寿迎夢・寿迎夢

海砂利水魚水行末雲来末風来末

JAL

2009-11-28 | Weblog
今、JAL・日本航空が重い病気に罹っているようだ。
これが弱肉強食の野生の世界でのことなら間違いなくJALは死に直面する
ことになるだろう。

だが、幸か不幸かJALは野生の世界にはいない。
彼等(JAL)はこれまで大金持ちの飼い主のもとで充分過ぎる保護を受け
続けてきたのである。

冷暖房付きの住まいは勿論、着る物、食べる物その他暮らしの全てをその
大金持ちが面倒を見て必要以上の贅沢の限りを尽くしてきたのである。

だからもう既にその牙は丸くなって退化し、爪は柔らかく何かを引っ掻くと
剥がれてしまうほど弱くなっていてもう全体的に自力では生きていけないのだ。

切羽詰まって飼い主に対してだけでなくあちこちに助けを求めて哀願している
らしいが誰も振り向いてくれないようである。

ところがここにきて突然、飼い主が替わった。
新しい飼い主は今迄の甘い体質を変えないともう助けてやらないと言う。

体質改善には身を削る努力が必要であり、具体的には収入を減らすことから
始まりそうなのだ。

それで知って吃驚したんだが、事の理非は別にして、JALのOBには一人
月額25万円の企業年金が支給されているとのことである。

勿論、これに厚生年金が加算されるのである。
老後としては申し分ない収入だ。

因みにANAの場合は一人15万円程度だそうだ。
ところで、日本の企業の90%以上は中小以下の企業だそうである。

ということは即ち、残りの10%以下の企業が所謂大企業であり、そこで働く
全労働者の10%以下のサラリーマン(公務員もそうかな)だけがそのような
厚遇を受ける事が出来るようなのだ。

エリートサラリーマンということか。
当然ながら此の事について各個人には何の咎は無い。
それは努力の結果だからで、また、それなりに厳しい環境にある事でもあろう。

JALの場合、責任が経営者や政治家、政府にある事は明白で、真面目に
働いている、或いは働いてきた従業員やOBに過失があるとはなかなか
考え難いのであるが新政権者の姿勢も否定し難い。

これが外野の受け止め方だと思う。
唯、野生に戻って戴きたいとは思っている。

JAL社長の年収は約980万円だそうで、パイロットのそれは約3000万円
だが勤務は過酷とのことだ。

多くの人の命をあずかる責任の重い特殊な職種であることには間違いない。
デフレ不況の儘に年末を迎え、家族を抱えて無職という境遇にある人も決して
少なくないようである。

富者、貧者さまざまなのは何も今始まった事ではないが。
「アリ様」は年金を受給しながら小さい小さい会社を営んでいて、何とかギリギリ
年越しは出来そうである。

ただし、その先は解らない。


JAL\'s SPIRIT