心の山を歩いていこう!

単に山頂を目指すより、山歩きそのものを楽しみたい。
そんな思いを備忘録として綴ります。

秋、小松原コースからの苗場山、その3。

2018-10-06 21:00:00 | 登山
霧ノ塔からはゆったりとした尾根歩きになるのだろうか。


 
この先はかなり下っていくようだ。こうして眺めるとかなりのアップダウンの繰り返しになりそう。



草原から一変し、シラビソ、コメツガの森を歩く。



そして草原に出ると再び下りが待っている。



いつの間にか上空はすっぽり雲に覆われている。
森を歩くのはそろそろ終わりに近づく。



森を抜けると笹の原になる。



そしてガラリと一面草原になる。どうしてここだけが笹の原でなく草原なのか不思議。



この山は半分が草原、そしてこちらの半分が低木の針葉樹とナナカマドの森だ。これもまた不思議。



登り返しは露出している岩を越える道ゆえ難儀する。



祓川コースとの合流付近から先程まで歩いた方面を振り返る。
長い道のりだったなと実感する。



ガスがだんだんと上がってきた。これから進む方面を覆い尽くしていく。



一度ガスが切れ雲尾坂が見える。バテた身体に応えそうな登りに思える。



今日歩いてきた尾根はすでに雲の中に入り霞んでいる。我ながらよくここまで歩いてきたものだと感心する。



これからの道程がガスで見えない。 
疲れた身体に応える登りがまだ続く。



それでもやっとの思いで登りきると湿原が広がる。
当初は一面のガスだったが、一度切れて池塘が現れた。



切れ間の先に彼方の森が薄っすらと見えてきた。



そして山頂ヒュッテが見えた。
この後は再び深いガスに覆われ、白一色の世界となった。



翌朝夜明け前。
相変わらずガスに覆われていたが、切れ間からの光景、これが今回の見納めとなった。



これで今回の山旅が全て終わった訳ではなかった。

帰りは大赤沢コースの長くて急な下りを終え、一合目の林道に出てやれやれと思っているところへ、ガサガサと藪から、なんと熊の親子が出て来た。
そのまま行き過ぎるかと思いきや、母熊は立ち止まって自分を見ている。その距離約20mぐらいか。
ゆっくりと後退りしようか、写真でも撮ろうかなんて思っていると、あれまあ突進して来るではないか。
「ウソでしょ!」と思わず口にしながらも持っているストックで熊を横払いすると、今度は反対側で熊が立ち止まっている。その距離約10m。
今度こそは、としっかりストックを構えていると熊はそのまま逃げて行った。
呆気ない結末に、もう一戦二戦交えたかった、でも下手に新聞沙汰にならなくてよかったと振り返った。
まっ、話のネタがひとつ出来たから良しとしよう。
とにもかくにも無事が何より。

     (2018年10月2·3日)
(終わり)

秋、小松原コースからの苗場山、その2。

2018-10-05 21:00:00 | 登山
目の前が開け、湿原が視界に飛び込んで来た。
小松原湿原に到着だ。
草原はすっかり秋らしく黄金色に染まっている。



周りの木々の葉も色付いていて、色彩の世界に迷い込んだかの様。



周りを木々が囲んでいて、次々に別の湿原へと彷徨うかのように辿って行く。



それぞれの湿原の様子は別の機会にて紹介するとして、今のこの時間この空間を独り占めしている事がもったいなく感じる。



色付く木々の葉を透かす薄日。秋の色彩を際立たせている。



湿原だけでなく、あちこちの紅葉に目も心も奪われる。



ここでまた沢へと下って行く。
海老茶の渋い色が目立つ。



沢からの登り返し。先程までは薄曇りだったが、また日射しがきつくなってきた。



背の高い木が少なくなり低木が増えて来た。
この辺りは黄色を基調にした柔らかな色合い。



視界が開けると目指す稜線が見える。



ナナカマドの向こうは明るい長閑な草原が広がる。


 
ようやく日陰山に到着。ここでコース約半分。
苗場山まではぐるりと尾根を越えていかねばならず、まだまだ随分と遠くゲンナリする。



その前にまず目指すは霧ノ塔。
こちらですら遠く感じる。



稜線は長閑な草原を登り降りするようだ。
筆で叩いたような色彩の散らばりが印象的な風景。



立ち塞がるかのような登りが待ち構えている。



山頂へ向けてひたすら直登。



この木々を抜ければ山頂へようやく辿り着く。



霧ノ塔に到着。
辺りは低木に覆われている。霧ノ塔の名前にマッチしていないが名前の由来は何なのか気になる。


(続く)

秋、小松原コースからの苗場山、その1。

2018-10-04 21:00:00 | 登山
今年の七月苗場山を再訪した際、次は秋の盛りに訪れたいと思った。
その時は小松原湿原にも行き、ゆったりと尾根をつないで行こうと思い描いた。

そしてついに秋十月がやって来、宿願を実行に移す事となった今回の山旅。
さあ、どんな風景が待っていることだろうか、期待と少しの不安がよぎる。


最初は五時半に出発したが、小松原コースの入口を見落とし、一時間のロスをしてしまう。



今度こそ金城山への登りにかかる。周りはまだ黃葉に早いブナの森。



やがて細くなる稜線を真っ直ぐ登って行く。



マイナーコースながら道ははっきりと分かる。所々荒れ気味ではあるが。



勾配が緩くなると、再びブナが目立つ明るい森となる。

  

やがて山の反対側から朝日が射し込むと一気に木々の葉が輝く。

  

木々の間からの朝日が眩しい。こういう天気の日に山に登れることが嬉しい。



ほぼ水平な登山道。先程までの登りが嘘のような気楽さ。



大体この辺りが、金城山のピークと同じ高さの場所。とは言っても周りは木々に覆われて見晴らしが効かない。


  
今度は南東斜面をゆったりと下って行く。



足元には分厚いキノコが。秋ならではの光景。

 

藪っぽいケモノ道の様になってくる。そういえば鳥やら鹿やらの声が聞こえない。



次第に水の音が大きくなる。この先川を渡ることとなる。



ここにも秋の光景が。白いキノコの群は薄暗い森に浮かぶかの様。



せせらぎを渡ると、ジメジメとした登りになる。ヒンヤリとした空気に包まれる。 
 


そしてまた陽が射し込む森へとなる。登りもこれで一段落の様子。



やがて頭上には秋の澄んだ青空が覗く。  



足にはブカブカとした苔の感触が伝わる。湿原が、近づいているようだ


(続く)