ダイアリー・オブ・カントリーミュージック・ライフ

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Rodney Atkins 「If You're Going Through Hell」

2007-09-30 | カントリー(男性)
 コメントも頂きましたとうり、ほぼ1ヶ月先となったCMA Awardで、Horizon AwardにノミネートされたRodney Atkins。Winnerの有力候補です。というのも、この2006年の3枚目「If You're Going Through Hell」からのシングル3曲が全てビルボード・カントリー・チャートの1位を獲得。そのブレイクの仕方は凄い。カウボーイ・ハットではなく、ツバをグニャっと曲げたキャップをかぶるというキャラも、かつて無くカジュアルでユニークなイメージ、ここらの新鮮さも功を奏したのでしょう。

 

 音的には、良く練り上げられたポップ・カントリー・サウンドのオン・パレード。それは、90年代後半からナッシュビルがその技術とセンスとプライドで磨きに磨いてきた、ノウハウの詰まったクロスオーバー・サウンドです。その上に、結構たくましく、野太いカントリー・ボイスが力強く乗っています。その声質のおかげで、ただのポップで終らない芯があるのです。スローでも聴かせるのですが、やはりRodney持ち味はアップ・テンポのノリの良さ。シングル第1弾"If You're Going Through Hell"でのエレキ・ギターとカントリーのアコースティック楽器(フィドル、バンジョー)の絶妙なバンド・アンサンブルや、キャッチーなリフとメロディの組み合わせは、とにかく掛け値なしに楽しい。また、"Watching You"のイントロは、ブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen )の"明日なき暴走(Born To Run)"を思い出させるような快調なもので、聴き手をグイグイ引き込んでいきます。そして、この夏にNo.1に輝いた"These Are My People"はアイリッシュ風フィドルに導かれるリフが曲の骨格となる、チョッとノベルティで、軽妙な楽しさのある曲です。異色なのが、"Cleaning This Gun"。ヘヴィなスロー・ミディアム曲をブルージーに歌い上げていて、ポップだけではない彼のコアな魅力を見せてくれていますね。

 彼のライブ演奏が、CMT.comのUnplugged at Studio 330で楽しめます。アコースティックな編成という事で、Rodneyのボーカルがジックリ堪能できる演奏です。生歌で聴くと、結構温かみを感じる歌声ですね。それにしても、デカイ人だなぁ。

 

 1969年、テネシー州はKnoxville生まれ、養子だったそうです。幼少の頃は大変病弱(現在の風貌からは想像できないですけれど・・・)で、2組のカップルにいったんは引取られるものの諦めて返されてしまっています。最終的には、3組目の苦労人の夫婦に引取られました。学生時代は、心理学を専攻していたので、単位を取る為に臨床カウンセラーとして働いた事も。その学生時代からナッシュビルにはライブの為に出入りしていて、売り込んでいました。そして1997年にCurbと契約し、早速デビュー・アルバムをレコーディングしましたが、Rodneyはその出来に満足していませんでした。その後6年もの間、日の目を見ないレコーディングを繰り返した後、ようやく2003年にセカンド・アルバムをリリース。しかし真のブレイクには、2006年の「If You're Going Through Hell」まで待たなくてはならなかったのです。

RodneyのMySpaceサイト→ http://www.myspace.com/rodneyatkins


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