高齢になると、筋力が衰えたり、膝が痛くなったり、腰が痛くなったり、してきます。そういう状況で、毎日階段を上り下りするのが、段々困難になってきます。居室を1階に移す事は大いに薦めたい事の一つです。
この方は、意志が強く、手と膝で四つんばいになりながら、階段の上り下りを行うので、その為の手摺をつけて欲しいという要望でした。
通常の高さの手摺では、手が届かず、一番上の段から身体を二階の床まで引き上げられず苦労されていました。
この手摺は、 床から膝下くらいまでの手摺です。この手摺で身体を引き上げて二階の床までの移動が出来るようになりました。
身体を二階の床に持ち上げてからは、横についている縦手すりで身体を起こして立上ります。
短い手摺が、動作を支え、その事で、自宅で暮らし続ける意欲を支えています。
もう一つ、此処の階段は、ムクの段板が積み上げられた様な階段で、蹴込みの部分は透けていました。段板には滑り止めが無く、滑りやすい危険な階段でした。大工さんに、ルーターという器械で、現場で溝を突いてもらいました。これで滑りにくくなりました。