「こうしたい」と「つくる」の間に 一級建築士事務所アーク・ライフのブログ

東京都町田市の一級建築士事務所アーク・ライフです。住まい手の「こうしたい」と「つくる」の間で要望を共有し一緒に考えます。

階段手摺の特殊解

2007-05-25 18:37:01 | 住宅改修

高齢になると、筋力が衰えたり、膝が痛くなったり、腰が痛くなったり、してきます。そういう状況で、毎日階段を上り下りするのが、段々困難になってきます。居室を1階に移す事は大いに薦めたい事の一つです。

この方は、意志が強く、手と膝で四つんばいになりながら、階段の上り下りを行うので、その為の手摺をつけて欲しいという要望でした。

通常の高さの手摺では、手が届かず、一番上の段から身体を二階の床まで引き上げられず苦労されていました。

Dscn2666_この手摺は、 床から膝下くらいまでの手摺です。この手摺で身体を引き上げて二階の床までの移動が出来るようになりました。

Dscn2668_ 身体を二階の床に持ち上げてからは、横についている縦手すりで身体を起こして立上ります。

短い手摺が、動作を支え、その事で、自宅で暮らし続ける意欲を支えています。

Dscn2685_ もう一つ、此処の階段は、ムクの段板が積み上げられた様な階段で、蹴込みの部分は透けていました。段板には滑り止めが無く、滑りやすい危険な階段でした。大工さんに、ルーターという器械で、現場で溝を突いてもらいました。これで滑りにくくなりました。


2007-05-18 22:58:09

2007-05-18 22:58:09 | インポート

今日はあきる野市の沖倉製材所へ構造材の確認に行きました。

メンバーは、施主さんと所長と私、それに工務店の社長と常務です。柱、松梁、玄関の曲がり梁などを一通りみて廻っていたら、、、木挽きさんが木を挽いているところに遭遇しました。

Kobiki_l

大きな鋸(大鋸:オガ)で樺桜の大きな丸太をゆっくりゆっくり挽いていました。午前中かかって、この丸太から一枚挽き、今は二枚目を挽いているところだそうです。切断面はほぼ水平で、比較的平滑でした。

Horizon

今度は逆から、、

Kobiki_r

この木挽きさん、東京には一人しかいないそうです。けっこう引っ張りだこのようで、製材所の沖倉社長曰く「正月に頼んでおいてやっと今(5月の中旬)来て貰った」とのことでした。彼の師匠の林さんという人は、有名な人でテレビやイベントに良く出ているそうです。

何故、わざわざ木挽きさんに挽いて貰うのか、沖倉社長に聞いてみました。曰く「機械で挽く場合、皮をむいてかすがいで固定する必要があり、皮が生かせず丸太に傷がついてしまうため、耳の部分を生かしたい場合は木挽きに挽いて貰う」「木挽きなら変形した丸太も挽けるから」とのことでした。沖倉製材所には、通常の機械では挽けないような丸太が沢山ストックしてあるようです。

木挽きさんの使うのこぎりのアサリ(刃先を交互に左右に広げた部分のこと)は刃の厚みに対しあまり大きくないように思いました。これは、挽くときの抵抗を少なくするためかなと思いました。ちなみに、製材所にある帯鋸(機械の鋸で帯状の刃をベルトンベアのように回転させて挽く)の刃のアサリは特殊で、鑿状に先端が広がった形でした。

大鋸のアサリ

Asari_oga

帯鋸のアサリ

Asari_obi


京都の町の裏道は

2007-05-07 22:20:21 | 

京都の町は、大通りをちょっとはずれたところを歩くのが面白いと思う。

古い町家をきれいに保存して生活しているのがすぐに見られる。

残念。昨日5月6日、雨が降っていて旨い写真が撮れなかった。

京都の町家は、道路に向かって格子が必ずあって、温かくなってきたせいか、きのうはそれに簾があちこちでかかっていた。

おそらくもっと暑くなって、出入口が開けっ放しになると、暖簾がかかるのか。

京都の町は、格子と簾と暖簾の町だ。防犯と風通しと視線の遮断の必要から生まれたのだろう。


ハンガーレールを使用して引き違い戸を設置する時

2007-05-04 20:48:17 | 住宅改修

本人の部屋と皆が集まる部屋を区画する時、ドアよりも、引戸の方が具合が良い。そして、引戸の場合、レールを使用するか、ノンレールにするかは歩行可能なのか、車椅子移動なのかによって選択肢が異なりますね。このケースは、床がループパイルの絨毯敷きなので、敷居をつけてレールにすると、ガタガタして移動しにくくなるので、ハンガーレールを使用して引違い戸を吊りました。

Dscn2603__2

正面から見ると、敷居やレールがあるかどうかは分かりません。

Dscn2604_ レールや敷居が無いので、スムースに出入りが出来ます。

_ ハンガーレールを見上げると、内外に木の板が取り付けてあります。これがないと、レールと戸の隙間から、光や音などがツーツーに抜けてしまいます。

新しいハンガーレールは、隙間が少なくなっていますが、それでも、安心は出来ません。ちょっとした工夫がその後の居心地にうんと影響します。

住宅改修はいつになっても気が抜けません。