1977年に映画化された『人間の証明』の作者、森村誠一さんの作品です。
写真に猫俳句?をつけたもの、エッセイ、短編小説から成っています。
森村誠一さんが猫好きで、猫を飼っていたなんて全然知りませんでしたが、やはりそこは猫好き、飼い主が思う事は全国共通だなぁと嬉しくなります。
全作品通して、人間の側からの視点で書かれていますが、一貫して猫に対する溢れんばかりの愛情が文章から感じ取れます。
そして、猫に対する敬愛の気持ちというのは、犬に対する気持ちとはやはり一線を画すものがあるようです。
小説の中には、悲しい結末や残酷な描写があるのですが、この愛すべき猫たちを、いつまでも愛し続ける事ができるかどうかはひとえに私たち人間にかかっていると訴えたかったのだろうと思います。
そこが森村誠一さんならではですね。
《人間と犬は紐(リード)で結ばれているが 、人間と猫は運命の糸によって結ばれているような気がする》
これはなんとも名言。
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『ねこの証明』
講談社 森村誠一 著
Kindle版