2014年4月11日加筆しました。2014/4/11もご覧ください
2014年4月9日加筆しました。2014/4/9もご覧ください
2014年4月4日加筆しました。2014/4/4もご覧ください
ともだちのためにネットを検索して、これを見つけてくれた A子ちゃんのために、これを書こうと思います。きみはいま、この春から中一ですね。ともだちとは、小学校1年生の頃からの大親友。その親友が去年の学校検診で、側弯症と診断されて装具を付けての治療中。親友のことが心配で、一生けんめいネットで情報を探しているのですね。親友思いの優しいA子ちゃんのために、できるだけわかりやすいように、これから何回かにわけて、そくわん症について、いろいろな視点からの知識と情報を書きます。
一番最初に、ともだちを大切にしているA子ちゃんに、お願いがあります。 どうか、親友との関係を大事にして下さい。きみがいてくれるから、親友は、とても心強く、だから、装具治療にも励むことができているのですから。
ここに、少し専門誌からの記述を引用しますね。
「.....また学校の先生や周囲の方には、困難な装具療法を懸命に行っている子供に励ましの声をかけていただきたい。検診結果の記録が子供にレッテルを張ることのないよう配慮していただきたい。多くの子供は側弯変形があっても障害はない状態で治る。しかし変形は残るため、検診のデータに側弯症と記入することが将来の進学や就職さらに結婚にまで影響する可能性がある。健康診断票などには「脊柱変形」程度の記録が適当であろう。」 小児臨床第44巻 脊柱側弯症の管理と治療: 浅賀嘉之
「装具療法と患児の精神面に及ぼす影響について、松永(医師)らは、性格テストを用いてそくわん症患者の心理テストを行い、手術的治療や経過観察に比べて大きな心理的影響があったことを示し...... (中略).......島谷(医師)らは、長期装具装着による精神的ストレス、手術への不安などが抑うつ状態を招来し、側弯症のアウトカム(成績)に関与していることを報告している。最近のいわゆるいじめの問題も重要であり、本研究の88例中、自己申告により明らかないじめによる装具のドロップアウトは4例(4.5%)であり、そのうち不登校1例、転校1例であったが、実数はさらに多いと予測される。患児の両親はもちろんのこと、家族、学校においては養護教員、担任教師、友人などの装具療法に対する啓発と理解・協力は不可欠」 臨床雑誌整形外科 vol 64 No8. 2013-7月号 :特集脊柱変形 装具治療より
なぜ、このふたつの文章を引用したかと言いますと、この病気と闘うには、A子ちゃん、きみのような親友思いの友達がそばにいてくれることが、とてもとても大切だからです。きみがいて、小さかった頃からと同じように、接してくれている。だから、あの子は装具治療を止めることなく、続けることができているんですよ。
きみは、あの子のそばにいて、あの子の気持ちがよくわかっているように、あの子は、この病気のことが他人に知られるのが、嫌で、できれば装具も着けたくない。その気持ちが痛いほどにわかるから、きみ自身もどうしていいかわからくて、困っているんでしょう。
このそくわん症という病気は、痛みがあるわけでもなく、具合が悪くなるわけでもなく、身体自体はとても健康そのもの。だけど、背骨が曲がってしまい、それは少しづつ、外から見ても体が曲がっているとわかるようになっていく。そういう病気です。なぜ、そうなるのか、いまだに原因がわかりません。そういう気持ちの悪さを伴った病気、その気持ちの悪さが「いじめ」へと繋がっていく。病気でいじめられるなんて、そんな理不尽なことはないはずなのに、でも、現実のきみの周囲にも、親友を気味悪がる子もいるはず、いままで一緒に遊んでいた子が、だんだんと近づかなくなってきた。そういう状況もあるでしょ。
A子ちゃん、これだけは覚えておいて欲しいのですが、この病気自体は、必要があれば手術で治ります。手術も決して怖いものではないですよ。手術より怖いのは、いじめで傷つくかもしれない友達の心です。 心の傷というのは、一生残ります。身体の傷はたとえ残ったとしても、それは時間がたてば、笑い話として、笑ってすませられるときがきます。でも、心につけられた傷は、笑ってはすませられない。
この側弯症という病気は、いじめという名の差別との闘いが、本当の姿かもしれません。
ひとは、一人では生きていけないもの。だから、友達が大切、だから、友達といるときが、ほっとする。友達と話をしていると嫌なことも忘れられる。そして、そういう苦しいときにこそ、友達がいて欲しいもの。
このブログにたどり着いたきみならば、何が大切で、きみでなければできないこと、親友のためにしてあげられこと、それが何か、もう十分にわかっているよね。
2014/3/28
august03
なぜそくわん症になるの?
一番、肝心の質問で、そして、一番難しい質問なんです
というのも、なぜ側弯症になるのか、その原因がほとんどまったくわかっていない。というのがこの病気のとても頭の痛いところなのです。
このブログ内の「側弯症基礎知識」等に、類似の説明を書いてますので、そちらも参考にして下さい。
この病気は、たぶん、太古の昔からあったものなのだろうと思います。歴史に書物として登場するのはギリシャのヒポクラテスの書いたものがあり、そういう昔から、あった病気ですが....(大昔は病気とは、すなわち死を意味していたはずですで)効果的な治療法は存在せず、いまに続く装具治療がようやく登場するのは16世紀にはいってからと言われています。次の写真は、googleに scoliosis, brace, venel と入力すると得られる画像のひとつです。身体を曲りをなんとか「止めよう」という試みがこうして始まったわけです。
2014/3/29
august03
2014/4/4
A子ちゃんは、学校でいじめられてませんか?
どうして、「いじめ」ってあるんでしょうね.... 日本だけではなく、ほとんど世界中どこの国にいっても、そして昔からずっと、そしてこどもの世界だけではなく、大人の世界でも、どこにいっても、いつになっても、「いじめ」はあったし、いまもあるし、そして、たぶんこれからもなくならないんでしょうね。病気だからいじめられるのではなく、どんな理由がなくても、いじめは発生するのでしょう。もともと、いじめには理由なんていらないのかもしれません。ヒトの性(さが)というものなのかもしれません。
だからこそ、A子ちゃんにも強くなって欲しい。病気のあのこの為にも、そしてあなた自身のためにも強くなって欲しい。
人生は楽しいことばかりではないけれど、でも、その辛さを上回るとっても楽しいこともある。
そして、何よりも、病気のあのこを支える気持ちのあるあなたの強さは、これからの長い人生を歩んでいくときの、大きな自信になるはず。
自分に自信をもって、背中を伸ばして、上向いて歩いて !
ひとは誰かに褒められたいものです。きっと、あなたの周りの大人は、あなたの友達思いの気持ちをほめてくれていると思う。そして、もしも、もしも、誰もほめてくれなかったとしても、くじけちゃだめ。そんなときは、自分で自分を褒めてあげよう。「わたしってすごいでしょ」「わたしってカッコいいよね」と声にだして、自分で自分を褒めてあげて !
さて、また少しこの側弯症について、お勉強しましょうか。
そくわん症にも、いろいろなタイプがあります。ここではそれらの詳細は省略しますが、このStep by stepの中にいろいろと説明していますので、時間のあるときに読んでみてもいいかも。
ここでは、思春期側弯症、あるいは特発性そくわん症についてだけ、絞って書いています。
最初に、スバリと書いてしまいますが、特発性側弯症の場合、背骨の曲りの進行が早くて、装具で止めることができなかったら、迷わずに手術をすることです。私がこの Step by stepを書きだした 2007年の頃は、ネットを開くと、やたらと「そくわん整体」の宣伝と、手術は怖い怖いという声が大きかったのを思い出します。いまでも、そくわん整体がうごめいているのかもしれませんが、まったく困ったものです。 整体で治るのなら、この世の中から側弯症のこどもはいなくなっているはず。どうして、ああいう嘘を平気で言えるのか、私には信じられません。 病気のこどもをいじめる人たちも困ったものですが、そくわん整体は、別の意味で、困った存在です。
手術がどういうものであるかについても、少しづつ説明をしますが、もし、病気のともだちの背中の曲り.....専門用語でコブ角といいますが......これが40度を超えだしたら、そろそろ手術を検討する時期にきていると考えます。もし50度を超えて、医者から手術を勧められているとあのこが相談してきたら、迷わずに、こう言って下さい。「遅くなる前に手術してしまったほうが楽なんですってよ」と。 大人の側弯の手術と違って、この時期のこどもたちの手術は、合併症も少なく、終わってしまえば、なんだもっと早くやっておけばよかった。と思える範疇なんですよ。
この続きはまた後日にて。(august03)
2014年4月9日
前回は、背骨の曲りについて少しふれました。また「手術を躊躇しないこと」と述べました。
その昔.....このStep by stepを書きだした2007年頃のことですが、その当時は、このように「手術を怖がらないで !」という意見をネットに書きますと、それに対して、四方八方から攻撃の矢が飛んできたものです。いわく「私は手術が失敗して、ひどい目にあった」「手術を勧めるなんて無責任だ」「整体で治るのに、どうして手術をしろと言うのか」「お前は医者でもないのに、何を言ってるんだ」等々と、まさに、非難の嵐でした。 とある有名な整体師からは、匿名ではなく、堂々と俺と勝負しろ、という挑戦状までもらったこともあります。
あの当時は、私もまだ勉強が手探りのこともあり、また確かに、私は医者ではありませんから、どこまでも責任はとれないのだから、あまりストレートな言い方はしないほうがいいだろうと、躊躇していたのも事実です。
あれから数年以上を経て、また私自身がその後何度かの手術を受けたという経験をへて、そして、こういう年齢になると、大げさな言い方ですが、日本の未来に少しでも貢献できるなら、その為に残された時間を使いたい、という思いに駆られていることもあり、今は、ストレートな意見を書くことにしました。
この二枚の写真を見て下さい。 ショックですよね,,,,,,
整体に通って貴重な時間を無駄にすると、こういう状態になってしまうタイプのそくわんがあります。
側弯を治せると語る整体が正しいのなら、この子たちのこのひどい状態も直せるハズですよね ? 治るわけがありません。こういう状態にまで進んでしまうと、生命にかかわってきます。呼吸器系や内臓器官に影響がきますから、死亡します。仮に手術ができたとしても、長くは生きられないでしょう。
A子ちゃんのともだちの背骨の曲りは何度くらいでしょう? もし、装具でも進行が止まらなくて、40度を超えているのなら、そして担当の先生が「手術の検討」を説明しはじめていたときは、A子ちゃん、怖がらずに、ともだちに手術を勧めて下さい。これからの長い人生を楽しく過ごすために、カラオケで思いきっり好きな歌が歌えるように、スポーツで汗を流すことができるように、そして素敵な出会いと、恋をするために、時間を無駄にせず、手術の後押しをしてあげて下さい。
手術を怖がる理由もわかりますので、そのことについても、次回は説明をしたいと思います。
2014/4/9 august03
2014年4月11日 手術は医者(病院)を選ぶことが大切
このStep by stepの過去ログでも何度となく繰り返し述べていますが、手術は誰がやっても同じではありません。つまり、世間でよく言われるように、良い先生(医師)を選ぶことがとても重要です。手術とはテクニックですから、そこには、腕(技術)のうまい、へたが如実にあります。それは、歴然とした「事実」です。 どこの病院の、整形外科医であれば、誰でも側弯症の手術ができるわけでもなければ、また、側弯症の手術をしている、という先生であっても、そこには技術の「差」があります。これは否定しようもなく存在します。
例えば、このふたつのレントゲン写真を見て、どこに違いがあるかわかるでしょうか? 上下のどちらが上手で、どちらが下手かに気づいてもらえれば、医者の腕(テクニック)ということの意味が理解できたことになります。
そうです、上写真の手術はしっかりと骨の曲りが矯正できています。 一方、下写真は、手術で金属インプラント(インスツルメンテーション)を挿入して骨に固定しているにも関わらず、まったく骨の曲りが矯正できていません。これでは何の為にわざわざ手術したのか、その意味がまったくないことになります。 実は下の写真はいまから20年も前の手術のものですので、いまではこんなひどい手術をする先生はいないと思いますが、でも、やはり、大切なのは「腕の良い先生」を探す。ということ20年前であれ、いま現在であれ、10年後でも変わらないことでしょう。
ですから、A子ちゃんにもうひとつお願いしたいのは、もしそくわん症の親友が手術をするしかない、というときになったら、あらためて手術をしてもらう病院(先生)を探す手伝いをしてあげて下さい。いま住んでいるところよりも、少しくらい遠くても、ネット検索をして、患者さんがたの評判を集めて、ここならば、というところを親友と一緒に探してあげて下さい。
......手術については、また引き続いて書いてみたいと思います。
2014/4/11 august03
2014年4月9日加筆しました。2014/4/9もご覧ください
2014年4月4日加筆しました。2014/4/4もご覧ください
ともだちのためにネットを検索して、これを見つけてくれた A子ちゃんのために、これを書こうと思います。きみはいま、この春から中一ですね。ともだちとは、小学校1年生の頃からの大親友。その親友が去年の学校検診で、側弯症と診断されて装具を付けての治療中。親友のことが心配で、一生けんめいネットで情報を探しているのですね。親友思いの優しいA子ちゃんのために、できるだけわかりやすいように、これから何回かにわけて、そくわん症について、いろいろな視点からの知識と情報を書きます。
一番最初に、ともだちを大切にしているA子ちゃんに、お願いがあります。 どうか、親友との関係を大事にして下さい。きみがいてくれるから、親友は、とても心強く、だから、装具治療にも励むことができているのですから。
ここに、少し専門誌からの記述を引用しますね。
「.....また学校の先生や周囲の方には、困難な装具療法を懸命に行っている子供に励ましの声をかけていただきたい。検診結果の記録が子供にレッテルを張ることのないよう配慮していただきたい。多くの子供は側弯変形があっても障害はない状態で治る。しかし変形は残るため、検診のデータに側弯症と記入することが将来の進学や就職さらに結婚にまで影響する可能性がある。健康診断票などには「脊柱変形」程度の記録が適当であろう。」 小児臨床第44巻 脊柱側弯症の管理と治療: 浅賀嘉之
「装具療法と患児の精神面に及ぼす影響について、松永(医師)らは、性格テストを用いてそくわん症患者の心理テストを行い、手術的治療や経過観察に比べて大きな心理的影響があったことを示し...... (中略).......島谷(医師)らは、長期装具装着による精神的ストレス、手術への不安などが抑うつ状態を招来し、側弯症のアウトカム(成績)に関与していることを報告している。最近のいわゆるいじめの問題も重要であり、本研究の88例中、自己申告により明らかないじめによる装具のドロップアウトは4例(4.5%)であり、そのうち不登校1例、転校1例であったが、実数はさらに多いと予測される。患児の両親はもちろんのこと、家族、学校においては養護教員、担任教師、友人などの装具療法に対する啓発と理解・協力は不可欠」 臨床雑誌整形外科 vol 64 No8. 2013-7月号 :特集脊柱変形 装具治療より
なぜ、このふたつの文章を引用したかと言いますと、この病気と闘うには、A子ちゃん、きみのような親友思いの友達がそばにいてくれることが、とてもとても大切だからです。きみがいて、小さかった頃からと同じように、接してくれている。だから、あの子は装具治療を止めることなく、続けることができているんですよ。
きみは、あの子のそばにいて、あの子の気持ちがよくわかっているように、あの子は、この病気のことが他人に知られるのが、嫌で、できれば装具も着けたくない。その気持ちが痛いほどにわかるから、きみ自身もどうしていいかわからくて、困っているんでしょう。
このそくわん症という病気は、痛みがあるわけでもなく、具合が悪くなるわけでもなく、身体自体はとても健康そのもの。だけど、背骨が曲がってしまい、それは少しづつ、外から見ても体が曲がっているとわかるようになっていく。そういう病気です。なぜ、そうなるのか、いまだに原因がわかりません。そういう気持ちの悪さを伴った病気、その気持ちの悪さが「いじめ」へと繋がっていく。病気でいじめられるなんて、そんな理不尽なことはないはずなのに、でも、現実のきみの周囲にも、親友を気味悪がる子もいるはず、いままで一緒に遊んでいた子が、だんだんと近づかなくなってきた。そういう状況もあるでしょ。
A子ちゃん、これだけは覚えておいて欲しいのですが、この病気自体は、必要があれば手術で治ります。手術も決して怖いものではないですよ。手術より怖いのは、いじめで傷つくかもしれない友達の心です。 心の傷というのは、一生残ります。身体の傷はたとえ残ったとしても、それは時間がたてば、笑い話として、笑ってすませられるときがきます。でも、心につけられた傷は、笑ってはすませられない。
この側弯症という病気は、いじめという名の差別との闘いが、本当の姿かもしれません。
ひとは、一人では生きていけないもの。だから、友達が大切、だから、友達といるときが、ほっとする。友達と話をしていると嫌なことも忘れられる。そして、そういう苦しいときにこそ、友達がいて欲しいもの。
このブログにたどり着いたきみならば、何が大切で、きみでなければできないこと、親友のためにしてあげられこと、それが何か、もう十分にわかっているよね。
2014/3/28
august03
なぜそくわん症になるの?
一番、肝心の質問で、そして、一番難しい質問なんです
というのも、なぜ側弯症になるのか、その原因がほとんどまったくわかっていない。というのがこの病気のとても頭の痛いところなのです。
このブログ内の「側弯症基礎知識」等に、類似の説明を書いてますので、そちらも参考にして下さい。
この病気は、たぶん、太古の昔からあったものなのだろうと思います。歴史に書物として登場するのはギリシャのヒポクラテスの書いたものがあり、そういう昔から、あった病気ですが....(大昔は病気とは、すなわち死を意味していたはずですで)効果的な治療法は存在せず、いまに続く装具治療がようやく登場するのは16世紀にはいってからと言われています。次の写真は、googleに scoliosis, brace, venel と入力すると得られる画像のひとつです。身体を曲りをなんとか「止めよう」という試みがこうして始まったわけです。
2014/3/29
august03
2014/4/4
A子ちゃんは、学校でいじめられてませんか?
どうして、「いじめ」ってあるんでしょうね.... 日本だけではなく、ほとんど世界中どこの国にいっても、そして昔からずっと、そしてこどもの世界だけではなく、大人の世界でも、どこにいっても、いつになっても、「いじめ」はあったし、いまもあるし、そして、たぶんこれからもなくならないんでしょうね。病気だからいじめられるのではなく、どんな理由がなくても、いじめは発生するのでしょう。もともと、いじめには理由なんていらないのかもしれません。ヒトの性(さが)というものなのかもしれません。
だからこそ、A子ちゃんにも強くなって欲しい。病気のあのこの為にも、そしてあなた自身のためにも強くなって欲しい。
人生は楽しいことばかりではないけれど、でも、その辛さを上回るとっても楽しいこともある。
そして、何よりも、病気のあのこを支える気持ちのあるあなたの強さは、これからの長い人生を歩んでいくときの、大きな自信になるはず。
自分に自信をもって、背中を伸ばして、上向いて歩いて !
ひとは誰かに褒められたいものです。きっと、あなたの周りの大人は、あなたの友達思いの気持ちをほめてくれていると思う。そして、もしも、もしも、誰もほめてくれなかったとしても、くじけちゃだめ。そんなときは、自分で自分を褒めてあげよう。「わたしってすごいでしょ」「わたしってカッコいいよね」と声にだして、自分で自分を褒めてあげて !
さて、また少しこの側弯症について、お勉強しましょうか。
そくわん症にも、いろいろなタイプがあります。ここではそれらの詳細は省略しますが、このStep by stepの中にいろいろと説明していますので、時間のあるときに読んでみてもいいかも。
ここでは、思春期側弯症、あるいは特発性そくわん症についてだけ、絞って書いています。
最初に、スバリと書いてしまいますが、特発性側弯症の場合、背骨の曲りの進行が早くて、装具で止めることができなかったら、迷わずに手術をすることです。私がこの Step by stepを書きだした 2007年の頃は、ネットを開くと、やたらと「そくわん整体」の宣伝と、手術は怖い怖いという声が大きかったのを思い出します。いまでも、そくわん整体がうごめいているのかもしれませんが、まったく困ったものです。 整体で治るのなら、この世の中から側弯症のこどもはいなくなっているはず。どうして、ああいう嘘を平気で言えるのか、私には信じられません。 病気のこどもをいじめる人たちも困ったものですが、そくわん整体は、別の意味で、困った存在です。
手術がどういうものであるかについても、少しづつ説明をしますが、もし、病気のともだちの背中の曲り.....専門用語でコブ角といいますが......これが40度を超えだしたら、そろそろ手術を検討する時期にきていると考えます。もし50度を超えて、医者から手術を勧められているとあのこが相談してきたら、迷わずに、こう言って下さい。「遅くなる前に手術してしまったほうが楽なんですってよ」と。 大人の側弯の手術と違って、この時期のこどもたちの手術は、合併症も少なく、終わってしまえば、なんだもっと早くやっておけばよかった。と思える範疇なんですよ。
この続きはまた後日にて。(august03)
2014年4月9日
前回は、背骨の曲りについて少しふれました。また「手術を躊躇しないこと」と述べました。
その昔.....このStep by stepを書きだした2007年頃のことですが、その当時は、このように「手術を怖がらないで !」という意見をネットに書きますと、それに対して、四方八方から攻撃の矢が飛んできたものです。いわく「私は手術が失敗して、ひどい目にあった」「手術を勧めるなんて無責任だ」「整体で治るのに、どうして手術をしろと言うのか」「お前は医者でもないのに、何を言ってるんだ」等々と、まさに、非難の嵐でした。 とある有名な整体師からは、匿名ではなく、堂々と俺と勝負しろ、という挑戦状までもらったこともあります。
あの当時は、私もまだ勉強が手探りのこともあり、また確かに、私は医者ではありませんから、どこまでも責任はとれないのだから、あまりストレートな言い方はしないほうがいいだろうと、躊躇していたのも事実です。
あれから数年以上を経て、また私自身がその後何度かの手術を受けたという経験をへて、そして、こういう年齢になると、大げさな言い方ですが、日本の未来に少しでも貢献できるなら、その為に残された時間を使いたい、という思いに駆られていることもあり、今は、ストレートな意見を書くことにしました。
この二枚の写真を見て下さい。 ショックですよね,,,,,,
整体に通って貴重な時間を無駄にすると、こういう状態になってしまうタイプのそくわんがあります。
側弯を治せると語る整体が正しいのなら、この子たちのこのひどい状態も直せるハズですよね ? 治るわけがありません。こういう状態にまで進んでしまうと、生命にかかわってきます。呼吸器系や内臓器官に影響がきますから、死亡します。仮に手術ができたとしても、長くは生きられないでしょう。
A子ちゃんのともだちの背骨の曲りは何度くらいでしょう? もし、装具でも進行が止まらなくて、40度を超えているのなら、そして担当の先生が「手術の検討」を説明しはじめていたときは、A子ちゃん、怖がらずに、ともだちに手術を勧めて下さい。これからの長い人生を楽しく過ごすために、カラオケで思いきっり好きな歌が歌えるように、スポーツで汗を流すことができるように、そして素敵な出会いと、恋をするために、時間を無駄にせず、手術の後押しをしてあげて下さい。
手術を怖がる理由もわかりますので、そのことについても、次回は説明をしたいと思います。
2014/4/9 august03
2014年4月11日 手術は医者(病院)を選ぶことが大切
このStep by stepの過去ログでも何度となく繰り返し述べていますが、手術は誰がやっても同じではありません。つまり、世間でよく言われるように、良い先生(医師)を選ぶことがとても重要です。手術とはテクニックですから、そこには、腕(技術)のうまい、へたが如実にあります。それは、歴然とした「事実」です。 どこの病院の、整形外科医であれば、誰でも側弯症の手術ができるわけでもなければ、また、側弯症の手術をしている、という先生であっても、そこには技術の「差」があります。これは否定しようもなく存在します。
例えば、このふたつのレントゲン写真を見て、どこに違いがあるかわかるでしょうか? 上下のどちらが上手で、どちらが下手かに気づいてもらえれば、医者の腕(テクニック)ということの意味が理解できたことになります。
そうです、上写真の手術はしっかりと骨の曲りが矯正できています。 一方、下写真は、手術で金属インプラント(インスツルメンテーション)を挿入して骨に固定しているにも関わらず、まったく骨の曲りが矯正できていません。これでは何の為にわざわざ手術したのか、その意味がまったくないことになります。 実は下の写真はいまから20年も前の手術のものですので、いまではこんなひどい手術をする先生はいないと思いますが、でも、やはり、大切なのは「腕の良い先生」を探す。ということ20年前であれ、いま現在であれ、10年後でも変わらないことでしょう。
ですから、A子ちゃんにもうひとつお願いしたいのは、もしそくわん症の親友が手術をするしかない、というときになったら、あらためて手術をしてもらう病院(先生)を探す手伝いをしてあげて下さい。いま住んでいるところよりも、少しくらい遠くても、ネット検索をして、患者さんがたの評判を集めて、ここならば、というところを親友と一緒に探してあげて下さい。
......手術については、また引き続いて書いてみたいと思います。
2014/4/11 august03