アプリコット プリンセス

チューリップ城には
とてもチャーミングなアプリコット姫がおりました

赤穂事件 事情を知る者達

2023-01-30 10:39:11 | 漫画

       赤穂事件 事情を知る者達



藤井宗茂は3月16日に屋敷を立ち退き、鉄砲洲上屋敷近くの築地飯田町(現在の中央区築地7丁目東部あたり)に安井彦右衛門や用人石槽勘左衛門(150石役料20石)・藩大目付早川宗助(200石役料10石)らと暮らしていた。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


片岡源五右衛門(高房)
「大石殿は仇討ちはせぬと申された」
「儂は、裏切られた思いで
此処へ参った」

藤井 宗茂
「其方は、事情を承知しておるのに
仇討ちを主張するのか?」

安井 彦右衛門
「左様、主は吉良を憎んではおらぬ」
「吉良を討つのは
主の真意では御座らん」

片岡源五右衛門(高房)
「主の仇は、徳川綱吉ぢゃ!」

藤井 宗茂
「うギェエ」
「声が大きいぞ・・」

安井 彦右衛門
「畏れ多き事・・」

片岡源五右衛門(高房)
「畏れ多き事だか
恐れだか知らんが
主の仇は吉良ではない」
「綱吉ぢゃ!」

藤井 宗茂
「おおおォ・・」
「分かった、落ち着け」
「一体、赤穂で何があった?」
「興奮せずに、落ち着いて話してくれ」

安井 彦右衛門
「人に聞かれれば
我らは、囚われるぞ」 

片岡源五右衛門(高房)
「んんゥ」
「済まなかった・・」

「大石は、主の遺言を受け入れようとしないのだ」
「儂は、赤穂では蚊帳の外であった」

藤井 宗茂
「大石殿は、浅野赤穂の再興を放棄なされたのか?」

安井 彦右衛門
「大学様を立てて、浅野家の再興を果たさぬと仰せか?」

片岡源五右衛門(高房)
「いや、再興を望まれた」

藤井 宗茂
「何じゃ」
「それであれば、裏切りでは御座らん」

安井 彦右衛門
「心配させるな・・」

片岡源五右衛門(高房)
「いやいや」
「そうではない」
「大石が、
主の遺言を、蔑ろにしているのが問題なんじゃ」
「これでは、浅野赤穂の再興などありえない」

藤井 宗茂
「しかし、謀反となれば
再興もないのだぞ」
「御上に盾突く訳には参らん」

安井 彦右衛門
「左様」

片岡源五右衛門(高房)
「大石は、籠城して幕府に意地を見せると申した」
「しかし、無抵抗にして
無血開城をしたのじゃぞ」
「切腹して、幕府に抗議すると申しながら
資金の回収をして私腹を肥やしている」
「これを裏切りと呼ばす何とする!」

藤井 宗茂
「資金の回収は、私腹の為では御座らぬぞ」
「幕府に許しを乞うには、資金が必用じゃぞ」
「太傅は、賢明じゃ」

安井 彦右衛門
「左様」

片岡源五右衛門(高房)
「まさか、
其方達は、資金援助を受けておるのか?」

藤井 宗茂
「・・・・・」
「屋敷は、没収され
江戸屋敷の資産は全て奪われ
我らの扶持はなくなった」

安井 彦右衛門
「生きる為には、資金が必用じゃ」

片岡源五右衛門(高房)
「主の無念を晴らすのです」
「主は、浅野赤穂を守る為に
果し合いを演じたのでござるぞ!」
「自らを犠牲にして
浅野赤穂を守ろうと為さったのですぞ!」

藤井 宗茂
「左様じゃ」
「しかしな、沙汰は下された」
「喧嘩両成敗はなかったのじゃぞ
御上が決めた沙汰に逆らってはならぬ」
「主は、殿中で刃傷事件を起こしたのじゃ」
「場所前をわきまえる必要があったのじゃ」
「我らは、御上の沙汰に従う事しか出来ん」

安井 彦右衛門
「左様」

片岡源五右衛門(高房)
「それは、吉良が逃げる準備をしていたからじゃ」
「殿中では手出しが出来ぬと思い込み
油断したからじゃ」
「主の負けでは御座らぬ!」

藤井 宗茂
「左様」
「主の勝じゃ」
「主は、最善の策を講じて対処した」
「吉良はお館様を舐めてかかり
まんまと果し合いに嵌ったのじゃ」
「全ては、吉良の油断から生まれた」
「主は、吉良に勝ったのじゃぞ」
「もう、よいではないか」

安井 彦右衛門
「吉良も、失脚じゃ」
「痛み分けじゃ」

片岡源五右衛門(高房)
「いいえ」
「喧嘩両成敗であれば
浅野赤穂は再興される必要が御座る」
「再興なき時は、
報復せねばならぬのぢゃ!」
「もはや、赤穂城は幕府に刈り取られ
藩士は追放、資産は没収された」
「今だ再興などとほざいている場合では御座らん」
「主の無念を晴らすのじゃ!」

藤井 宗茂
「・・・・・・・」
「ちょと待て」
「無謀な事を考えるな」

安井 彦右衛門
「御上に盾突いても敵わぬぞ」

片岡源五右衛門(高房)
「吉良を討っても
我らは咎めを受ける」
「綱吉を狙っても同じ事」
「本当の仇を狙うべきぢゃぞ!」

藤井 宗茂
「声が大きい」
「もっと、小声で申せ」

安井 彦右衛門
「我らを、道連れにするな・・」