ダイアリー・オブ・カントリーミュージック・ライフ

現代カントリー・ミュージックのアルバム・レビューや、カントリー歌手の参考になりそうな情報を紹介しています

2021年カントリーミュージック・ベスト5・アルバム

2021-12-25 | カントリー業界情報、コラム

2022年のベスト・アルバムをアップしました★

 

今年も、お気に入りベスト5を最後にやらせていただきます。基準はいつもどおり、個人的にアルバム全体を通して長く楽しんだアルバムです。そこに、多少話題性やもっと広く知られて欲しい等の願望も加味して、選んでいます。順番は、5位からリストアップします。

 

【5】カーティス・グライムス Curtis Grimes - Curtis Grimes

このベストに入れたかったこともあり、1週間前に取り上げました。テキサスのローカル・シンガーに留めるのはもったいない個性と誠実な歌声の持ち主と思いますが、テキサス・ローカルだからこそこの音楽が実現できるのでしょう。それに、ソングライターとしてもいい曲をモノにしていると思います。なお、先週投稿の記事には、若干ですが意外に多くのアクセス数をいただき驚いています。

 

 

 

【4】 モーガン・ウォレン Morgan Wallen - Dangerous:The Double Album

今年1月にリリースされ、12月に入るまでビルボード200のトップ10内を維持し続けた超モンスター・アルバムなのに、メディアでは目に入らないかの如くほとんど取り上げられる事がないのが心苦しいです。もちろん、モーガン本人の「Nワード」発言でほぼ追放に近い形になっているからで、「ブラック・ライブズ・マター」の機運の真っただ中でという最悪のタイミングも有りました。それでもオールジャンル・チャートのトップ10に居座り続けるという奇妙な現象に、以前こちらの記事でも触れた、単純でないアメリカの人種差別問題の構図を感じます。(エリート白人層が作った)メジャー・マスコミがモーガンに゛カントリー業界に人種差別が有ると思うか?゛と質問する事に、矛盾を感じるべきでしょう。

いずれの楽曲もクオリティは高く、R&Bビートからトラディショナル・カントリーまで視野に入れた曲想も幅広く、聴く人を飽きさせない素晴らしいメインストリーム・カントリー・アルバムだと思います。そして、カントリー界にダブル・アルバム・ブームのトレンドをもたらしたのも特筆すべき事です。現在、カントリー・シングル・チャートで、"Sand In My Boots"が上昇中です。

 

 

 

【3】 カーリー・ピアース Carly Pearce - 29 :Written In Stone

さすがにCMAアワードの女性ボーカル賞を取った事には少々驚きましたが、なにかとポップへクロスオーバーしがちな女性カントリー・アーティスト達の中で、カントリー界にしっかりと根を下ろして活躍してくれそうなこれからの世代の人として、業界の期待を一身に集めたのだと思います。EPの段階からCMAアワードにノミネートされるくらいで、派手ではありませんが質の高い佳曲が揃い、トラディショナルな体裁を保ったポップ・カントリー・アルバムです。EPと後の本アルバムのジャケットの違いに、彼女がそういう方向に舵を切った事が感じられました。

 

 

 

【2】 エリック・チャーチ Eric Church -Heart- & -Soul-

同じダブル・アルバムとしては、インパクトではモーガン・ウォレンの「Dangerous:The Double Album」の方が有りましたが、ベテランならではの円熟味や、アメリカ南部音楽を集大成しようかと言う壮大な志に敬意を表して、コチラを上位にランクしました。「Heart」と「Soul」は1週間のインターバルで別々にリリースされ、それぞれビルボード200のトップ10に食い込んでいます。本国の「ローリング・ストーン」誌で、コロナ・ワクチンを接種する姿が表紙になり、ワクチン接種をPRしようとする姿も印象に残っています。

 

 

 

【1】 アラン・ジャクソン Alan Jackson - Where Have You Gone

1位は本作しか考えられませんね。ひいき目ではなく、本当に充実した楽曲が揃っていたと思いますし、しっかりとビルボード200のトップ10にも入りました。基本のスタイルは変えてないのに、音の感触とかで微妙に重厚さや円熟味を演出して、また少し違ったアラン・ジャクソン像を聴かせてくれたと思います。本当に奇跡的なタレントですね。

 

 

 

最近、個人的にはテキサスのカントリー・チャートがますますしっくり来るようになりまして、これはやはり加齢による保守化!?傾向の現れなのかしら、などと感じる今日この頃です。アメリカーナのような志高めの風でなく、自分たちの今の音として何の気負いもなく自然体でストレートなカントリーを奏でてくれるのが、テキサス・カントリーの気持ちよさと思います。でも、あまりそのようなアーティストばかり取り上げても、ますますマイナーになっていきますので、来年どうしていこうか、のんびり考えてやっていきたく思っております。

 



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