最近、フーガの技法を久しぶりに聞いてみました。というのも、お店でピエール=ロラン・エマール(ピアノ)の「フーガの技法」(ユニバーサル:UCCG 1386)(08.1.23)が発売されていて、思わず買ってしまったからです(最も左のCD)。この曲については、今更、素人の私が解説するまでもないと思います。この曲には楽器の指定はないのですが、確か本で読んだ記憶では、バッハは鍵盤楽器を意図してこの曲を作曲したのではないかと推測されているようです(間違っていたらすみません....)。 ただ、個人的には弦楽器で演奏した方が深遠な雰囲気が良く出て、各声部も良く聞き分けることが出来て好きです。ピエール=ロラン・エマールのピアノ演奏が良いかどうかは私には分かりませんが、オーソドックスな演奏のように思います。その他、管弦楽器で演奏したCDには、左から2番目の「ザール放送室内管弦楽団」(Erato:WPCS-22073/4、録音:1963年頃)、左から3番目の「エマーソン弦楽四重奏団」(ユニバーサル:UCCG 1175、録音:2003年)、左から4番目の「カール・ミュンヒンガー指揮/シュツットガルト室内管弦楽団」(KING:210E 1173/4、録音:1965年)です。他にも沢山ありますが、すぐ手元にあったものを載せてみました。
私がこの曲を始めて聞いたのが、一番右端の「カール・ミュンヒンガー指揮/シュツットガルト室内管弦楽団」のフーガの技法で、このイメージがずーっと残っており、この演奏が最もお気に入りで、他の演奏を聴くといつもこの演奏と比較してしまいます。この演奏を超える演奏は私にはまだありません。ピアノ、チェンバロ、オルガンによる演奏もそれなりにいいのですが、若い時に聞いたこのCDの深遠な素晴らしい演奏が未だに忘れずにいます。目が悪くなり(糖尿病からきた白内障でしょうか?)、口述筆記をしながら作曲していたであろうバッハの姿を想像すると思わず心がジーンとして、涙が出そうになります。