ついこの間始まった、耐震改修+リフォームの現場で、洗面所の柱の根元が
シロアリの食害を受けて、ほぼなくなっている状態が見つかりました。 現場にあった木片で根元をえぐってみるとどんどん削れていきます。
近くの部材も、腐っているものもあり、シロアリに食われてぼろぼろのものもありました。上を見上げると、梁が四方からつながっているので、取り替えるのは難しそうでした。
工務店の社長さんと相談して、柱の根継ぎが良さそうという事になりました。
柱の根継ぎといっても、普段はなかなかそういう現場に出会いません。丸ごと1本取り替えたり、状態が良ければ、既存の柱には触らずに、すぐ隣に新柱を添わせたりします。
住み手の方には、費用負担が増す事なので、歓迎すべき事ではないのですが、どういう風になるのか、楽しみでもあります。実際の根継ぎはもう少し進んでからになります。
シロアリに食われた木材も見つかりました。
シロアリそのものは見つかりませんでしたが、このような状態ならば、もう少し暖かくなれば、いつ入りこんで来てもおかしくありません。今の内に見つかって良かったと思います。
リフォーム工事では、解体すると思いもよらない被害が見つかる事があります。
ショックを受ける事もありますが、ある意味では、そういう見えない劣化を改善する良いチャンスなのです。
そして、壁をはがすと、筋交が図面の表記よりも薄い事もあります。
耐震性能は、事前の設計時には、1.0を超えるように考えていたとしても、薄い筋交では、性能が落ちる事になります。
そんな時、気に留めずに、そのまま石膏ボードを張ってしまっては、低い耐震性能のままとなってしまって、きちんとした耐震改修とならなくなってしまいます。
見える範囲の筋交は全部寸法を確認し、見えない部分も安全側に推測して、耐震強度を再計算することになります。
その結果工事費が数万円増えたとしても、せっかくの耐震リフォームが意味を成さなくなってしまうよりは良いと思います。
ですから、リフォームの設計・監理を依頼された時には、契約した工事費の他に10%くらい予備費をプラスして見て頂きたいとお願いする事が多いのです。(そこまで使う事は余りありませんが)