「10時のバスが間もなく来ますよ。」
芦安の駐車場にクルマを停めたとたん、駐車場係のオジサンに声をかけられ、慌ててバス停へ。
乗り込んでから手袋を忘れたことに気づいた。今回の山旅もこんなでスタートした。
乗ったバスはちょっとした段差でも車体がガシャーンと鳴り、エンジン音はフガフガと響く年代物。でも、10 年以上昔にタイムスリップしたみたいで、なんだか楽しくなってくる。
北岳はかれこれ20年以上前から、もう20回以上登っている山。果たして今回はどんな山旅になるやら。
フガフガバスは広河原に到着。
つり橋を渡った対岸は、広葉樹の森が広がり、ハルゼミの鳴き声を聴きながら歩く。
この森、栂の大木も立派だが、他所では中々見られない岳樺の大木もあり、森の豊かさを感じさせる。
大樺沢との分岐を過ぎると、急登が始まる。ハルゼミ、野鳥の囀り、沢の流れの音、と涼しさを演出してくれるものは揃っているのに、汗がまとわりつくように止まらない。
第二ベンチを過ぎた先が今日一番のキツい登り。見上げれば、崖かと思うくらい。
この辺りから、木々の間から八本歯の尾根が見え、やがてまだらかな道になり、ほっとする。
「小屋まで20分」の案内。
登っている時は大変だったけど、もう少し場面の違う森を歩きたい、と物足りなく感じる。
途中、崩れた箇所をトラバースする。
展望が開けるからそちらに気をとられるが、足元にはくれぐれもご用心。
やがて水音が響き、沢を渡る。
冷たい水は喉の渇きだけでなく、疲れた気持ちを癒してくれるんだ、と山に来る度に気付かされる。
先程までなかった、シダの森に変わってきた。
しっとりとした森の中は気持ちが落ち着く。
この石畳の先、森を抜けると白根御池小屋。
今日は湖畔にてテント泊。
ここから北岳が見えるはずだが、待てどガスは晴れなかった。
明日の天気に期待して、とりあえずテントの中で寛ぐ。
山での一番の幸せはテントの中でのんびりすることかも。
(続く)
芦安の駐車場にクルマを停めたとたん、駐車場係のオジサンに声をかけられ、慌ててバス停へ。
乗り込んでから手袋を忘れたことに気づいた。今回の山旅もこんなでスタートした。
乗ったバスはちょっとした段差でも車体がガシャーンと鳴り、エンジン音はフガフガと響く年代物。でも、10 年以上昔にタイムスリップしたみたいで、なんだか楽しくなってくる。
北岳はかれこれ20年以上前から、もう20回以上登っている山。果たして今回はどんな山旅になるやら。
フガフガバスは広河原に到着。
つり橋を渡った対岸は、広葉樹の森が広がり、ハルゼミの鳴き声を聴きながら歩く。
この森、栂の大木も立派だが、他所では中々見られない岳樺の大木もあり、森の豊かさを感じさせる。
大樺沢との分岐を過ぎると、急登が始まる。ハルゼミ、野鳥の囀り、沢の流れの音、と涼しさを演出してくれるものは揃っているのに、汗がまとわりつくように止まらない。
第二ベンチを過ぎた先が今日一番のキツい登り。見上げれば、崖かと思うくらい。
この辺りから、木々の間から八本歯の尾根が見え、やがてまだらかな道になり、ほっとする。
「小屋まで20分」の案内。
登っている時は大変だったけど、もう少し場面の違う森を歩きたい、と物足りなく感じる。
途中、崩れた箇所をトラバースする。
展望が開けるからそちらに気をとられるが、足元にはくれぐれもご用心。
やがて水音が響き、沢を渡る。
冷たい水は喉の渇きだけでなく、疲れた気持ちを癒してくれるんだ、と山に来る度に気付かされる。
先程までなかった、シダの森に変わってきた。
しっとりとした森の中は気持ちが落ち着く。
この石畳の先、森を抜けると白根御池小屋。
今日は湖畔にてテント泊。
ここから北岳が見えるはずだが、待てどガスは晴れなかった。
明日の天気に期待して、とりあえずテントの中で寛ぐ。
山での一番の幸せはテントの中でのんびりすることかも。
(続く)