今日、カルロ・マリア・ジュリーニ指揮、バイエルン放送交響楽団によるミサ曲ロ短調(SonyMusicJapan:SICC263-4)を聞いてみました。この曲はバッハが最晩年の1748年8月に完成した大曲で、バッハの作曲技法の集大成と考えられています。バッハは38歳(1723年)から死去する65歳(1750年)するまでライプチッヒにある聖トーマス教会のカントールでありましたが、当初からライプチッヒ市当局と仲が悪く、その事態を改善すべく、君主であるザクセン選帝侯フリードリッヒ・アウグスト2世に<ドレスデン宮廷作曲家>の称号を得るため1733年にこの曲の第1部のミサの部分を献呈しています。彼の他の宗教曲がドイツ語で書かれているのに対して、この曲だけはラテン語で書かれているのは、ドレスデンがローマ・カトリック教であったためと考えられています。ジュリーニ指揮のミサ曲ロ短調はゆったりとしたテンポで厳かに進行しています。演奏時間もTotalで127分18秒です。
私の好きなミサ曲ロ短調はThomas Hengelbrock指揮、Freiburger Barockotchesterによる演奏です(DHM:05472 77380 2, 1997,BMG Music)。この演奏は、すか~っとした天空に抜けるような響きで、爽快感があります。是非このCDも聞いてみて下さい。