北区つかこうへい劇団@滝野川会館
団鬼六さんの原作につか先生が感動し、
実現された芝居。
もういない、その現実が辛くって、
劇場へ向かう足が止まってしまっていたけど、
「飛龍伝」で、北区に行けば、大丈夫とわかり、楽しみでした。
それでも、つか先生が指示された最後の一作。
これを観ることが、1つの節目となりそうで少し怖い。
しか~し、いきなりあのシーンからですか。
すべてふっとびました。
エロさ全開の白黒ショーです。
読書中、頭の中で場面が動いてます。
それを同じ場面が舞台の上で再現。
後で考えると、舞台上には階段しかなかったのに...
想像力が刺激されました。
簡単に言うと、特攻隊と慰安婦(?)の話。
大尉の大切な八重子さんを、
特攻後、中尉に、少尉に...と順番に託していく話。
智恵さん、はまり役でした。
彼女の体当たりの芝居は、卒業公演のときから
変わらずです。
あの根性なくして、この舞台はなかったでしょう。
守られていたはずの八重子さんの母性は、
広く大きく包み込むようでした。
大尉の奔放さ、中尉の純情、少尉の若さ、
3人とも原作通りで、北区の役者さんは本当に素晴らしい!
中尉の杉山さんとのドキドキする穏やかな時間が
好きでした。
ラストの「生きていく」の台詞が耳の残ります。
このハッピーエンドさが、共通点かもしれません。
懸命に生きようとする姿、
人と思いやる心、いろんなことに涙が止まりませんでした。
とにかく生きねばなのです。
あ~もう一回みたいなあと後ろ髪ひかれる思いで、
駅へ向かうのは、何度目でしょう。
それでも、やっぱりもう一度と思う名作でした。