筋書きのないドラマ、筋書きのあるドラマ

ロッテ戦を中心に、野球を好き勝手な視点から見るブログ

桑田真澄 in スマスマ

2008-09-26 17:46:50 | 野球

先日のビストロのゲストは、桑田真澄さんだった。

高校野球の名門PL学園で一年生からエース。でも私が強烈に印象に残っているのは、二年生の時、決勝で負けて準優勝となった際、他の選手が泣いているのに桑田一人平然と準優勝旗(だと思う)の掲揚作業をしていたこと。図太いというか大物というか、そんな風に思ったものだ。

後に巨人に入ってからも、私の中では彼のイメージは高校球児のままだった。ツーアウトを獲れば外野に人差し指と小指を立てて合図。チェンジの時には全力疾走でベンチへ帰る。打席へ入れば野手顔負けのバッティング。プロでは珍しいこれらの行動を、気持ちいいと思って見ていた。

ビストロで、稲垣くんが「ワイン好きと聞きまして」とワインを用意すれば、すごい知識を披露。木村くんが「ピアノを弾かれるんですよね」と振れば、最初に曲として弾いたのはイマジンと言う。多趣味だな、と思ったら、これらは全て野球につながっていた。ワインは体にいいと耳にした、ピアノはケガをした腕のリハビリに効く。だから取り入れたと言う。

なぜ桑田選手がずっと高校球児のイメージだったのか、このときわかった。彼の行動の全ては「野球が大好き。だから全力で一生懸命やる」という単純明快な根っこがあったからなのだと思った。

昔何かで読んだ。うろ覚えだが、巨人のコーチは桑田には指示をしないというような話。なぜならば、桑田は自分の実力、鍛え方、足りない物を知り尽くし、自分で方法を考える。最初にノート一杯にトレーニングメニューだかを書いて「これでいいですか」とコーチに持っていったというようなことだった。以来、桑田は放っておいても大丈夫、と判断されたのだとか。まさに最初から全力で一生懸命。

現役終盤のパイレーツ時代の桑田を見ても、その根っこは健在だったとわかる。そして今も、スマップと共に楽しそうにボールを投げる姿からもそれは伝わってきた。

『好きなことを仕事に出来ることは幸せだ』『好きなことを仕事にすると大変だ』。相反するこの二つはよく言われる。現にプロ野球選手でも誰だったか「プロに入ってから野球を好きだと思ったことはない」との発言を聞いたことがある。

ずっと野球を好きであり続けた桑田選手は凄い。そのためにした数々の努力も凄い。そして何よりその姿から私達にも「頑張ろう」という勇気をくれたことが、とても凄い