(天野節子著)
★★★★★(ベアの満足度)
じっくりミステリーに向き合った
満足の一冊。
社長の誕生日のお祝いの会で謎の死。
次々と人が死んでしまう。
自殺なのか、犯人はあの人なのか、
引き込まれ、読み続けずにはいられない小説。
本の新しい面を見せてもらった。
いままでに読んだことのない「演出」
とでも言ったらいいだろうか。
プロローグで事故が起きる。
その結果は、明かされることがないから、
ずっと心にひっかかり続ける。
結果があり、その過程があかされる構造。
小説とは、すべてを書かなくてもいいんだ。
書いていなければ、想像することもできない。
犯行のシーンでも、
登場人物の名前を伏せてしまえば、
被害者の対応でしか、
犯人を感じることができない。
今まで、どれほど親切な文章にばかり
触れていたのだろう。
主人公は誰なのだろうか?
それすらもわからない?
すべてはエピローグで明かされる。
よくこれだけの伏線の帳尻があったと
読んだシーンが頭の中を駆け巡る。
これだけのどんでん返しを
どうドラマ化するのだろうか?
楽しみです。