「こうしたい」と「つくる」の間に 一級建築士事務所アーク・ライフのブログ

東京都町田市の一級建築士事務所アーク・ライフです。住まい手の「こうしたい」と「つくる」の間で要望を共有し一緒に考えます。

梅雨の季節の湿気、カビ対策

2020-06-10 21:26:17 | 住まいづくり
日増しに蒸し暑くなり、いよいよ梅雨が近づいてきました。
先日、新婦人しんぶんというメディアの6月4日号に「梅雨の季節の湿気、カビ対策」というタイトルで記事を書かせていただいたので紹介します。



梅雨の時期は雨が降り続き、住まいの湿気とカビに悩まされる時期です。洗濯物が外に干せず、部屋干しすると室内の湿度が高くなり、部屋干し特有のにおいに悩まされることも。この時期にどうすれば快適に過ごせるのか紹介します。

●梅雨は空気中の水分量が多い

梅雨の時期は冬に比べて気温が高く、その分空気中に含まれる水分量も多くなっています。外気中の水分量が多い場合、窓を開けて外気を取り入れても、室内の湿度はそれほど下がりません。このような時に、快適な日常生活を送るにはどうしたらよいのでしょうか。

●室内干しをするときは除湿器やエアコンを用いる



洗濯物からは洗濯物の重さの約半分が空気中に水分として放出されます。洗いあがりで4kgの重さの洗濯物にはその半分の約2kg(500mlのペットボトル4本分)の水分が含まれています。部屋干しをしたときは、この水分がすべて室内に湿気として放出されることになります。

外気中の水分量が多いこの時期は、窓を開けて外気を取り入れるだけでこの湿気を室内から取り除こうとすると時間がかかります。その間に室内の湿度が高い状態が続き、結露やカビの害が発生してしまうと健康にも影響が生じます。また洗濯物が湿った状態が長く続くことで雑菌が繁殖し、部屋干し特有のにおいが生じることもあります。室内に放出された湿気を素早く取り除くには、除湿器やエアコンなどの機械の力を借りることをおすすめします。

除湿器にはコンプレッサー式、デシカント式、両方の特徴を併せ持ったハイブリッド式があります。梅雨や夏の湿気対策であればコンプレッサー式が価格も安く、消費電力も小さいので電気代も安くすみます。

エアコンがある場合は、除湿(ドライ)機能を使うことで除湿器よりも除湿量を多くできます。ただ、除湿するということは空気を冷やすことと同じなので、部屋の温度が下がりすぎてしまうこともあります。

それを避けたい場合は、再熱除湿の機能を持ったエアコンを設置するという方法があります。再熱除湿とは、湿度を下げるために冷やした空気を、もう一度エアコン内で温めてから部屋に戻す機能のことです。再熱除湿機能のある機種なら、除湿をしても室内が冷えすぎず、カラッと過ごせます。ただ、この機能のないエアコンに比べて価格が高く、再熱除湿機能を使用すると通常の冷房や除湿機能を使用するのに比べて多少電気代は上がります。

また、同時に扇風機などを用いて室内の空気をかき回すと、衣類の水分が素早く取り除かれやすく、除湿機やエアコンの運転時間を短くすることができます。

●空気を滞留させない

 カビは湿度75%を超えると急速に繁殖すると言われています。除湿機やエアコンで湿気を取ることに加え、空気を動かすことでカビの胞子が定着するのを防ぎ、カビが生えないようにすることも有効です。そのために、扇風機やサーキュレーターで室内の空気をかき混ぜ、なるべく空気が滞留しないようにしましょう。

上記は一般的な対策として書いたものです。
住まいづくりをする際にも、気を付けてほしいことがあります。それは気密措置をしっかりとることです。

気密措置をしっかりとり、隙間など、想定外の場所から湿気が入らない状態することで、換気が有効に働きます。きちんと換気をして、外部から入ってきたり、室内で発生する湿気はエアコンや除湿器などによる除湿でしっかり取り除く。そうすることで、梅雨の間やそのあとにくる夏の時期も快適で、無駄なエネルギーを使わない生活が可能です。

内と外から同時に設計を進行中です

2020-06-03 21:24:31 | 住まいづくり

周辺の家を立体的に配置して様子を確認

6月1日からペースを上げて実施設計を進めている富山のおうち。
内と外の両方からの視点で設計内容を検証しながら進めていきます。

内から外から立体的に検証することで、室内からの周辺の眺め、日当たり、窓からバルコニーへの出入りなどを確認することができます。


2階の南側の窓の設け方のスケッチ

かなり長いこと悩んでいた南側の窓の設け方も、お客さんと対話することで納得のいく答えが見いだせました。

この状態になるまで、構造計算を進めて壁の量を確認したり、外壁に強い風が当たった時にも問題ないような柱のサイズにしたり、むこう100年間、大雪があっても屋根の梁のたわみが問題ない範囲に収まるように梁のサイズを決めたりという下準備がありました。
その準備が生きてよかったです。

まだまだ作業はかかりますが、頑張って進めていきます。

テレワーク始めました

2020-04-15 04:08:08 | 住まいづくり
東京にコロナウイルス対策の緊急事態宣言が出て一週間、
幣事務所もテレワークを始めました。
元々車通勤、事務所も大所帯というわけではないので、事務所で仕事をしていても接触機会はごく少ないのですが、子供が通う保育園や学童に協力する意味もありテレワーク開始です。


子供達も学童と保育園をお休みしているので、いつもとは違ったペース配分にはなりますが、仕事も継続しています。

住宅新築計画やリノベーション、耐震改修、断熱改修などの新規相談も対応可能です。
新規相談には、電話やSNS、オンライン会議等で対応いたします。

まずはお気軽に電話やメールで相談ください。
電話:042-794-8180
メール:email@arclife.org

やりとりの中で少しづつかたちづくられていく住まい

2020-01-21 21:42:17 | 住まいづくり


遠方の建て主様のお住まいを設計中です。
遠方のため、面会しての打合せは節目節目のみの予定なので、それ以外はSNSのメッセンジャーを介してやりとりをして進めています。
このやりとり、ライブ感があってなかなか良いです。

通常は2週間に1回程度の設計打合せがあり、その間に打合せの中で出た要望を踏まえ、提案を練って次回の打合せに臨むというように、一定の間隔を置いたキャッチボールのような形で進むことになります。

一方、このようなメッセンジャーを介したやりとりは即時性があるので、そのキャッチボールが早い早い。
晩に図と一緒に送った問いかけにたいし、早くて次の日の朝回答があり、さらなる要望が出てきたり。
遠方ながらなかなか密なやりとりができています。

それでも、顔を見合わせてのコミュニケーションではないため、ニュアンスが伝わりづらいところもあります。
そのようなときに、手書きスケッチを描いてみたらとても分かりやすいと喜んでいただけました。

敷地は北陸で、冬はそれほど日照のない地域です。
東と南に隣の家が迫っていて、1階にはほとんど陽が入りません。
それでも、将来の生活の中心は将来のことを考え1階に。

このような条件で明るく、快適に過ごすために屋根を南が上がった片流れにして、南から太陽光を取り入れられるようにします。
そして、吹き抜けを介して1階にその光が届くようにします。
夏は日射が入りすぎては暑くなるので、ちゃんと遮蔽の方法も考えながら。

大枠はそのような考え方ですが、快適に生活するためにはいろいろなことを検討しながら進める必要があり、このようなやりとりは欠かせません。

このようなやりとりを経て、お仕着せでない自分ならではの住まいが形づくられていきます。
ライブ感のあるやりとりを楽しみながら、一所懸命取り組みたいと思います。


プレゼン準備を進めていた住宅が実現の方向へ

2019-12-20 22:36:34 | 住まいづくり


今週、いろいろ良いことがありましたが、一番は水曜日にプレゼンした住宅が実現の方向へ動き出したことです。

積雪地域の、東と南を隣接する住宅に囲まれている敷地で、1階に生活の中心を設けつつ、明るく暖かく過ごせるようにという方針でスタートしたプラン。方向性としては気に入っていただき、さらに検討を進めたいということで設計契約をしていただきました。

うれしかったのは、プランについて、ああできないか?、こうできないか?というさらなるご要望をいただいたことです。一所懸命考えたファーストプランですが、住まい手のさらなる要望を反映できるように検討を進めると、さらに具体的で良いものになっていきます。そのために、要望はとても大事なきっかけになってきます。

もう一つうれしかったのは、設計の必要性をご理解いただいていることです。住まい手にとって、住まいづくりの最終的な成果は幸せな生活を送ることと思っていますが、例えば設計とその産物の図面は中間成果物になります。その中間成果物に費用をかけることが、住まい手の幸せな生活に繋がるということを理解してくださっているということがうれしかったです。

遠方なのでSNSでのやり取りをしながら、ポイントでお会いして進めていく形になりますが、一所懸命取り組んで、幸せな生活ができる住まいづくりのお手伝いをしたいと思っています。