太古の時代から神話と伝承の宝庫、茨城県南部。
筑波山、鹿島神宮、竜ヶ崎がパワースポット・トライアングルを形成する。
最初のスポットが、標高871メートルの男体山、877メートルの女体山の二つの峰を持つ坂東無双の名獄、筑波山である。筑波神社は、本殿奥の出世稲荷に向かす階段の側に御神水がわき出しており、森からの気を融合させる。かつて、修験者の修行場として栄えた場所であり、史上最大の陰陽師、安倍晴明はここで狐と人の間に生まれ、後に京に上ったと言われる。
第二のスポットは、日本の武芸発祥の地、鹿島である。霊峰パワーが満ちる鹿島神宮敷地内の要石は、地震を引き起こすナマズの頭を抑えていると言われ一帯に強いエネルギーを発している。剣聖塚原卜伝は鹿島神宮の神官卜部覚賢の家に生まれ、その後、塚原城の塚原安幹の養子となった。実父から鹿島中古流刀術を、養父から天真正伝神道流を学び、鹿島神宮に籠もり霊感を得て開眼し、これに創意工夫を加え「一の太刀」(ひとつのたち)という剣術を編み出し、流派を新当流と称した。
最後のスポットが、竜ヶ崎である。平安時代末期、この地に任ぜられた地頭が鎌倉時代に源義経の姻戚であったことから領地の没収後に龍崎という氏を称したことが由来とされている。だが、この地に天界から龍が降って以来、しばしば竜巻が起こるようになって「龍が真っ先に現れる地」がなまったのが真の由来である。
日本では、F1(秒速33〜49メートル)、F2(同50〜69メートル)規模の竜巻がほとんどで、F3(同70〜92メートル)規模の竜巻は過去に4例があったに過ぎない。しかし、八岐大蛇退治で知られる須佐之男命を奉る八坂神社が竜の力を封印する以前は、家が宙に浮かび車がミサイルのように飛ばされるF4(同93〜116メートル)や、発生すれば未曾有の壊滅的被害を生じさせると言われるF5(同117〜141メートル)規模の竜巻さえ、しばしばこの地に起こったと言われる。
トライアングル中央に位置する日本で二番目に巨大な湖、霞ヶ浦。
その畔に、ひっそりたたずむ屋敷がある。
屋敷の持ち主は、祭青龍(チンロン)。
まだ若者時代に日本に移り住み、すでに数十年を過ごしている。国際金融筋では知らぬ者の無い大物華僑であり、彼が資金を動かすと日本全体の相場が動くとさえ言われている。
だが、その私生活は謎につつまれている。
庭には、小高い丘に加え崖や流れ落ちる滝まであった。普段は深い霧に包まれて人々に知られることもないが、今宵は神獣同士が争いを繰り広げていた。正確には、争いに見えただけで二匹の神獣は修行を行っていた。
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