今年最初の投稿です。なかなか時間がとれませんでした。
3月29日(日)まで、東近江市五個荘では「商家に伝わるひな人形めぐり」が開催されています。姉から「すごいらしい」と聞き、家族で行ってきました。
五個荘近江商人屋敷等の各会場では、商家に伝わる御殿雛などの家宝雛を始めとした、古くは江戸時代からの人形や現代の創作雛人形など約100組を鑑賞することができます。特に今年は20周年記念として、さまざまな特別イベントも開催されています。
最初は、藤井彦四郎邸
藤井彦四郎は、「小町糸」「スキー毛糸」の製造販売、積極的な海外視察など時代を敏感にとらえて一代で成功しました。
屋敷地には、総ヒノキ造りの客殿(滋賀県指定文化財)と洋館、土蔵が立ち並んでいます。それと近江商人の像が入り口にあります。
中にはいると、御殿雛が飾られています。
圧巻です。それぞれの時代によりお顔や衣装が異なります。
洋館内部には英国製の古い自転車、暖炉、ピアノ等、素敵な物ばかりが置かれています。
建てられた方のセンスの良さを覗うことができます。
2番目は中江準五郎邸
昭和初期、朝鮮半島や中国で三中井百貨店を築いた中江家4兄弟の末の準五郎の本宅です。
1934年(昭和9年)に三中井百貨店を創業し、戦前まで本宅を金堂に置き、朝鮮半島・中国で約20店舗を経営し、百貨店王と呼ばれました。
中に入ると、近江の麻をまとった現代の創作雛人形がずらりと並んでいます。
地元の作家「東之湖(とうこ)」さんの作品です。丁寧に創られた十二単の衣装はすばらしいです。色も素敵です!
市松人形
男雛と女雛の並び方は京都風と関東風では左右が反対。写真の並びは京都風です。公家中心の社会である京都では「左が上位」。上の写真のように男雛は座る側の方から見ると左、見る側からすると向かって右です。
蔵の中には五個荘が生んだ郷土玩具・小幡人形と土人形を多数展示紹介していました。
小幡人形が気に入り、「購入できるかどうか?」案内の方にお聞きすると、「近くの弘誓寺で『ひなの匠三人展 』を開催していて作家の方がおられるかも知れない」と教えていただきました。
早速小幡人形を求め、弘誓寺へ。
道沿いの水路で鯉が気持ちよく泳いでいます。
九代目当主 細居 源悟さんの「小幡でこ」を購入しました。
お猿さんは、平成4年の年賀切手に採用された人形、後ろは三味線猫。
人は死んで名を残し、猫は死んで三味線を残すとか・・・。細居 源悟さんにお聞きしました。
今から約300年前に初代である細居安兵衛さんが作り始めたそうです。
3番目は外村繁邸
四代目外村宇兵衛の分家になります。外村繁は「草筏」「筏」「花筏」などの近江商人を題材にした小説や自らの人生をつづった数多くの作品を残しました。
蔵は「外村繁文学館」として第一回芥川賞候補にもなった繁の作家人生を公開しています。
4番目は外村宇兵衛邸
四代目宇兵衛元亨は、これからは洋服の時代と考え、1918年(大正7年)に御幸毛織を株式会社化し、高級紳士服メーカーの礎をつくりました。
宇兵衛邸は、茶屋・四阿・母屋・庭の整備を行い、明治期の姿に修復した屋敷です。
仕丁です。京風はまん中に沓台(くつだい)、左右に台笠と立傘をもった人形を飾ります。関東風では台傘(日傘)、立傘(雨傘)沓台(くつだい)を持ちます。行幸されるときの形で関西風では箒、熊手、ちりとりをもちます。御所内の清掃係りを表現しています。
御所をまねて造られたのだそうです。
最後に近江商人博物館を訪れました。
まだまだ、たくさんの歴史ある雛人形が展示されています。さらに、近江商人を生み出した東近江地域の歴史、近江商人の商法や家訓、その暮らしや文化、教育などさまざまな角度から、紹介されていました。
たくさんのお雛様にお会いできて幸せです。江戸・明治・大正・昭和と、こんなにたくさん素敵なお雛様が受け継がれていて感激です。
ルンルン気分で帰途に着きました。