瑞牆山へ行くのなら、シャクナゲの花が見頃を迎える6月の初旬がベスト。しかしながら、緑目映い今の時季、静かな山歩きを楽しもうと向かう。
みずがき山自然公園を基点とした周回コースは今回で3回目。
林道終点辺りは野鳥の囀りがこだまする。
なだらかな折り返しの坂を往けば、視界が開ける。朝の時間、まだガスが晴れないようだ。
ここからぐるりと山肌を回る。
見上げると垂直の巨岩。ここを登るだなんて、自分には無理だ。
沢に向かって下って行くと、せせらぎに出る。冷たく澄んだ水に気持ちまでもスキッとさせられる。
川伝いに歩くと、対岸の巨岩が見える。巨岩というより一山か。
新緑が、岩に映ったかのような岩肌。緑が目に染みる。
対岸に渡ればなだらかな道となる。
そして、不動滝とご対面。今日この場にいるのは自分だけ。一時不動滝を独り占め。
ここからは深い森に分け入っていくかの様。晴れていても陽射しの届かず、より緑が淡く見える。
この辺りは岩とシャクナゲの景色となる。もう少し早い時期に来ていればこの森の色彩に淡いピンクが散りばめられていたことだろう。
瑞牆山らしく苔むす巨岩。
いつの間にか野鳥の囀り、せせらぎの音が消え、森の静寂に包まれる。
標高が上がってくると、薄っすらとガスのベールが掛かってくる。
瑞牆山は山頂付近まで木々に覆われているので、高度感が掴めないが、ようやく富士見平からの道と合流する。
すでに終っていたと思っていたシャクナゲがこの辺りではまだ残っていた。
このトンネルをくぐると頂上に出る。
山頂に辿り着くと急に青空が覗いた。回りは雲に覆われ展望はきかなかったが、これはこれで良しとしよう。
この後、下山ルートに富士見平小屋方面へと向かった。天気ははっきりとしなかったが、今回も楽しめた山歩きだった。次はまだ歩いていない秋の時季に訪れたい。どんな景色に変わるのだろう、想像だけでワクワクする。
(2022年6月24日)
(終わり)