「こうしたい」と「つくる」の間に 一級建築士事務所アーク・ライフのブログ

東京都町田市の一級建築士事務所アーク・ライフです。住まい手の「こうしたい」と「つくる」の間で要望を共有し一緒に考えます。

ままごと用冷蔵庫、完成

2020-02-15 00:05:00 | DIY


子供が通う保育園で使う、ままごと用の冷蔵庫づくりが完成しました。

保育園の先生から、子供が使うままごと用の冷蔵庫を作ってほしいと頼まれたのが、去年の7月。
別のクラスにあるものを見せてもらったり、ネットで調べたりして構想を練り、その上でホームセンター通いをして、どのような材料が使えるか、コスパはどうかを考えました。
その上で、1/2スケールでモデルをつくり、組み立て上難しいところとか、見た目をよくするためにどうするか、扉の開き具合や建て付け調整をどうするかなどを検討しました。


背板を入れるための溝を掘ったところ

その次は材料購入とカット、ホームセンターである程度まではカットしてくれますが、細かい加工は自前で、模型用丸鋸を使って行います。
例えば、背板を落とし込むための溝堀り。
模型用丸鋸で何度も鋸目を入れて溝をつくりました。


組み立て前の材料一式

組み立ては、保育園で有志のパパたちと。
事前に材料一式を揃え、穴あけ箇所の印付けをなどの準備をしました。
初回の組み立て当日は、私含め5人のパパと、5人の子供たちが参加してくれて、外側の形が出来上がりました。
スライド丁番という調整できる丁番を用いたのですが、35φという大きめの穴掘りが必要で、一人のパパが一所懸命やってくれました。
子供たちにも、ビス穴の埋め木や、取っ手の取り付けをやってもらいましたが、楽しかったと言ってくれました。
約4時間かかりました。

外側の形ができたところで、先生に意見を聞き、扉に設ける棚や、子供たちが怪我しないように角を丸くすること、クッション材を取り付けるなどの方針がきまりました。

次の組み立てでは、角の面取りと、棚の設置。
私含め二人のパパと、もう卒園している私の子供、計三人で作業しました。
もう一人のパパが頑張ってくれて、角をカンナで削った上で紙やすりでこすって、かなりきれいに面取りしてくれました。
この棚を固定するビスが見えるのがいやだったので、ダボを雇いでいれて固定しました。
子供も楽しかったと言ってくれました。


扉の棚がつき、面取りをした状態、卵入れもあります

この段階で終えてもよかったのですが、折角だからワックスがけをしました。
ワックスがけは自宅で、事務所の在庫のミツロウワックスを塗りました。
これは私も妻も手伝ってくれました。
子供と子供の友達も最初手伝ってくれようとしたのですが、ミツロウワックスのにおいが嫌だとのことで、私と妻の二人での作業となりました。
※自然系のミツロウワックスですが子供には違和感のあるにおいだったようです


ワックスがけができた状態(内側)


ワックスがけができた状態(外側)


最後に、一か所ビスがちゃんとねじ込めず、ねじ山もつぶれてしまっていたのを修理しました。
ねじ山がつぶれていても、幅広の輪ゴムを挟んでねじ回しで回すと、ちゃんと抜けました。
ビスを打ち直し、ダボを打ち込み、のこぎりでカットしました。

ここまで終えて、先日、保育園に届けました。
子供たちも興味津々でしたが、ちゃんとしたお披露目はまた後日のようです。

時間がかかりましたが、なかなかいいものができ、手伝った子供たちも楽しかったということでよかったです。


2020年北海道断熱修行の旅(1/27~1/29)

2020-02-07 23:44:24 | 研修
2020年北海道断熱修行の旅(1/27~1/29)

訪問箇所11か所
最高温度差85℃
総移動距離3000km近く
平均睡眠時間5時間程度
出発当日の朝は4時30分自宅発、最終日の24時過ぎに帰宅という、まさに修行の旅でした

一般社団法人ミライの住宅さん主催の北海道断熱修行の旅は、北海道の断熱・換気・暖房の技術体系を体験・体感すると同時に、断熱技術普及の後押しをしてきた仕組や時代的背景についても知ることができる素晴らしいものでした。

体験・体感としては、
シングルガラスで外がマイナスにも関わらず、結露していない!
築40年前の手作り建具トリプルガラス窓、床面積100坪程度の超高断熱の住宅が、薪ストーブ一台で家全体暖められている、しかも室温よりも放射温度が高く、湿度も高め!
90m×22m、4層分の高さのアトリウム、外は零下10度なのに、温風が吹き荒れずおだやかにあたたかい!
この住宅、換気動力がないのに建物下部から外気が入り、頂部から排気されている!
などなど、北海道で編み出されてきた、断熱、換気、暖房を使い、寒さとうまく付き合う方法を実体験・体感するものでした。

これらのノウハウは一朝一夕で編み出されたものではなく、血のにじむような経験を積み重ねてできたものでした。そして個人の秘伝のレシピのままではなく、だれでも安全に使えるように理論化され、設計・施工法に落とし込まれ、住まい手への情報提供も同時になされるようにまでなっています。理論家、設計・施工法の検討は研究機関である北海道大学や北方総合研究所(道立総合研究所、建築研究本部)が、断熱住宅の住まい方の普及啓発や住まい手を対象にした住宅相談を北海道建築指導センターが担ってきたとのことです。また、地元のサッシメーカー(ノルド、YKKAP)も2~30年かけて北海道の気候に合わせた窓を開発し、現場からのフィードバックを元により安全で使いよい製品開発を進めてきました。

今回の旅のプログラムは、北海道の地で営まれてきた断熱、暖房、換気の技術の表面的な成果だけをもらって帰るのではなく、その背景を踏まえたうえで、教科書的な文言に血肉を通わせて自分の地域で安全に再現するためのものでした。

そうそう、この旅では全国の前向きな仲間と一緒に食事をし、合宿をし、夜遅くまで語りあうことができたのも収穫でした。一緒に旅をしたみなさんは凄かった。エネルギーを貰いました。

北海道でアテンドをしてくださった山本亜耕さん、一般社団法人ミライの住宅の森さん、林さん、そして一緒に旅をした皆さん、ありがとうございました。