよく聴いていたのです。
同じ頃、古本屋でシラーの戯曲集を買ったのも思い出しました。「ウィリアム・テル」や「ドン・カルロ」「ルイザ・ミラー」「群盗」など、オペラの原作満載だったので。
また、第3幕は明らかに聴き覚えがあったので、何かのハイライトか、オペラアワーか、BSで中継されたか何かで聴いたことあったのでしょうな。
とにかく音楽面でも視角面でも不満なく、気持ちよく観終わることが出来ました。
何せ、「影のない女」がちょっと後味が悪く(カーテンコールも含め)、消化不良感があったので。
これはオペラ初心者の方にも勧められます。
歌手の皆さん、演出、演奏にも大満足なのですが、その中で、特に印象に残ったことなどを書くと。
空から槍? の装置は、ちょっとトーキョー・リングを思い出しました。
歌手の方々の中では、エドヴィージュの齊藤純子さん、初めて聴きましたが、舞台映えするし、声も良く、印象に残りました。
安井陽子さんが少年に見えたのもすごい(次は夜の女王!)。
あと、序曲の「あの」部分を聴くと、ある年代の人はみんなそうじゃないかと思うけど、やっぱり「ひょうきん族」を思い出すなあ。
ちなみに「ウィリアム・テル」を日本初演した藤沢市民オペラですが、私は「リエンツィ」の初演を観ました。
藤沢市民オペラ、なかなかチャレンジングですよね。
確か訳詞上演で、さらに字幕もあったと記憶しています。
音楽がイタリアオペラみたい、と思ったのと、ストーリーが腹立たしいものだった、ということが印象に残っています。
これのおかげで、海外に行かずして、ワーグナーのオペラ系作品、全部生観賞出来ているのが、密かな自慢だったりします。
「妖精」と「恋愛禁制」は、東京オペラプロデュースの公演を観ています。
結構ワーグナーの初期作品も好きなんですよね。
これらを経て「オランダ人」「タンホイザー」と進んで行くんだなあと思うと感慨深い。
話を戻すと。
とにかく満足度が高かった今回の公演。
「ウィリアム・テル」、是非また上演して欲しい。
ついでに「リエンツィ」も原語日本初演、いかがでしょうか?