ベア日記

幸せ。嬉しい。楽しい。美味しい。 心が動いたことを綴っていきます。

「目線」

2010-11-26 19:00:10 | 読書

(天野節子著)
★★★★★(ベアの満足度)

じっくりミステリーに向き合った
満足の一冊。

社長の誕生日のお祝いの会で謎の死。
次々と人が死んでしまう。
自殺なのか、犯人はあの人なのか、
引き込まれ、読み続けずにはいられない小説。

本の新しい面を見せてもらった。
いままでに読んだことのない「演出」
とでも言ったらいいだろうか。

プロローグで事故が起きる。
その結果は、明かされることがないから、
ずっと心にひっかかり続ける。

結果があり、その過程があかされる構造。

小説とは、すべてを書かなくてもいいんだ。
書いていなければ、想像することもできない。

犯行のシーンでも、
登場人物の名前を伏せてしまえば、
被害者の対応でしか、
犯人を感じることができない。

今まで、どれほど親切な文章にばかり
触れていたのだろう。

主人公は誰なのだろうか?
それすらもわからない?

すべてはエピローグで明かされる。
よくこれだけの伏線の帳尻があったと
読んだシーンが頭の中を駆け巡る。

これだけのどんでん返しを
どうドラマ化するのだろうか?
楽しみです。