「こうしたい」と「つくる」の間に 一級建築士事務所アーク・ライフのブログ

東京都町田市の一級建築士事務所アーク・ライフです。住まい手の「こうしたい」と「つくる」の間で要望を共有し一緒に考えます。

リフォーム前にまず耐震診断

2017-11-13 20:18:32 | 耐震診断


ここ最近、木造住宅の耐震精密診断の依頼が続いています。目的は、木造住宅の耐震性を向上させたい、大規模リフォーム前に現況を詳細に把握したいなど様々。現在住んでいる住宅の状況を把握して、よりよくするために耐震精密診断を活用していただいています。

耐震精密診断ではこの写真のように、床下や、天井裏など普段見られない部分にも潜って構造や劣化状況、断熱・気密の状況などを把握します。この情報を元に、改善項目の予算配分を考えながらリフォームの全体像を組み立てていきます。

より良い住まいにするためには、耐震、断熱、劣化という基本がまず大事。既存住宅のリフォームを考え得る場合、しっかりした調査はその大前提です。

住まいの耐震性に不安がある、寒さがこたえるので住まいを暖かくしたい、住み心地よくリフォームしたいなどのご希望がある時することは工事費を確認するための見積もりをとることではなく、建物の状況をしっかり把握する事です。そしてその後は調査の内容を元にきちんと計画を立てること。

耐震診断などの調査に自治体などの補助金が使える場合もありますので、まずはご相談ください。

これからも住み続けるかどうかを判断するための木造住宅の耐震診断

2017-02-07 11:08:50 | 耐震診断
築44年の木造住宅の耐震精密診断の調査をしました。
これからも住みつづけるのか、耐震改修やリフォーム等を行うか、あるいは建て替えるか、売却するか。
人生の様々なタイミングで住まいとの関係を見直すとき、耐震診断を行うことで判断がしやすくなる場合があります。

調査では
・柱、梁組、基礎等の構造材の配置を確認
・地震の力を受け止める耐震壁
・劣化状況
等を見ます。

耐震壁は筋かい、室内の壁の石こうボード、合板、外壁モルタル等が有効なものとされています。
これらは単に石こうボード、合板、モルタル等であればよいのではなく、どういう釘でどのように止まっているか等の留め付け状況によって有効なものから無効なものまでいろいろです。
今回は廊下の部分が化粧合板張りでしたが、接着張りでしたので計算上は無効でした。



ダイニングキッチンの壁は石こうボードで厚みが9mm、釘は決められたものよりも短いですが、多少強さを割り引けば計算に入れられるものでした。
釘の間隔や、石こうボードが実際に張られている高さ等も考慮して、計算により強さを割り引いて、建物の強さとして見込みます。

耐震診断では、単に壁にどういう材料が張ってあるかを見るだけでなく、それがどのような釘でどのようにとまっているかまで確認する必要があります。
そのようにして建物の強さを確認することではじめて、耐震診断の結果が信頼できるものになり、住まい手の判断をサポートできるものになると考えて取り組んでいます。