語り部のアヴァンです!
極厚版で読んできた小野不由美先生原作、藤崎竜先生作画『屍鬼』ですが、途中からどんどん夢中になり、最後は読み終わって放心状態。本当に傑作ですね。
文学批評の入門書を読むと、吸血鬼モノの最高傑作『ドラキュラ』は、複数の読み解きが可能だと書いてあります。それぞれの読み解きが、『屍鬼』にもあてはまるような気がします。
最初が、精神分析批評の観点で、フロイトの理論を応用すると、抑圧された無意識、あるいは性愛の快楽と恐怖の物語です。『屍鬼』でも、血を吸われた犠牲者たちが、悦楽を感じたり、生ける死者となった犠牲者に自由奔放に振る舞う人たちがいました。
第二が、隠喩分析の方法論を用いれば、物語をマルクス主義的な階級闘争のメタファーと解釈することもできます。つまり、自分自身はあくせく働くことなく、人間の生き血を吸って生きる屍鬼が「資本家」で、犠牲者達を「労働者」と考える見方です。
最後が、イデオロギー批評の方法論に基づけば、社会的・文化的背景から吸血鬼の王を他者の問題からとらえることもできます。『屍鬼』をお読みになっている方ならお分かりだと思うのですが、若く未成熟な「王」であり「他者」として苦しむ沙子(すなこ)にまつわる言説が、これに当てはまると思います。
『屍鬼』に関しては、もう少し話したいことがあるのですが、時間が来てしまいました。これから仕事に行ってきます。
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最初が、精神分析批評の観点で、フロイトの理論を応用すると、抑圧された無意識、あるいは性愛の快楽と恐怖の物語です。『屍鬼』でも、血を吸われた犠牲者たちが、悦楽を感じたり、生ける死者となった犠牲者に自由奔放に振る舞う人たちがいました。
第二が、隠喩分析の方法論を用いれば、物語をマルクス主義的な階級闘争のメタファーと解釈することもできます。つまり、自分自身はあくせく働くことなく、人間の生き血を吸って生きる屍鬼が「資本家」で、犠牲者達を「労働者」と考える見方です。
最後が、イデオロギー批評の方法論に基づけば、社会的・文化的背景から吸血鬼の王を他者の問題からとらえることもできます。『屍鬼』をお読みになっている方ならお分かりだと思うのですが、若く未成熟な「王」であり「他者」として苦しむ沙子(すなこ)にまつわる言説が、これに当てはまると思います。
『屍鬼』に関しては、もう少し話したいことがあるのですが、時間が来てしまいました。これから仕事に行ってきます。
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