コメント欄 手術を決断するにあたって 2011-07-03 03:19:25 蘭さんより
august03様、早速の御返事ありがとうございます。
少し言葉足らずのところがあったようでしたので、補足させていただきます。
痛みの原因について、かかりつけの整形外科医は、脊椎の変形によって椎間板が圧迫されているからだろう、とおっしゃっていました。だから、側弯の手術をするにしても、椎間板の手術をするにしても、自分が納得すればどちらでも好きにやれば良い、という意見でした。
専門医に関しては、明後日5日に手術の相談に行く予定です。今までの診察では、少しずつ進行している(2年間で10゜程度)ものの、20歳くらいまで経過観察を行えば、おそらく手術を積極的にやらなくても良い状況だろうということでした。
私は、手術に関して高望みはしていません。中学の頃から腰痛があり、高校になってから多少酷くなったものの、電気を通したり、マッサージをしたり、時には鎮痛剤を飲んだりして誤磨化してなんとかなっていたので、この程度にまで軽減すれば、それ以上望みません。
ただ、ここ2ヶ月のような痛みが度々あるようならば、高校より厳しい大学(薬学部)に通うことも、就職することも難しくなりそうで、自分の人生に希望を持つことができません。現にこの2ヶ月、学校に行けない状態で、もう卒業するのは困難な状況になってしまいました。なので今は取り敢えず休学しているのですが、それならばいっそ、2012年になって18歳になる前なら、育成医療制度がぎりぎり使えるから…と思い、手術を覚悟した次第です。
ただ、覚悟しても、先天性でこの年齢でこの角度で手術しているケースを見かけないので、手術が出来るか否かという不安や、手術自体に対する不安があり、ここで相談させていただきました。
ただやはり、1番は側弯の手術がしたいということが再認識できました。でも、それが無理ならば、他の方法でこの痛みが軽減できるようなもの、例えば椎間板の手術などを考えるようにいたします。
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蘭さんへ
状況がさらに理解できました。ありがとうございます。
私のほうからも、もう少し補足させていただきます。
蘭さんは、ご自分の「状態」と「状況....育成医療制度等」を、そしてご自分の目標(薬学部)をしっかりと把握し、目標に向かって進もうとしていること、とてもうれしく感じました。人は、現実の中で生きています。けれど夢と目標がないと人は生きていけないと思います。自分が何をしたいのか、その為には何をしなければならないのか、そういうことをしっかりと考えておられる蘭さんならば、きっと、夢をしっかりとその手につかむことができると思います。ただ、その道は決して平たんなものではないかもしれません。でも、それにへこたれないで、前に、前にと、進まれることを期待しています。
蘭さんの側わん手術自体は、それほど難しいものだとは想像できません。おそらく二か所を別別に固定するか、あるいは、長い金属ロッドを使用して一体として固定することになると思いますが、カーブがそれほど大きいものではありませんし、無理にゼロ度までもっていく必要もないと思いますので、側わん手術としてはそれほど難易度が高いものとは思えません。変形した椎体を除去して、どこから骨移植するか....腸骨から持ってくることになるのかと思いますが..... その移植骨が癒合するまではしばらく安静にしている必要がありますが、お若いですから、数か月でしっかりと癒合してくれると思います。
側わん手術によって、腰痛等の痛みがとれるかどうかはわかりません。ただ、いま蘭さんが心の負担に思っている「重し」が手術によってとれることで、改善する可能性は高いと思います。
それともう一点、これは「医学情報」として記憶にとどめておいていただければと思いますが、最新の治療法をご紹介します。
http://www.spine-health.com/treatment/spinal-fusion/xlif-lumbar-spinal-fusion
この治療方法はまだ日本には入ってきておりません。でも、蘭さんのように椎間板に由来する痛みが原因で保存療法、薬物療法が効果なく、最終手段としての外科的治療を望まれる患者さんにとっては、福音となり、米国中で多くの蘭さんのように慢性的腰痛で苦しんできた患者さんを治療する方法として、米国整形学会でも評判となっている方法です。この手術の最大のメリットは、小さな切開で進入して、椎体に到達することができるので、出血、痛みがほとんどなく、入院期間が非常に短くて済む、という点です。手術というのは、身体を「侵襲」するという行為です。「侵襲」しなければ、治療ができません。でも同時に、「侵襲」は患者さんにとっては、「負担」の大きなイベントということになります。
この治療方法は、その「負担」を劇的に低減するということで、米国を中心に世界中に広がりを見せている方法です。幾つかの特殊な医療機器を使用する必要があるために、まだ日本では始まっていませんが、一年から二年以内には日本でも実施する先生がでてくると思います。
もし蘭さんが、一年後も同様に腰痛に苦しまれているときは、またコメント欄でご相談ください。どこの病院でこの治療方法を受けることができるかをお教えできるように調べておきますので。
蘭さんは薬学部に進みたいという夢をもっておられるとのこと、近い将来、この医療の世界の様々な「現実の壁」にもぶつかると思います。患者さんを治療するということは、言うほど簡単なことではありません。いま、蘭さんはその「患者さん」という立場で、医療の現実と向き合っているわけで、過去数年にわたり、なんて医療はふがいないもの、なんて医者なんて当てにならないもの、という面も見てきていると思います。それが現実の医療の世界です。そして、同時に、医療はつねに進歩もしています。遅々として歩みの鈍い面もありますし、日本の薬事行政のように、世界では標準となっている医療技術が日本の患者さんは受けることができない。という「ガラパゴス島」の悲哀もあります。でも、医療(技術)は進歩している、ということも事実なのです。決して今、目の前の壁に怯むことなく、その壁を突き破って、乗り越えていく気持ちさえ持ち続けるならば、必ず道は開けます。
今回の側わん症手術で腰痛が無くならなかったとしても、決してめげないで下さい。次の方法があります。上記にご紹介した方法が始まれば、日本でもこれまで諦めていた患者さんが痛みから解放されることになるでしょう。
日本は様々な分野で技術の進歩した一流国ですが、ことメディカルに関しては、米国がやはり一歩も二歩も、それ以上に先を進んでいる国です。日本の患者さんにとって逆説的ですが、幸いなことは、米国より「遅れて」てはいってくる技術というのは、それはある意味で、すでにアメリカの患者さんがたに「人体実験」してもらい、効果を証明してもらった技術ということになる点です。
ですから、そういう意味で、安心して今回の手術にのぞんでいただけるのではないかと思います。
蘭さんが医療の世界で活躍される日を心待ちしています。がんばって下さい。
august03
august03様、早速の御返事ありがとうございます。
少し言葉足らずのところがあったようでしたので、補足させていただきます。
痛みの原因について、かかりつけの整形外科医は、脊椎の変形によって椎間板が圧迫されているからだろう、とおっしゃっていました。だから、側弯の手術をするにしても、椎間板の手術をするにしても、自分が納得すればどちらでも好きにやれば良い、という意見でした。
専門医に関しては、明後日5日に手術の相談に行く予定です。今までの診察では、少しずつ進行している(2年間で10゜程度)ものの、20歳くらいまで経過観察を行えば、おそらく手術を積極的にやらなくても良い状況だろうということでした。
私は、手術に関して高望みはしていません。中学の頃から腰痛があり、高校になってから多少酷くなったものの、電気を通したり、マッサージをしたり、時には鎮痛剤を飲んだりして誤磨化してなんとかなっていたので、この程度にまで軽減すれば、それ以上望みません。
ただ、ここ2ヶ月のような痛みが度々あるようならば、高校より厳しい大学(薬学部)に通うことも、就職することも難しくなりそうで、自分の人生に希望を持つことができません。現にこの2ヶ月、学校に行けない状態で、もう卒業するのは困難な状況になってしまいました。なので今は取り敢えず休学しているのですが、それならばいっそ、2012年になって18歳になる前なら、育成医療制度がぎりぎり使えるから…と思い、手術を覚悟した次第です。
ただ、覚悟しても、先天性でこの年齢でこの角度で手術しているケースを見かけないので、手術が出来るか否かという不安や、手術自体に対する不安があり、ここで相談させていただきました。
ただやはり、1番は側弯の手術がしたいということが再認識できました。でも、それが無理ならば、他の方法でこの痛みが軽減できるようなもの、例えば椎間板の手術などを考えるようにいたします。
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蘭さんへ
状況がさらに理解できました。ありがとうございます。
私のほうからも、もう少し補足させていただきます。
蘭さんは、ご自分の「状態」と「状況....育成医療制度等」を、そしてご自分の目標(薬学部)をしっかりと把握し、目標に向かって進もうとしていること、とてもうれしく感じました。人は、現実の中で生きています。けれど夢と目標がないと人は生きていけないと思います。自分が何をしたいのか、その為には何をしなければならないのか、そういうことをしっかりと考えておられる蘭さんならば、きっと、夢をしっかりとその手につかむことができると思います。ただ、その道は決して平たんなものではないかもしれません。でも、それにへこたれないで、前に、前にと、進まれることを期待しています。
蘭さんの側わん手術自体は、それほど難しいものだとは想像できません。おそらく二か所を別別に固定するか、あるいは、長い金属ロッドを使用して一体として固定することになると思いますが、カーブがそれほど大きいものではありませんし、無理にゼロ度までもっていく必要もないと思いますので、側わん手術としてはそれほど難易度が高いものとは思えません。変形した椎体を除去して、どこから骨移植するか....腸骨から持ってくることになるのかと思いますが..... その移植骨が癒合するまではしばらく安静にしている必要がありますが、お若いですから、数か月でしっかりと癒合してくれると思います。
側わん手術によって、腰痛等の痛みがとれるかどうかはわかりません。ただ、いま蘭さんが心の負担に思っている「重し」が手術によってとれることで、改善する可能性は高いと思います。
それともう一点、これは「医学情報」として記憶にとどめておいていただければと思いますが、最新の治療法をご紹介します。
http://www.spine-health.com/treatment/spinal-fusion/xlif-lumbar-spinal-fusion
この治療方法はまだ日本には入ってきておりません。でも、蘭さんのように椎間板に由来する痛みが原因で保存療法、薬物療法が効果なく、最終手段としての外科的治療を望まれる患者さんにとっては、福音となり、米国中で多くの蘭さんのように慢性的腰痛で苦しんできた患者さんを治療する方法として、米国整形学会でも評判となっている方法です。この手術の最大のメリットは、小さな切開で進入して、椎体に到達することができるので、出血、痛みがほとんどなく、入院期間が非常に短くて済む、という点です。手術というのは、身体を「侵襲」するという行為です。「侵襲」しなければ、治療ができません。でも同時に、「侵襲」は患者さんにとっては、「負担」の大きなイベントということになります。
この治療方法は、その「負担」を劇的に低減するということで、米国を中心に世界中に広がりを見せている方法です。幾つかの特殊な医療機器を使用する必要があるために、まだ日本では始まっていませんが、一年から二年以内には日本でも実施する先生がでてくると思います。
もし蘭さんが、一年後も同様に腰痛に苦しまれているときは、またコメント欄でご相談ください。どこの病院でこの治療方法を受けることができるかをお教えできるように調べておきますので。
蘭さんは薬学部に進みたいという夢をもっておられるとのこと、近い将来、この医療の世界の様々な「現実の壁」にもぶつかると思います。患者さんを治療するということは、言うほど簡単なことではありません。いま、蘭さんはその「患者さん」という立場で、医療の現実と向き合っているわけで、過去数年にわたり、なんて医療はふがいないもの、なんて医者なんて当てにならないもの、という面も見てきていると思います。それが現実の医療の世界です。そして、同時に、医療はつねに進歩もしています。遅々として歩みの鈍い面もありますし、日本の薬事行政のように、世界では標準となっている医療技術が日本の患者さんは受けることができない。という「ガラパゴス島」の悲哀もあります。でも、医療(技術)は進歩している、ということも事実なのです。決して今、目の前の壁に怯むことなく、その壁を突き破って、乗り越えていく気持ちさえ持ち続けるならば、必ず道は開けます。
今回の側わん症手術で腰痛が無くならなかったとしても、決してめげないで下さい。次の方法があります。上記にご紹介した方法が始まれば、日本でもこれまで諦めていた患者さんが痛みから解放されることになるでしょう。
日本は様々な分野で技術の進歩した一流国ですが、ことメディカルに関しては、米国がやはり一歩も二歩も、それ以上に先を進んでいる国です。日本の患者さんにとって逆説的ですが、幸いなことは、米国より「遅れて」てはいってくる技術というのは、それはある意味で、すでにアメリカの患者さんがたに「人体実験」してもらい、効果を証明してもらった技術ということになる点です。
ですから、そういう意味で、安心して今回の手術にのぞんでいただけるのではないかと思います。
蘭さんが医療の世界で活躍される日を心待ちしています。がんばって下さい。
august03
痛みも、全く関係無いと言われました。
なんだか悔しいです。
そして色々思うところがあり、ブログを始めさせていただきました。
august03様にも是非読んでもらいたく、紹介させていただきます。
http://blog.m.livedoor.jp/kanna_phalaenopsis/?sso=9d8f371793ae322cbf4eef9571297d86346bf7e0
側弯の手術自体はそれほど難しくないみたいですし、それで痛みが無くならなかったとしても、希望を持つことができそうです。
新しい手術方法ならば、もし痛みがそのまま残っていても、大学の夏休み等を利用してできそうです。
ちょうど17歳で、角度も角度なので、取り敢えず側弯の手術ができるように専門医とよく相談したいと思います。
august03様、私の相談に乗っていただき本当にありがとうございました。普通の整形外科医よりもよっぽど為になりました。まるでセカンドオピニオンのようでした。ありがとうございました。
側弯の手術自体はそれほど難しくないみたいですし、それで痛みが無くならなかったとしても、希望を持つことができそうです。
新しい手術方法ならば、もし痛みがそのまま残っていても、大学の夏休み等を利用してできそうです。
ちょうど17歳で、角度も角度なので、取り敢えず側弯の手術ができるように専門医とよく相談したいと思います。
august03様、私の相談に乗っていただき本当にありがとうございました。普通の整形外科医よりもよっぽど為になりました。まるでセカンドオピニオンのようでした。ありがとうございました。