アプリコット プリンセス

チューリップ城には
とてもチャーミングなアプリコット姫がおりました

赤穂事件 強い味方

2023-01-28 09:45:40 | 漫画

          赤穂事件 強い味方



将軍綱吉
「桜田上屋敷に行っておるのか?」

鷹司 信子
「近衛熙子様に、会っておりますのじょ」

将軍綱吉
「お前が行かずとも、
呼び寄せればよいではないか!」

鷹司 信子
「あら?」
「何処へ?」
「三の丸に呼びましょうか?」

将軍綱吉
「あのなぁ」
「黒書院に呼べ」
「城に居付くのは困るぞ」

鷹司 信子
「何故ですか」
「近衛熙子様は、高貴なるお方じょよ」

将軍綱吉
「儂は、あの者が怖い」

鷹司 信子
「まァア」
「貴方様は、雷も、政も、おなごも怖いのですか」
「少しは、慣れては如何でしょう」

将軍綱吉
「んん」
「慣れるのか・・」

鷹司 信子
「怖がる事など何もありませんじょよ」
「わらはに、全てを任せなさい」

将軍綱吉
「あぁあのな」
「母君の官位が遅れておる」
「何でかなァ」
「壱万両も用意した」
「京と奈良の寺社も再建を約束した」
「他に何が出来る?」

鷹司 信子
「近衛熙子様を、三の丸に呼び為され」

将軍綱吉
「えぇ」
「だから、儂は、あの者が怖いと申しておろうが」
「呼んではならぬ」

鷹司 信子
「黒書院は政の場所ですじょよ」
「三の丸が適しております」

将軍綱吉
「 いずれにしろ
居付いては為らぬ」
「しばらくだけにしておけ」

鷹司 信子
「いずれ三の丸にお迎えいたしますじょよ」
「その間に、おなごに慣れて下さいませ」

将軍綱吉
「いやいや あのな」
「おなごが怖い訳ではないぞ」
「儂はな、あの近衛熙子が怖いのじゃ」
「絶対に近づけては為らぬ」

鷹司 信子
「きっと、そうだわ」

将軍綱吉
「えェ?」
「何じゃ?」

鷹司 信子
「玉の官位が遅れている理由が分かったわ」

将軍綱吉
「おおおぉオ」
「理由は何じゃ?」

鷹司 信子
「きっと、近衛家が反対していると思うわ」

将軍綱吉
「真か?」
「何故、反対する?」

鷹司 信子
「貴方様が、
近衛熙子様を嫌っているからですじょよ」

将軍綱吉
「いやいや、そうではない」
「嫌っているのではないぞ」
「・・・」

鷹司 信子
「では」
「三の丸にお迎え下され」

将軍綱吉
「ああァ・・・」
「あのな、ちょっと待て」
「直ぐには無理じゃぞ」

鷹司 信子
「左様ですか」
「では、約束為さいませ」
「将軍は近衛熙子様を
近々、三の丸に迎える事にしたと
約束為さいませ」

将軍綱吉
「約束だけなら・・・」
「約束すれば母君の官位を貰えるのか?」

鷹司 信子
「必ず、賜わる事が出来ますじょよ」

将軍綱吉
「よし」
「約束する」
「母君の官位の為じゃ」
「辛抱しよう」

鷹司 信子
「ただし、約束を破れば官位を没収しますじょよ」

将軍綱吉
「おおォオ」
「約束は守る」
「守るぞ」

鷹司 信子
「貴方様は最近、
玉を敬遠さなっておられるようじょな」

将軍綱吉
「あぁぁ・・・」
「そんな事はないぞ・・」
「気のせいじゃ」
「気にするな・・」

鷹司 信子
「いいえ、誤魔化しても無駄です」
「玉は、貴方様に愛想を尽かしておりますじょよ」

将軍綱吉
「儂は、此処にしか居場所がないのじゃ・・」
「追い出さないでくれ・・」

鷹司 信子
「あっははは」
「情けないお方じょよ」
「でもね、安心為さいませ」
「貴方様は、わらはが守ります」
「わらはに、全て任せなさい」

将軍綱吉
「そうか・・」
「儂を追い出さぬと約束してくれ」
「儂は、此処にしか居場所がないのじゃ」
「柳沢の屋敷も居心地が悪い」
「もう、嫌じゃ」

鷹司 信子
「まあ、まあ」
「かわいい、御方じょよ」
「大奥にしか、其方の安住はないのかえ」
「情けないお方じょよ」

将軍綱吉
「そう・・・」
「なにやら、恐ろしい事が起りそうな・・」
「怖い・・・」

鷹司 信子
「大丈夫じょよ」
「わらはに全てを任せるのじょよ」

将軍綱吉
「お前は、強いおなごじゃな」

鷹司 信子
「まァア」
「わらはなど、大した事は御座いませんじょよ」
「近衛熙子様は、
わらはなどとは、比べ物に為らぬほど強いお方じょ」

将軍綱吉
「そんな強きおなごを
三の丸に入れても大丈夫なのか?」

鷹司 信子
「大丈夫じょ」
「近衛熙子様は、わらはの味方じょよ」

将軍綱吉
「おおおォオ」
「恐ろしい!」

鷹司 信子
「まァア」
「わらはに任せ為され」