今日は、あきる野市の沖倉製材所に、構造材の確認に行ってきました。
今回使う多摩産材の梁を下小屋に運ぶ前に、含水率、寸法、仕上りなどを確認します。ここ数日の雨で多少濡れていて、きちんとした含水率が測定できないものもありましたが、測定できたものは20%代の含水率でした。寸法も仕上がり代を確保した寸法が取れていました。含水率はまた測定することにして、それ以外は材料に問題ないことが確認できたので、来週から徐々に下小屋に搬入していきます。
同時に、玄関先で使う曲がり梁をみつくろいました。沖倉製材所にはあちこちに原木が山になって積んであります。その一角の広葉樹の曲がりくねった原木が積んである場所に行き、色々とイメージをしながら選びました。栗のよさそうなもの二本と、シデ一本、計三本の原木に目をつけました。今度来た時にその三本を平らな場所に置いて貰い選ぶこととしました。
その他、搬入時期、材料の仕上がり具合等について話をしました。その中で面白かったのが、木の見た目のグレードともいえる「無地」「上古」「小節」についての話です。グレードは上から、「無地」:まったく節が無いもの、「上小」:ほとんど節が無く、多少節のように木目が乱れた部分があるもの、「小節」:小さな節がまばらにあるものという感じです。一本の木から製材するとき、一番外側は、節が現れないので「無地」になり、だんだん内側になると「上小」「小節」と徐々に節が現れてきます。さらに中心に近づくと「一等」という大きな節が沢山あるものになります。この時、「小節」はあまり量が採れないそうです。なので、「小節」と限定されると沢山の丸太から採らなければいけないので、逆に大変ということでした。なので、「小節」であれば良い場合は、「小節」以上と指定すると、「上小」「無地」という見た目がきれいなものが使えることがあるそうです。
自然のものなので、必要以上に見た目にこだわるのもどうかと思いますが、木の部分によって現れる表情を、適材適所使っていけたらと思います。そして、何十年もかかって育った木を使うわけなので、できれば木が育った年月以上は持たせたいと思います。
おまけ:これ、なんだと思いますか?
製材所の中で撮影した写真です。桟木を挟んで等間隔に積んだ木材。緑色の照明を浴びて、まるで現代美術のようですね。これは、お墓に使う「塔婆」の材料だそうです。外国産の「ツガ」という俗称の材料を乾燥させているところです。木の断面の色が様々にな表情で面白いですね。