めでたしめでたし
10月に入る頃、とうとう見なくなった。それまで1日に1匹2匹と見かけては掃除機で吸い取ってきたが、掃除機はいらなくなった。5年間それほど気にしていなかった排水溝の中と、浴槽に通じる穴の方は、毎日水とスポンジで掃除し、きれいな水しか流れてこなくなったのとほぼ同時だった。約5年間の汚れは、一日や一週間じゃきれいにならなかった。昨日やったのにまだでるまだでる、黒いもの。チョウバエの幼虫のようなものも混じっていた。浴槽にお湯を張るようになって、そこから大量の水が流れるようになって掃除もしやすくなったこともあるだろう。
掃除しおえたところ
今は2日に1回浴槽の湯を流すときに排水溝を掃除している。
トラップカバーをどけて、センターカバーを外してみた。
なんか汚れている。
見えるところを擦って水を流してみた。が、見えるところだけでは物足りない。
浴槽下の左右からシャワーを流し入れてみた。
汚れがでた出た出た。
さらに外れかけていたエプロン目地を外すと、浴槽エプロンがちょっと下がり、簡単に外せそうなかんじになったので、外してみた。
浴槽下にも防水パンがしっかりある。
ふーん、こうなってるんだ。右下からのジャバラの2本の管が、給湯器からくる追炊きの循環パイプね。左下から来ているのがシャワー水栓につながるお湯と水の管ね。
ワンプッシュ排水って、こうなっているんだ。
手前にある黒いゴム蓋(左右にある)が外れたので一旦外し、ドア下の排水溝から繋がっているらしいのでドア下から水を流してみて確認。髪の毛の絡まったものが出てきた。
手前の洗い場側の排水筒と排水ピースを外し、そこから一度も掃除したことがない浴槽の排水に繋がるとこをにシャワー全開で流したら、浴槽の排水栓は水圧で持ち上がって、ウッワー!汚いものが浴槽に流れ出て、洗い流し。たぶんこの中に、チョウバエの子達がいたみたい。この部分はエプロンを外さなくても掃除が出来る部分だから、たまに掃除しよう。
そんなこんなで、キレイにしたところで、浴槽下を扇風機で乾かし、無事エプロン装着。
スッキリスッキリ。めったにエプロンは外さないから、ついでに重曹とクエン酸で掃除できたし。
さてチョウバエはいかに?
新築した建主さんからの
- 80年は持たせたい。
- 子から孫へ、できれば引き継いでもらいたい。
- それについては、きちんと計画的にメンテナンス等を行いたい。
- 設計者に関わってもらって、メンテナンスを行いたい。
との声に応えるべく、私たち3人の事務所のスタッフは時々の会議・作業を行っています。
時は今、国土交通省は住宅の長寿命化を提唱し、長期優良住宅普及促進事業や長期優良住宅先導的モデル事業を行っているが、同時に住宅履歴情報の整備も検討しています。
しかし・・・・・? なんだか・・・・変。
大事なことは住まいが長もちすることであり、住宅履歴情報はそのための補助であるはずのものが、なんだか履歴情報のための仕組みづくりを民間の会社を立ち上げるという方向に行っている。いつも思うけど、シックハウス法だの建築基準法改正だのと、建築に関わる法が頻繁に改正され、その度我々の住宅に関する仕事に刺激を与えられる。確かに良い刺激もあるが、なんでここまでするの?という無駄だ思う作業まで強いられることもある。本当のところ、何考えているのか?
先に触れた建主さんの家は、多摩(東京)の森の木からできた家で、建主が住まいづくりの過程のほとんどに立会って出来上がった。多摩の森や多摩の製材所に足を運び、木に触れ、丸太を手に取り、大工さんの下小屋にも見に行き、現場をほぼ毎日見る(新築場所は既存住家の隣だった)。そんな状況から生まれた住まいを、大切にして住んでいこうという住まい手の自然な気持ちから前述のような要望が生まれ、そして私たち3人も建主さんと共通な思いで取り組もうとしている。
私たちが行っている作業の具体的なものは、点検・補修の周期表と、点検・補修チェックシートの作成です。既存のものを参考にしつつ、いろいろな工夫も加え必要なことは落さず網羅し、叩き台をつくり、そして建主さんと協議をするのです。
家によって、必要な項目は違ってきます。
このように、住む立場から発生した住宅履歴簿をまとめたいと思います。
ちょっと調べ物をしています。
内容は「住宅履歴情報」を保存する際の「情報サービス機関」という仕組みについて。
「住宅履歴情報」とは、国土交通省の住宅の長寿命化という政策の中で、
住宅の長寿命化には、適切な点検、補修等の維持管理やリフォーム工事を継続的に行うことが必要であり、そのためには住宅に関する履歴情報が蓄積され、また活用されることが不可欠です。(国土交通省住宅履歴情報の整備検討について平成19~21年度より)
として、長寿命化にあたって蓄積・活用すべきとしている情報のことで、具体的には設計図書、や点検時の記録、修繕・リフォーム時の図面・写真など「住宅の設計、施工、権利及び資産等に関する情報」(住宅履歴情報整備検討委員会公表資料1「住宅履歴情報の蓄積・活用の指針」平成21年2月24日より)のことだそうです。
あれ?「権利及び資産」も住宅履歴情報に含まれるのですね。
設計者の感覚としては通常、長寿命化のための「適切な点検、補修等の維持管理やリフォーム工事を継続的に行う」のに「権利及び資産」の情報は必要ないと思ってしまうのですが。
住宅履歴情報整備検討委員会に不動産関係の専門家がいることも関係しているのでしょうか。公表資料では「権利及び資産」に該当する情報は具体的には「重要事項説明書」だけとなっていまるようです。
「住宅履歴情報の蓄積・活用の指針」の中には、住宅履歴情報の蓄積・活用を支援するサービスを提供する者として「情報サービス機関」というものが挙げられています。住宅履歴情報整備検討委員会の公表資料の中では、住宅履歴情報の蓄積・活用が必要、即「情報サービス機関」が蓄積・活用を支援するとなっているようです。
住宅履歴情報整備検討委員会は、住まい手若しくは施工者が情報を保存してきた今までのやりかたから、「情報サービス機関」という新たな存在が情報を保存するという体制への移行を目指しているのでしょうか。「情報サービス機関」は一定の要件を満たしたものが登録できる登録制とのことで、工務店、ハウスメーカーなどの住宅生産者が登録することも想定されているようです。
住宅を長寿命化させる場合、長期にわたって住宅にすみ続けることを想定すると、工務店、ハウスメーカー、設計者などの住まいづくりに係わった事業者がなくなることも考えられますし、住まい手が変わるということも考えられます。それに対応できるように住まい手でもない、工務店、ハウスメーカー、設計者などのつくり手でもない「情報サービス機関」に情報を保存することに意味が出てくるのかなと思う一方、何故「情報サービス機関」でなければいけないのかとも思います。