北の窓から(芦田っち)

PC関連と私的雑感のブログ。
2015年7月10日、カッコ内に名前を加えました。昔の友だちに気付いてほしくて・・・

謡の扇

2009-07-26 06:02:10 | 肉親,身近な人たち
[この記事は Doblog に 2005-08-12 16:39:37 付で載せていたものです]

もうすぐお盆ですね.
郷里では仏壇の掃除をしたり,お墓までの道の草を刈ったりしているのでしょう.

若い頃には仏壇に向かったりお墓参りすることに抵抗がありました.
祖母を失くし父を亡くし義父が逝き,
いつの間にか自然に手を合わせることができるようになりました.

その人の肉体は無くなっているので,
それに代わるものとして何かが必要なのだと思います.
写真も同じような機能を持っているように思います.
昔の友人や子供の写真を見ると当時のことを思い出します.
今では久しく会っていない友達,大きくなった子供たちでも,
その写真であの頃に戻ります.

故人は,故人となったその瞬間から歳をとらなくなり,
こちらがどんなに歳をとっていっても,永遠にあのときの年齢です.
そんな故人と今の自分を結びつけるものとして仏壇やお墓があるように思います.

昔の私はそういった「形」や「もの」が嫌いでした.
心の中で偲べばいいのであり,
形やものを経由して故人を想うことに抵抗がありました.
大げさに言えば,そこに何か不純なものがあるように思っていました.

お寺の庭造りに多くの檀家が少なからぬ金額を喜捨し,
葬式・法事があれば,お坊さんにお布施をする.
大してお金がある訳でもないのに,
どうしてそんなものにお金を遣うんだろう,
そんな思いもあって,仏壇やお墓に屈折した反発があったのだろうと思います.

さて,今年のお盆も帰省しないで,こちらで過ごします.
せめて,扇子を出して父を偲ぼうと思います.
謡(うたい)で使っていた扇だと母から聞きました.
定年後の父は地方選挙の候補者を応援したり,
座禅に通ったり,謡を習ったりしていたようです.
上手かどうかは分かりません.

帰省した折に謡の練習の声を聞いたことがあります.
練習中の姿を見たことはありませんが,きっとこの扇をもっていたのでしょう.
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