ダイアリー・オブ・カントリーミュージック・ライフ

現代カントリー・ミュージックのアルバム・レビューや、カントリー歌手の参考になりそうな情報を紹介しています

Luke Bryan ルーク・ブライアン - Doin' My Thing

2009-12-20 | カントリー(男性)

 2年前にプロフィールと共に、上々のデビュー・アルバム「I'll Stay me」をご紹介した、若手男性シンガー・ソングライター、ルーク・ブライアンのセカンド・アルバムです。デビュー盤では、粒ぞろいの楽曲を活気あるパフォーマンスで楽しませてくれましたが、このセカンドでも伸びのあるテナーボイスとアップテンポ中心の楽曲の勢いは健在、2作目のジンクスは見られません。爽快なギターが華やかに響くクロスオーバー・サウンドですが、フィドルやバンジョーを適度に配し、親しみやすいカントリー・ボーイらしさを演出していますね。

 



 快調なオープニング、“Rain Is A Good Thing”では、コンテンポラリー・サウンドの後ろできっちりフィドルとバンジョーが響き渡る、ロッキン・カントリー・チューン。コーラスで「雨はとうもろこしを育み、とうもろこしからはウィスキーが生まれ、そしてウィスキーは女の子達をチョッピリはしゃぎまわらせるのさ」 と歌われる、とにかく楽しもう!的な楽しいアップテンポ曲です。このアルバムとルークのキャラクターを分かりやすく表現します。タイトルソング”Doin' My Thing”は、少し雰囲気がモダンになるシングル向きのナンバー。ハーモニカをフィーチャーして「風に乗って、僕らしく振舞うんだ。心配しないで」と気ままな若者らしさを歌います。コレは、ジョー・ニコルスの"Gimmie That Girl"も書いているチーム、Ben Hayslip、Dallas Davidson、Rhett Atinsらの共作です。現在旬のライター達と言えるでしょう。ウェスト・コースト・ロック風の気持ちよさがナイスな、"Welcome To The Farm"は私のお気に入り。キレのあるギターのストロークに導かれて、「農場にようこそ!綺麗なサウンド意外は何も聴こえないよ。トラクターを道の脇に置いて歩いたり、川べりで横になろうよ」と、オーガニックな自然賛歌が歌われます。ルークのカントリー・ボーイらしさをPRするナンバーです。



"Do I"

 デビュー作でもほとんど聴かれなかった、待望のスロー・バラード"Do I"。リード・シングルとして期待通りのヒットとなりました。ルークと、レディ・アンテベラムのチャールズ・ケリーCharles Kelley&デイヴ・ヘイウッドDave Haywoodの3人の共作。レディAの2人は、ミランダ・ランバートのアルバムでも共作していて、ライターとしても精力的な仕事をしていますね。心地よく滑らかなバックのアンサンブルとルークのスムーズな声が自然に溶け合う、ソウル・テイストを持つバラードです。予定調和の極みね。レディAのもう一人、紅一点のヒラリー・スコットHillary Scottが、バックボーカルでクレジットされています。スローはもう1曲、One Republic ワン・リパブリックのカバー“Apologize”を収録。 ペダル・スティール・ギターをフィーチャーする事でカントリー・テイストを加味し、コーラスで聴かせるルークのファルセット・ボーカルが聴きものになっています。



 ラスト“Drinkin’ Beer and Wasting Bullets”はこのアルバムにあって異色の、ブルージーでヘヴィなロック曲。しかし、歌われているのは、ビールを飲みながらシカ狩りをしている男の、ユーモラスな戯言です。「ここに座って、シカを待ってるんだ。ビールを飲んでは、”玉”を無駄使いしながらね。空き缶を狙って撃つんだけど、失敗して松の木に当たってしまうんだ。僕が下手だからじゃないよ、缶は動いてるんだからね。嫁さんが携帯電話で言うんだ。『アナタどこにいるの?何やってるの?』僕はここに座って、シカを待ってるんだ。ビールを飲んでは、”玉”を無駄使いしながらね」カントリー・ライフを謳歌する喜びを歌ったこのアルバムの、ラストをガッチリ締めくくるにふさわしいナンバーです。

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