Brad Paisleyの待望の5作目(クリスマス・アルバムを入れると6作目)。タイトルがまず良い!(直訳してしまうと「5速」・・・)意味深な小細工なしに洒落てて粋で、彼らしい一撃のワン・フレーズ。ジャケットもいいですね。ローリング・ストーンズ好きの私としては、個人的にはストーンズのベスト・ライブ・アルバムと思っている「Get Yer Ya-Ya's Out!」のジャケットの影響?と言いたくなるのですが、少しは意識したでしょうが、あまり関係ないでしょう。
●2009年の8作目「American Saturday Night」のレビューはコチラ●
●2008年の7作目「Play」のレビューはコチラ●
オープニングの”ジャーラーン”、待ちに待った聞き手の思いに答える心憎い演出で、ギタリストである彼のアイデンティティを感じさせます。オープニング・ナンバーは、アルバムタイトルともかけた"All I Wanted Was a Car "。実に快調な曲で、彼のファルセットをフィーチャーしたコーラスは、ウェスト・コースト・サウンドを感じさせます。その次は既にファースト・シングルとしてヒットしているミディアム・テンポ"Tips"。前作の"The World"でも聴かれたイコライジングの効いたギターのカッティングがアクセント。小気味良いノリが病みつきになります。例の産業ロック的ギターでもなく、ストレート・カントリーにもなじむ、絶妙な音色では?1980年代のヒーロー、プリンス(Prince)がギターでオリジナルなサウンドを出すのは大変なのだ、と言っていましたが、Bradがさりげなく新しいギターサウンドを生み出したってとこでしょう。
このアルバムのプロモーションの為、6月13日にシカゴのDuPage 飛行場の格納庫で、100人ほどのファンを集めて特別なアコースティック・ライブをやったようですが、続く3曲はそこで演奏されました。まず、Bradから次のシングルとの紹介があったのが3曲目”Online"。これもアップテンポのロッキン・カントリー。インターネットでMySpaceに入れ込んでいるような人たちを歌ったようで、「俺はSF大好きで、ちょっと喘息ぎみで2塁ベースまでたどり着いたことがない・・・」とちょっとイジメが過ぎない?という歌詞なんですが、終盤のコーラスでゴスペル調で盛り上げたりラストは突如マーチング・バンドでクロージングするユーモアで中和しています。面白い!Brad のルーツ回帰はPre・ジャズまで行った!?ライブで観客がしんみり聞き入ったのが、4曲目の"Letter to Me"。17歳の頃に自分に対して手紙を出す、というBrad 単独作のバラード。 次の"I'm Still a Guy"はワルツの佳曲。オープニングのオルゴールで前曲に引き続きしんみり始まったかと思うと 、彼のエレキギターが切れ込んできて、へヴィなリズムに。ブレイクでのチューバもアクセントです。本当にアイデアがいっぱい。
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これまでで既にマイッタ状態。よくぞここまで良い素材を集め、練り上げましたねぇ。キャリー・アンダーウッド(Carrie Underwood)とのデュエット曲"Oh Love"も悪くないですが、私的には小さい。これはその内ヒットするかな。あと、Vince Gillも1曲で歌っています。ゴージャス。しかしそのような事よりも、アルバム・トータルとしてカントリー・ミュージックの威信をかけ、英知とセンスとユーモアを結集して作り上げられた好盤、と思いました。音的には幾分ハードに、そしてスケールが増しています。歌詞的には、先の"Letter to Me"のような、ちょっと若かりし頃の自分を振り返るようなものが多いそうです。
Alan Jacksonも歌っていたセイクリッド曲"When We All Get to Heaven"が歌われていますが、彼はいつもトラディショナルなカントリー・ファン層が持つこのような信心深さへの対応を欠かす事がありません。 そして同時に、現在の圧倒的マジョリティの支持を得る、他の誰にも出来ない旬のサウンドを出せる事がBrad Paisleyの素晴らしさなのだと、改めて感じます。そうして、また彼はアメリカ中のファンを楽しませる為に、本作を引っさげてアリーナ・ツアーへ向かうのです。
●BradのMySpaceページはコチラ → http://www.myspace.com/bradpaisley●
「Get Yer Ya-Ya's Out!」
●2009年の8作目「American Saturday Night」のレビューはコチラ●
●2008年の7作目「Play」のレビューはコチラ●
オープニングの”ジャーラーン”、待ちに待った聞き手の思いに答える心憎い演出で、ギタリストである彼のアイデンティティを感じさせます。オープニング・ナンバーは、アルバムタイトルともかけた"All I Wanted Was a Car "。実に快調な曲で、彼のファルセットをフィーチャーしたコーラスは、ウェスト・コースト・サウンドを感じさせます。その次は既にファースト・シングルとしてヒットしているミディアム・テンポ"Tips"。前作の"The World"でも聴かれたイコライジングの効いたギターのカッティングがアクセント。小気味良いノリが病みつきになります。例の産業ロック的ギターでもなく、ストレート・カントリーにもなじむ、絶妙な音色では?1980年代のヒーロー、プリンス(Prince)がギターでオリジナルなサウンドを出すのは大変なのだ、と言っていましたが、Bradがさりげなく新しいギターサウンドを生み出したってとこでしょう。
このアルバムのプロモーションの為、6月13日にシカゴのDuPage 飛行場の格納庫で、100人ほどのファンを集めて特別なアコースティック・ライブをやったようですが、続く3曲はそこで演奏されました。まず、Bradから次のシングルとの紹介があったのが3曲目”Online"。これもアップテンポのロッキン・カントリー。インターネットでMySpaceに入れ込んでいるような人たちを歌ったようで、「俺はSF大好きで、ちょっと喘息ぎみで2塁ベースまでたどり着いたことがない・・・」とちょっとイジメが過ぎない?という歌詞なんですが、終盤のコーラスでゴスペル調で盛り上げたりラストは突如マーチング・バンドでクロージングするユーモアで中和しています。面白い!Brad のルーツ回帰はPre・ジャズまで行った!?ライブで観客がしんみり聞き入ったのが、4曲目の"Letter to Me"。17歳の頃に自分に対して手紙を出す、というBrad 単独作のバラード。 次の"I'm Still a Guy"はワルツの佳曲。オープニングのオルゴールで前曲に引き続きしんみり始まったかと思うと 、彼のエレキギターが切れ込んできて、へヴィなリズムに。ブレイクでのチューバもアクセントです。本当にアイデアがいっぱい。
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これまでで既にマイッタ状態。よくぞここまで良い素材を集め、練り上げましたねぇ。キャリー・アンダーウッド(Carrie Underwood)とのデュエット曲"Oh Love"も悪くないですが、私的には小さい。これはその内ヒットするかな。あと、Vince Gillも1曲で歌っています。ゴージャス。しかしそのような事よりも、アルバム・トータルとしてカントリー・ミュージックの威信をかけ、英知とセンスとユーモアを結集して作り上げられた好盤、と思いました。音的には幾分ハードに、そしてスケールが増しています。歌詞的には、先の"Letter to Me"のような、ちょっと若かりし頃の自分を振り返るようなものが多いそうです。
Alan Jacksonも歌っていたセイクリッド曲"When We All Get to Heaven"が歌われていますが、彼はいつもトラディショナルなカントリー・ファン層が持つこのような信心深さへの対応を欠かす事がありません。 そして同時に、現在の圧倒的マジョリティの支持を得る、他の誰にも出来ない旬のサウンドを出せる事がBrad Paisleyの素晴らしさなのだと、改めて感じます。そうして、また彼はアメリカ中のファンを楽しませる為に、本作を引っさげてアリーナ・ツアーへ向かうのです。
●BradのMySpaceページはコチラ → http://www.myspace.com/bradpaisley●
「Get Yer Ya-Ya's Out!」
英語教育を主催されてるとの事で、カントリー文化や歌詞の解釈(と、私の誤訳!?)など、アドバイスいただけたら嬉しいです。私もカントリーを聴き始めた頃、Alabamaは良く聴きました。最近、ランディ・オウェンがビッグ&リッチのドン・リッチのプロデュースでソロ・アルバムを出すらしい(出したのかな?)ですよ。
Brad Paisleyは2回来日していて、なかなか表に出ませんが、ファンはそこそこいると思いますよ。
ちょっと事情により更新が滞っていますが、また再開しますので、今後ともよろしくお願いいたします。
今日は久しぶりにアルバムを買いました。
KeithのGreatest HitsとBradの5th Gearです。最近はダウンロードが多かったので久しぶりにCDを買うと不思議な感じです。でも好きなアーチストはアルバムが欲しいですよね。
小生のブログにリンクさせていただきました。英語好き、釣好きの人がカントリーをもっと好きになってくれるとうれしく思います。
Happy trails!
ナチュラルなアクティビティの釣りとカントリーを繋げるのは良いですね(私、釣りは出来ないんですけれども・・・)。巷でここに来て「エコ」が言われていますが、そういうナチュラル志向とカントリーを、何とか関連付けれないかと思っています。多少強引でも良いと思います。
そして、英語の勉強にカントリーは最適と思います。カントリーの歌詞で面白いものがありましたら、また教えてください。
ブラッド・ペイズリーは、クリスマス・アルバムの含めると、計7枚のオリジナル・アルバムをリリースしています。爽快なアップテンポナンバーがお好きなら、この「5th Gear」が良いでしょうね。ナイスなスロー・バラード曲が多く、トータル・バランスがグッドなのが、「Time Well Wasted」です。まずはこの2作が良いと思います。初期の作品は、オーソドックスなカントリーらしさが魅力ですが、テイラーからカントリーにお入りになったのなら、上記2作から聴かれるのが良いと思います。
テイラーをキッカケにブラッドにご興味をもたれた事が、大変嬉しいです。是非楽しんでください。
カントリーは味わいが合っていいですね!最近テイラーの1枚目ばっか聞いてます。普段ロックがメインなんで新鮮です。これからカントリーを深めてこうと思うのでまたわからないことがあったらヨロシクお願いします!
ブラッド.ペイズリーの新作を心待ちにしていますが、その前に変なベスト版(?)が出たようです。ヒット曲でないものも半分ぐらい含まれてるような・・・よろしければ少し解説をお願いします。
「Playlist: The Very Best of Brad Paisley」ですね。このリリース元のLegacy Recordingsはソニー系列の再発売モノを主としたレコード・レーベルです。ソニー傘下なので、カントリーではArista Nashville、BNA、Columbia Nashville、RCAなどのレーベルがソースになります。ブラッドはAristaですね。あと、RCAのマルティナ・マクブライドでも最近出ているようです。
ブラッド版Playlist、確かに妙な選曲ですね。アルバムとしてはデビュー盤から「Mud on the Tires」までの3枚から選ばれてるのと、それ以外にサントラやトリビュート盤への客演曲、シングルのB面(今は何て言うのかな?)曲などがミックスされているようです。ここらは私も聴いた事のない曲もあり、ある意味貴重かも。
今後ともよろしくお付き合いお願いします。