心の山を歩いていこう!

単に山頂を目指すより、山歩きそのものを楽しみたい。
そんな思いを備忘録として綴ります。

晩秋の荒船山へ。

2021-11-14 15:00:00 | 山日記
冬の足音が聞こえる11月。
肌寒さはあるものの、天気が安定し、標高が低い山がゆっくりと楽しめる。
今回は長野県と群馬県の境にある荒船山へ向かう。


内山峠を出発すると、なだらかな道が延びる。



朝日が遠くの山をほんのりと染める。



荒船山艫岩が枝越しに見える。



アップダウンの道を行けば、荒々しい岩峰が迫って来る。



そして、切り立った岩壁が目の前に立ちはだかる。



登山道は岩壁を右手側から巻く。そして、枯れ葉の山肌の中を進む。



次に見えるのは艫岩らしきシルエット。



一杯水を過ぎると、ゴツゴツした岩の登り道になる。


 
登りきれば、笹の茂る林の中。もう荒船山の山頂台地の上を歩いているようだ。



展望スポットに着くと、北側の景色が一望できる。あいにく浅間山にガスがかかり少し残念。



行塚山に向かって南下する。ガサガサとする音の先で鹿が走り去った。



笹から枯葉落ちる林へと景色が変わる。



星尾峠への分岐から登り坂になる。



行塚山に到着。疎らな木々の間から回りが見える。



西側の風景。この時間になって日がさしてきた。



風の吹き込まない日だまりを下る。



峠から西側に伸びる登山道。



カラマツ林も葉を落とし、すっかり冬を待つばかりの様子。



本当は星尾峠から兜岩山へ行くつもりだったが、ロウソク岩から先、狭い北側斜面のトラバース道が落葉で埋もれていて、足元が分からない状態だったので、すんなり引き返した。
荒船山だけでも歩き通せたので、これはこれで良しとしよう。

       (2021年11月14日)

(終わり)



三倉山、流石山から三斗小屋温泉へ。(その3)

2021-11-01 22:00:00 | 山日記
緩やかなながら登りが続く。少しずつ流石山が近づく。



流石山山頂。この先もう目指す山はないと思うと気が緩む。



今まで歩いてきた道のり。



笹に覆われた稜線。その先には大峠山。


大峠山から大峠までは笹一面の斜面。



登山道はえぐれた道で、足運びに気が抜けない。



大峠が見えて来た。



峠から降りてきた斜面を見上げる。



三斗小屋温泉への下り。



笹のトンネル。



ナナカマドの赤。秋を意識する。



艶やかな紅葉。まだ葉を残していることに山の秋の余韻を感じる。



最初の沢、峠沢を渡る。この先あと二つの沢を渡ることになる。

  

枝ぶりの良いブナ。すっかり葉を落としている。



二つ目の沢からの登り。沢を挟んだ登り降りが意外にキツい。



右手に流石山の山容が見える。先程までいたのが嘘のように感じる。


三つ目の沢からの登りが平坦になれば人家のニオイが鼻に届く。宿までもうじき。



三斗小屋温泉、大黒屋に到着。



こうして思い描いた山旅が叶えられた。
大黒屋は今回初めての宿泊だったが、古き良き佇まいに強く惹かれる。山の中の宿なのでおいそれとは来られないが、またいつの日か再訪したい。

       (2021年10月31日)

(終わり)

三倉山、流石山から三斗小屋温泉へ。(その2)

2021-11-01 21:00:00 | 山日記
目の前に広がるのはこれから歩く稜線。そしてその彼方には茶臼岳が見える。



緩やかなアップダウンが待ち受けている。



朝露に笹が輝く。またもびっしょりになりそう。



場所によっては胸ぐらいの高さまであり、まさに笹の海を泳いでいる様。



彼方に見えるのは深山湖だろうか。



二つコブが連なる。どちらが大倉山だろうか。



なだらかな大倉山はもう間近。



大倉山山頂。ここから先は笹ヤブが刈られていて、今までと歴然たる違いに拍子抜けしてしまう。



三倉山を振り返る。



那須連山が一望できる。まさにパノラマ。



しばらく歩けば、流石山までの稜線が見渡せる。



五葉の泉。



草紅葉の山肌。秋の山を歩いているのを実感する。



キスゲ小沼。



足元を覆う笹もなく、まさに稜線歩きと言ったところ。



小さなコブを越えると今日最後の山、流石山が見えてきた。



今日一番のハイライト。谷底まで見渡す景色。その先には那須連山。中腹には三斗小屋温泉も小さく見える。



振り返れば大倉山から三倉山に連なる稜線が見える。先程まで歩いてきた事がすでに過去となったのを感じる。



(続く)

三倉山、流石山から三斗小屋温泉へ。(その1)

2021-11-01 20:00:00 | 山日記
二年前、三斗小屋温泉にて、彼方に連なる山々を眺めながら、あの稜線歩きの後、この温泉に辿り着けたらいいな、などと浸っていた。
今回はそんな思いを叶えた山旅。


福島県下郷町の音金登山口からのスタート。まずは害獣避けの電気柵をくぐり抜け林道を行く。



急坂の林道が終わると、ジメジメとした沢沿いの道を登る。


マーキングが見つからず、緊張しながら踏み跡を辿る。



斜面をトラバースすると旧道分岐に出る。明るい林にホッと一安心。


尾根道をひたすら登る。植生が暗い針葉樹となる。


視界が開け、前方に三角の山が見える。三倉山だろうか。



左側に見えるのは観音沼森林公園方面。随分登ってきたのを実感する。



唐沢山までもうひと頑張り。



唐沢山から見た三倉山方面。登り坂からは開放されたが、これからは尾根歩きが始まる。



後ろを振り返れば、会津下郷の町に雲海がかかっている。



笹が茂る道を進む。



正面の三角錐は一ノ倉、その向こうに三倉山、と立ちはだかるかの様。



笹が深く、掻き分けながら歩く。すでにレインパンツはびっしょり。



なだらかながら山頂に向かっている一本の線を頼りに進む。



後ろには唐沢山がすでに低い。


笹の向こうに三角錐が頭を覗かせている。



三倉山山頂。



歩いてきた一ノ倉。あのすっきりとした三角錐を越えて来た事を実感する。



(続く)

6月、立場川から西岳へ。

2021-06-12 16:00:00 | 山日記
八ヶ岳の中でも一番地味な山、西岳。
その西岳へ向かうのなら富士見を起点にする方が登山者が多いが、敢えてマイナーな立場川キャンプ場を選んだのは、去年原村の舟山十字路から西岳に向かった際、余りにも登山道が変わっていたので、再確認したかったから。


立場川キャンプ場奥の林道ゲートから歩き出す。自然の家への短縮ルートが見いだせず、そのまま林道を辿る。


自然の家から登山道に入る。「フカフカの道」と書いてある通り、足裏に柔らかな地面の感触が伝わる。


別の林道歩きをした後再度登山道へ。大きな岩の所に差し掛かる。


この辺りは掘り出した林道が無残に付けられている。その様が余りにも痛々しい。


信玄の隠岩との分岐からの登り。
暫くはワダチがあるが、やがて一本道になる。


しっとりとした緑の絨毯に覆われた森。こういう景色に気持ちが落ち着く。


苔と草の共演。色々な緑のグラデーション。


今日一番の色と言うべき、レンゲツツジの鮮やかなオレンジ。


木々の隙間からの西岳。このコースは残念ながらこの地点しか見られない。


去年秋歩いたコースとの合流地点。
あの時の安堵感がよみがえる。


ここから森が深くなり、苔むす岩が重なる。


今日は、薄曇りの予報だが、薄日が差し込む。


ダケカンバの大木。このコースの目印的な存在。


次第に傾斜がキツくなって来る。
木々の丈が低くなってくるので標高が上がってきているのを感じる。


やがてなだらかな道になる。明るい空が見えるのは嬉しく思う。


山頂に到着。編笠山と8ヶ月振りの再会。


雲海の向こうには北岳、甲斐駒、仙丈。


そして凛々しいギボシ、権現岳。
懐かしさと、共に今年もまた登りたいという気持ちが湧いてくる。



帰りに信玄の隠岩から広河原方面を探ったが、テープはあるものの登山道は無きに等しく、うねる様に付けられた荒れ果てた林道を歩いた方がまだマシだった。
やはり四半世紀前の朧げな記憶を掘り返さない方がよかった、と感じる。

        (2021年6月12日)

(終わり)