「こうしたい」と「つくる」の間に 一級建築士事務所アーク・ライフのブログ

東京都町田市の一級建築士事務所アーク・ライフです。住まい手の「こうしたい」と「つくる」の間で要望を共有し一緒に考えます。

リフォームでも地盤調査

2008-05-12 21:30:50 | リフォーム
5月7日に始まったリフォームの工事の様子です。
このリフォームでは、柱・梁の構造材、外壁、屋根、サッシ、浴室を残し他は全部やりかえます。
4日間で既存解体がほぼ終わり、建物はがらんどうに。内部の間仕切りが無くなると、解体前に比べて広く感じます。

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このリフォームでは、同時に耐震補強も行います。更に念を入れて、地盤調査も。

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スウェーデン式サウンディング試験という方法で、四隅と真ん中の全5箇所を調査します。
スウェーデンサウンディング試験とは、重しをかけた紡錘型の鉄製のスクリューを地面の中に回転させ、掘り進んだ量と回転数の関係で地盤の強さを判断する方法です。あまり回転させなくてもどんどん掘り進んだ時は「地盤が弱い」、いくら回転させてもなかなか掘り進まない時は地盤が強いと判断します。

今回は、4m程度の深さに硬く、しっかりした地盤があるようですが、2~3mの深さでスクリューを回転させなくても沈んでしまう「自沈」という状態の場所が1箇所ありました。正式な結果は後日出てきますが、どうなりますか。

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4~5mの深さから引き抜いたスクリューとその先端に付いていた土です。先端に付いていた土は粘性土のようでした。

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このようながらんどうの状態では、リフォーム前は分からなかった雨漏りの様子、白蟻による被害の状況、基礎の大きさ等が分かります。ここでも、屋根からの雨漏りと、換気扇の穴からの雨漏りが見つかりました。この後、外壁補修・塗装のための足場を立てるので、屋根に登り、散水試験をすることにしました。


漆塗りの様子2

2008-05-03 18:07:18 | 
今日の塗師さんの作業は午前中で終わり。
漆塗りの箇所のあちらこちらには、即席のムロが出来ていました。
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ムロは半透明のポリエチレンのシートで囲われていて、外からは中が良く見えません。
覗いていいのやら迷っていると、塗師さんがシートをまくって中を見せてくれました。

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ここは、1階の洗面所の床。
これで2回塗りの状態だそうです。
漆を知らない東京人の私としては「お!結構濃いな」と思いますが、北陸出身の施主さんはこれが普通だそうです。

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ここは2階の洗面所。
これからシートをかけて覆います。
ムロの中には、水を含ませた布を吊るし、漆に湿気を供給できるようになっていました。
今日は雨で湿気があるので、漆が良く乾くそうです。


漆塗りの様子1

2008-05-02 14:12:58 | 
現場で漆塗りの作業が始まりました。

塗る箇所は、床の間の地板、仏壇置場の甲板、家具、家具の甲板、トイレ・洗面の床面など。
木目が生きる拭き漆塗りで仕上げます。

今日の作業は、漆塗りのための下準備と養生です。

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この写真はサビ下地付けをしているところ。(仏壇置場、材はエンジュ)
ケヤキ、ニレ、キハダのような環孔材には、サビ(胡粉と漆を混ぜたもの)をあらかじめ塗りつけておきます。

サビ下地をする理由は、仕上がりをよくするため。
サビ下地をしたものは平滑に仕上がりますが、しないものはざらざらとした仕上がりになります。

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一般的には針葉樹や、サクラ等の材料はサビ下地付けをしなくてもきれいに仕上がるそうです。
現場では、節や凹みのある部分にもサビ付けをしていました。(床の間、地板:キハダ、床中地袋:カヤ)

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トイレの床にも漆を塗ります。
漆は水に対してはもちろん、酸・アルカリに対しても強いので水廻りの床に塗るのはお勧めです。

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