「秋季特別公開・佐保路の三観音」が10月23日から11月11日まで開催されています。
それに合わせ、10月23日、佐保路の三観音寺(法華寺、海龍王寺、不退寺)を訪れました。
まずは、法華寺へ
法華寺は、木造十一面 観音立像〔国宝〕や、護摩の灰を粘土に混ぜて形を作り、文様彩色を施した愛らしい犬形のお守りでも知られています。
本尊である十一面観音像は、我国木彫の最高作品といわれ、国宝中の傑作で、光明皇后のお姿をうつしたものだと伝えられています。像高1mほどの小さな仏さまですが、蓮葉の珍しい光背をおうて、立って居られるお姿は、あでやかで美しく、拝む人々の心に深くしみわたる思いがします。
「名勝庭園(国指定名勝)」を散策し、光明皇后ゆかりの「から風呂」を外から見て(残念ながら内部は見れませんでした)、月ヶ瀬村から18世紀の古民家を移築した「光月亭」で抹茶とようかんをいただき、ほっと一息。
立派な茅葺きの屋根の古民家です。
http://www.hokkeji-nara.jp/
次に海龍王寺へ
表門をくぐると両側を築地塀に囲まれた参道が続いており、この風景を愛する人は多く、いかにも奈良の寺院らしい特徴を残しています。
本尊の十一面観音菩薩立像〔重要文化財〕も、光明皇后が自ら刻まれた十一面観音像をもとに、鎌倉時代に慶派の仏師により造立された観音像です。高さ94cm、とてもやさしい表情をされています。
国宝の約4メートルの高さ五重小塔も必見です。
http://www.kairyuouji.jp/
最後に不退寺へ
佐保路にひっそり佇む藤原業平ゆかりの花の寺です。六歌仙のひとり、在原業平が、先祖の菩提を弔ったのがお寺の始まりと伝えられ、業平が自作した仏像、聖観音立像を安置した場所との由緒から、別名「業平寺」とも呼ばれています。
本堂(重文)には、聖観音立像とともに五大明王立像(いずれも重文)などが安置されています。聖観音立像は、背丈1m90cm、豊満な木造の仏像は珍しく、頭の両側でリボンを結び、それが肩にかかって膝まで垂れています。美しい観音様です。
在原業平朝臣画像が特別開帳されていました。
http://www3.kcn.ne.jp/~futaiji/
特別公開のページ
http://www.1300.jp/event/roam/yamatoji/index.html
佐保路には光明皇后ゆかりの逸話が数多く残されています。光明皇后は私の尊敬するマリアテレサのような方では・・・。
美しい、優しさに満ちた三観音を見て、とても穏やかな気持ちになれました。良い一日になりました。