ケン・ヘンズレー Kenneth William David "Ken" Hensley
【パート】
オルガン、キーボード、ギター、ヴォーカル
【生没年月日】
1945年8月24日~2020年11月4日(75歳没)
【出生地】
イングランド ロンドン
【経歴】
Kid & The Saracens(1963~1965)
The Jimmy Brown Sound(1965~1967)
ゴッズ/Gods(1967~1969)
クリフ・ベネット・バンド/Cliff Benett Band(1969)
トー・ファット/Toe Fat(1969)
ヘッド・マシーン/Head Machine(1969)
スパイス/Spice(1969)
ユーライア・ヒープ/Uriah Heep(1969~1980)
Shotgun(1981)
Ken Hensley Band(1981~1982)
ブラックフット/Blackfoot(1982~1985)
Ken Hensley & Visible Faith(1999)
Hensley Lawton Band(2000~2001)
Ken Hensley/John Wetton(2001)
Ken Hensley & Free Spirit(2002)
Ken Hensley & The Viking All-Stars Band(2005)
Ken Hensley & Live Fire(2006~)
ケン・ヘンズレーはイギリスのキーボード奏者。
ハード・ロック・バンド「ユーライア・ヒープ」の初代キーボード奏者として知られている。
ユーライア・ヒープ在籍時はオルガン、ギター、ソングライターとしてバンドを支えた。
ヘンズレーは、ロンドン南東のプラムステッドで生まれ、ハートフォードシャー州スティーヴニッジで育った。
12歳の時に、バート・ウィードンの教則本でギターを弾き始める。
1960年、従兄弟たちと組んだ「The Blue Notes」というバンドにギタリストとして参加する。The Blue Notesは、その年9月にスティーヴニッジのメントモア・ペン・ファクトリーで演奏したが、これがヘンズレーの初めてのステージ体験である。その後は「The Blue Stars」「Ken & The Cousins」などというバンド名で活動を続ける。
1963年、「Kid & The Saracens」のメンバーとなる。これがヘンズレーのプロ・ミュージシャンとしての始まりである。このバンドにはすでにギタリストが2人いたため、ヘンズレーはキーボードを担当することになった。
Kid & The Saracensはベン・E・キングのイギリス公演で彼のバック・バンドを務めることになったこともあったが、結局これは実現しなかったという。
1967年、ミック・テイラー(guitar, のちローリング・ストーンズ)やジョン・グラスコック(bass, のちジェスロ・タル)らとともに、自身がリーダーのバンド「ゴッズ」を結成する。
ゴッズにはその後ベースにポール・ニュートンやグレッグ・レイクが、ドラムにリー・カースレイクが在籍している。
1968年10月には、ヘンズレー(vocal, keyboard, guitar)、ジョー・コーナス(guitar, vocal)、ジョン・グラスコック(bass)、リー・カースレイク(drums)というメンバーで、デビュー・アルバム『ジェネシス』を発表。
しかし1969年2月には、アルバム1枚(解散後にセカンド・アルバムを発表)、シングル3枚(解散後に4枚目のシングルを発表)を残してバンドは解散した。
この後ヘンズレーは、親交のあったクリフ・ベネット(vocal)のバンドに加入し、シングル「Memphis Streets」の録音に参加(同年6月リリース)した。
このバンドは、同年6月にジョン・グラスコック(bass)とリー・カースレイク(drums)という、いずれもゴッズの元メンバーを加え、「トー・ファット」として活動を開始する。
1969年11月にトー・ファットを脱退したヘンズレーは、ゴッズの元メンバーらとともに覆面グループ「ヘッド・マシーン」名義でのアルバム制作を企画し、11月から12月にかけてアルバム『Orgasm』を制作する。
1969年12月、キーボード奏者を必要としていた「スパイス」に加入。
スパイスは、ゴッズ時代のバンド・メイトであるポール・ニュートンが在籍していたバンドで、その他のメンバーは、ミック・ボックス(guitar)、デヴィッド・バイロン(vocal)、アレックス・ネピアー(drums)だった。
ヘンズレーの加わったスパイスは、プロデューサー兼マネージャーのジェリー・ブロンの提案で「ユーライア・ヒープ」と改名する。
ユーライア・ヒープは1971年に発表したアルバム『対自核』でブレイクすると、続く『悪魔と魔法使い』『魔の饗宴』と立て続けにヒット・アルバムを発表し、ディープ・パープルやブラック・サバスと並ぶ世界的なハード・ロック・バンドとして認知されるようになった。
ヘンズレーは、ユーライア・ヒープではキーボードとギターを担当したほか、メインのコンポーザーとして多くの代表曲を書いている。バンド最大のヒット曲であるシングル「安息の日々」(全米39位、1972年)もヘンズレーのペンによるものであるが、この曲は移動中の車の中で誰かが発した「これって悠々自適な生活だね」という言葉をきっかけに、わずか15分で書き上げたという。
オルガン奏者としてのヘンズレーは、ジョン・ロード(ディープ・パープル)らと並ぶ1970年代のハード・ロック界を代表するオルガニストとして人気を博した。時には音色を歪ませた彼のハモンド・オルガンは、重厚なヒープ・サウンドには欠かせないものであった。
全盛期を迎えたユーライア・ヒープにあって、ヘンズレーはミック・ボックスやデヴィッド・バイロンらとともに主要メンバーとしてをバンドを支えていたが、1979年に加入したジョン・スローマン(vocal)のパフォーマンスに対して抱えていた不満が大きくなり、それが原因となって11年在籍したヒープを去るのである。アルバム『征服者』発表直後の1980年9月のことであった。
ユーライア・ヒープ脱退後、ヘンズレーは拠点をアメリカに移し、「ケン・ヘンズレー・バンド」を組んでソロ活動を展開する。
ヘンズレーはすでに1970年代にソロ・アルバムを2枚(1973年『誇り高き言霊』、1975年『愛と苦悩』)と、ソロ・シングル1枚(1975年『In the Morninng』)をリリースしており、1981年には3枚目のソロ・アルバム『フリー・スピリット』を発表した。
1982年にはフロリダのバンド「ブラックフット」に参加、1985年まで在籍。
1985年からは音楽活動を休止してミズーリ州セントルイスに居住していたが、1989年に「W.A.S.P.」のアルバム『The Headless Childrenn』で第一線に復帰、活動を再開する。
1990年には「シンデレラ」のサード・アルバム『ハートブレイク・ステーション』にゲスト参加。
2000年にはユーライア・ヒープ時代のバンド・メイト、ジョン・ロートンとのバンド「ヘンズレー・ロートン・バンド」を結成。
2001年12月7日、ロンドンのシェパーズ・ブッシュ・エンパイアで行われた「マジシャンズ・バースデイ・パーティ」でジョン・ロートン(vocal)とともにユーライア・ヒープのステージに客演した。このコンサートはアルバム『真・魔の饗宴〜ライヴ2001』としてリリースされている。
2002年にはジョン・ウェットンとのコラボレーション、21年ぶりのソロ・アルバム『Running Blind』をリリース。またこの年にはデイヴ・キルミンスター(guitar)、アンディ・パイル(bass)、ピート・ライリー(drums)と自己のバンド「ケン・ヘンズレー & フリー・スピリット」を結成するなど、精力的な活動を続けた。
2006年には新たな自己のバンド「ケン・ヘンズレー & ライヴ・ファイア」を結成したほか、2007年と2012年にはグレン・ヒューズとコラボレーションしている。
2013年には、ユーライア・ヒープ時代の1973年以来、40年ぶりに来日して、5月28日~29日に高田馬場AREAでライヴを行った。
2020年11月4日、家族に看取られながら、スペインの自宅で死去。75歳であった。
2021年3月には、遺作となるソロアルバム『My Book of Answers』が発表されている。
【ディスコグラフィ】(☆=ライヴ・アルバム ★=コンピレーションアルバム)
<ソロ・アルバム>
1973年 誇り高き言霊/Proud Words on a Dusty Shelf 全豪57位
1975年 愛と苦悩/Eager to Please
1980年 フリー・スピリット/Free Spirit
★1990年 The Best of Ken Hensley
★1994年 From Time to Time
1999年 A Glimpse of Glory
★2000年 Ken Hensley Anthology
2002年 Running Blind
2003年 ザ・ラスト・ダンス/The Last Dance
★2004年 ザ・ウィザーズ・ダイアリー・ヴォリューム・ワン/The Wizard's Diary Vol. 1(※CD&DVD)
2005年 Cold Autumn Sunday
★2006年 Elements – Anthology 1968 To 2005
★2006年 Inside the Mystery
2007年 Blood on the Highway
2012年 Love & Other Mysteries
☆2013年 Live Tales
★2018年 Rare & Timeless
2021年 My Book of Answers(※遺作)
<ゴッズ>
1968年 ジェネシス/Genesis
1970年 トゥ・サミュエル・ア・サン/To Samuel a Son
1976年 The Gods Featuring Ken Hensley
<トー・ファット>
1970年 Toe Fat
<ヘッド・マシーン>
1970年 Orgasm
<ユーライア・ヒープ>
1970年 ユーライア・ヒープ・ファースト/...Very 'Eavy ...Very 'Umble US186位、日本41位
1971年 ソールズベリー/Salisbury US103位、日本47位
1971年 対自核/Look at Yourself UK39位、US93位、日本5位
1972年 悪魔と魔法使い/Demons and Wizards UK20位、US23位、日本28位
1972年 魔の饗宴/The Magician's Birthday UK28位、US31位、日本43位
☆1973年 ユーライア・ヒープ・ライヴ/Uriah Heep Live UK23位、US37位、日本22位
1973年 スイート・フリーダム/Sweet Freedom UK18位、US33位、日本45位
1974年 夢幻劇/Wonderworld UK23位、US38位、日本76位
1975年 幻想への回帰/Return to Fantasy UK7位、US85位、日本74位
★1976年 ベスト・オブ・ユーライア・ヒープ/The Best of Uriah Heep US145位
1976年 ハイ・アンド・マイティ/High and Mighty UK55位、US161位
1977年 ファイアフライ/Firefly、US166位
1977年 罪なきいけにえ/Innocent Victim
1978年 堕ちた天使/Fallen Angel US186位
1980年 征服者/Conquest UK37位
☆1986年 Live at Shepperton '74
☆1986年 Live in Europe 1979
★1993年 The Lansdowne Tapes
★1996年 A Time of Revelation(※CD-BOX)
☆1997年 Live in San Diego 1974
☆2002年 真・魔の饗宴〜ライヴ2001/The Magician's Birthday Party(※スペシャル・ゲストとして参加)
ユーライア・ヒープ1973 左からミック・ボックス、デヴィッド・バイロン、ゲイリー・セイン、ケン・ヘンズレー、リー・カースレイク
<ブラックフット>
1983年 革命と反乱/Siogo US82位
1984年 ヴァーティカル・スマイルズ/Vertical Smiles US176位
☆1998年 キング・ビスケット・ライヴ/King Biscuit Flower Hour Presents Blackfoot Live 1983
<ヘンズレー・ロートン・バンド>
☆2001年 The Return
☆2001年 Salisbury Live
<ケン・ヘンズレー & ジョン・ウェットン>
☆2002年 More Than Conquerors
☆One Way Or Another
<ケン・ヘンズレー & ライヴ・ファイア>
2011年 Faster
☆2013年 Live Fire
2013年 Trouble
☆2019年 Live In Russia
<参加アルバム>
1971年 Weed...!(Weed)
1975年 テイク・ノー・プリズナーズ/Take No Prisoners(デヴィッド・バイロン)
1989年 The Headless Children(W.A.S.P.)
1990年 Heartbreak Station(Cinderella)
1999年 Midnight Daydream(Bruce Cameron)
2004年 The Human Equation(Ayreon)
2007年 Gothic Kabbalah(Therion)
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