上空は雲ひとつない快晴。紫外線が容赦無く降り注ぎ、上からも下からも眩しい。
段々と傾斜がキツくなって来た。ただただ一歩一歩重ねるのみ。
少しずつ風景が変わるが、終わりが見えない。登りの先は宇宙に届くかの様な景色。
この辺りの傾斜が一番キツい。中々足が前に進まないが、焦らずひたすら登る。
ようやく槍の穂が顔を覗かせる。少しこわばった気持ちが和らぐ。
まるで穂先を青空に突き刺しているかの様。
端正な三角形の穂先が笑って自分を見下ろしているかの様。
この先、また傾斜がキツくなる。最後の踏ん張りどころ。
体力を振り絞って登り切れば、遥かなる山々が見える。もうこれで終わりだと思うと身体に力が入らない。
今迄歩いて来た槍沢を見下ろす。改めて長い登りだったと感じ入る。
槍の穂先からの風景。まずは、北側。
そして、東側。東鎌尾根と常念。
南側。大喰岳から穂高、乗鞍。
西側。笠ヶ岳方面。
暮れなずむ槍の穂先。
夕暮れ時、西の空は雲が出てきたため、綺麗な夕焼けとはならなかった。
(続く)